- 西鴨沢行きのバスを終点で下車した。桜吹雪の舞う国道を上流に向かって歩いた。バス停2個分歩いて、後山林道に入った。新緑の盛りで山の斜面には桜がたくさん咲いていた。片倉橋にゲートが有り、一般車は通行止めになっていた。塩沢橋の手前にはテンがいた。林道沿いにはミツバツツジがたくさん咲いていた。
- 登山道に入ると谷に沿った斜面の道になった。コンクリートで固められた石垣で崩れ防止がされていた。あちこちでハシリドコロが咲いていた。木の名を書いたプレートが所々付けられていて「シオジ」などと書かれていた。
- 三条の湯で幕営手続きをし、ビールと鹿肉の燻製を買った。テントの中で燻製をつまみにビールを飲んでくつろいだ。夜中、燻製の臭いに惹かれたのか、テンと思われる動物がテントのそばに寄ってきた。夜間、にわか雨が少し降った。
- 翌朝、かすかな霧雨が残る中を登り始めた。通行止めとなっている青岩鍾乳洞への道を見送り、ミズナラの森を登って行った。足元には落ち葉がたくさん積もっていた。
- やがて日が差してきて明るくなってきた。標高1400m付近で尾根の上に出た。見晴らしが良かった。付近にはアセビがたくさん咲いていた。水場までの間は少し下りも混ざった。道が崩れて砂で埋まっている箇所が有った。水場はたくさん水が流れていた。三条ダルミへの途中で12人の団体とすれ違った。「後山林道は大丈夫か」と聞かれ、「大丈夫だけれど、三条の湯までの間で道が砂に埋まっているところが2箇所ほどある」と教えてあげた。
- 三条ダルミは広い場所だった。ベンチが有り腰掛けて休んだ。すっきりしない天気で周囲の山は霧に覆われていた。三条ダルミからは少し急な登りになった。赤い岩が多くなった。
- 最後に一登りすると山頂小屋の裏に出た。小屋には50代の男性先客が一人いた。小屋前に荷物を置き山頂に向かった。山頂には誰もいなかった。周囲の山々は雲に覆われていた。時々飛龍山が見えた。
- 小屋に戻ってコーヒーを湧かして一休みした。単独行は下山して行った。出発前にもう一度山頂に行った。周囲の山々の雲は取れ、甲武信ヶ岳や関東平野が見えた。山頂小屋を出発する時に、入れ違いに30代の女性とその母親らしき二人組が登ってきた。
- 薄日が差す中、カラマツの防火帯の切り開きの道を下って行った。奥多摩小屋手前のピークは巻道を通った。
- 七ツ石山の巻道は石灰岩が多かった。日が差してきた。ミズナラが多く、コガラやコマドリが鳴いていた。七ツ石小屋下を過ぎたところで段ボール箱を6箱位積んだ背負子の40代の男性とすれ違った。箱の中味を聞くとビールとの事だった。七ツ石小屋の歩荷との事だった。
- 下るに従い、木は芽吹きだし新緑になっていった。下の方には桜が見えた。すっかり良い天気になった。水場から先では勾配が緩くなりなかなか標高が下がらなかった。足元にはヒトリシズカが咲いていた。
- 林道に出た所で一休みした。結局、下りでは10人位とすれ違った。林道を下り、登山者用駐車場の立派なトイレに寄って、鴨沢バス停へと下った。
- 鴨沢バス停近くの茶屋でビールを飲んで一休みしてからバスに乗り込んだ。