- 浪板海岸駅を下りたのは一人だけだった。海岸沿いの国道を歩いた。海の眺めがきれいだった。トンネルの先で右に入って少し登ると「青少年の家」に着いた。人の気配が無く閉まっている様子だった。
- 準備をしている間に3人組が車で着いた。3人組が支度をしている間に出発した。建物の左の道を登ると標識が有った。標識に導かれ左手の広場を横切ると尾根に取り付く登山口が有った。最初はミズナラの多い雑木林だった。黄葉がきれいだった。やがてアカマツの多い尾根の登りになった。
- 少し岩交じりの尾根を登りつめると稜線に着いた。北側に山田湾を望む事ができた。休んでいるうちに先ほどの3人組に抜かれた。
- 栗やアカマツの茂る稜線を進み、大沢川の鞍部を過ぎると鯨山への登りになった。いったん勾配がゆるくなった所からは山頂が見えた。山頂への最後の登りは急で太いロープが有った。船を岩壁につなぐロープを流用しているものと思われた。日陰に少し雪が残っていた。
- 山頂には小さな山頂神社の裏手から着いた。アカマツが多かった。奥にブロック造りの小屋が有った。先ほどの3人組は入れ違いに下山して行った。カラスが鳴いていた。樹林越しに複雑に入り組んだ海岸線が見えた。反対側の北上山地は雲の中だった。暖かな日を浴びながら昼食にした。単独行が反対側から登って来てすぐに下山して行った。
- 下山路は右手のアンテナに向かう道と左手の浪板海岸駅に向かう旧表参道が有った。旧表参道を通る事にした。上部は海の見晴らしが良かった。1合目ごとに標識が有った。6合目の先でいったんアンテナから来る林道に出た。再び山道に入りアカマツの森を下って行った。落ち葉の敷きつめられた気持ちの良い道だった。大槌から登ったと言う二人組に追いつかれた。青少年の家から登ったことを伝えると、車で来たと勘違いされ「車が下に置いてあるので青少年の家まで送ってあげる」と誘われた。事情を話し丁重にお断りした。3合目の先で沢に出た。更に少し下ると林道跡の終点に着いた。
- 最後は黄葉のきれいな林道を下り浪板海岸駅に出た。この日、出会った登山者は6人だけだった。時間があったので駅近くの田んぼから鯨山の写真を撮った。