- みちのく潮風トレイル第二回目は有家(うげ)駅から前回の続きを歩き始めた。気温と湿度は低めで快適だった。
- 川の渡渉点に着いた。川幅は7-8m有った。朝までの雨のせいで水深は膝ほど有り、少し濁っていた。迂回路を通ることにした。まるで罰ゲームをしている感じで長かった。途中で白滝を見物した。1時間以上かけてトレイル本線に戻った。
- やがて草の被さるヤブの山道になった。途中で地元の人に「まだ刈り払いしていないんだよ」と言われた。田子ノ木歩道に入り、やっと刈り払いされた道になった。侍石(さむらいいし)付近ではニッコウキスゲがきれいだった。
- この日は北侍浜(きたさむらいはま)野営場で幕営した。他のテントは無かった。暗くなると満月が登って来た。満月に誘われたのか、車で一人の若者がやって来てハンモックを吊り始めた。若者の焚き火の音を聞きながら眠りについた。
- 二日目、横沼展望所では、南に荒々しい海岸が見えた。ウミネコが盛んに鳴いていた。起伏の多い山道歩きが続いた。途中ではカモシカの親子にも出会った。久慈市の市街地外れで山道が終わった時には予定より30分ほど遅れていた。
- トレイルは市街地海沿いの真新しい防潮堤の上に続いていた。防潮堤が終わると長い車道歩きに変わった。「つりがね洞」で、車でやって来た男性に「八戸方面から歩いているんですよね。何回か見かけたんです」と声をかけられた。
- 少し急ぎ足で車道を歩いたため、小袖漁港には予定より1時間近く早く着いた。休憩所の「小袖海女センター」で一休みした。2階には昔の「小袖海女センター」の写真パネルが有った。老朽化した建物を建て直したところ、すぐに東日本大震災に遭って新しい建物は流されてしまったらしかった。今回の建物は津波で流されないよう鉄筋に建て直されていた。
- 小袖漁港からはバスと三陸鉄道を乗り継いで野田玉川駅まで行き、駅から15分ほどの玉川野営場にテントを張った。他のテントは二張りだった。奥のテントの釣りに来た男性からは「もしかして歩いてきたんですか」とびっくりされた。
- 三日目は、三陸鉄道とバスを乗り継いで久慈市の小袖漁港に戻り、続きを歩き始めた。
- 海岸段丘の山道で、「小袖自然歩道」との標識が途中に有り、よく整備されていた。途中の車道で散歩中の男性に「一週間前に熊を見たので、しばらく来なかった」と言われた。小さな谷を何度も登り下りした。稜線は松林、谷は広葉樹の森で小さな流れが有った。所々マルバダケブキが咲いていた。最後に梯子を下って海岸に飛び出し、山道歩きが終わった。
- 雨が降り出したのでレインウェアを着てハマヒルガオの咲く海岸を歩き出した。砂浜には3人分の足跡が残っていた。
- 陸中野田駅から三陸鉄道で玉川野営場に戻った。この日、他のテントは無かった。管理人が17時頃にやって来た。「昨日の分は良い」と言われ一日分だけを支払った。野営場から玉川海岸への歩道入口には「みちのく潮風トレイル」のカウンタ(月初めにリセットされる)が有った。朝は7だったカウンタは10に増えていた。海岸の足跡の主が通って行ったらしかった。
- 最終日は三陸鉄道で陸中野田まで戻って歩き始めた。海岸近くの十府ヶ浦公園を海からのさわやかな風に吹かれながら歩いた。
- 海からの霧にすっかり覆われた頃に玉川野営場に戻り着いた。テントを撤収し、カウンタを10から12に進めて出発した。
- 歩道を下ると玉川海岸だった。「野田村震災ガイド」の男性が海岸の掃除をしていた。「この先は、砂浜を少し歩いて堤防の中程ほどから階段を上がると道が続いています」と教えてくれた。分かりにくい道だったので助言はありがたかった。
- 国民宿舎で野田産の肉厚の「ほたて」が入った海鮮丼を食べ、堀内(ほりない)駅まで歩いてトレッキングを終了した。
- 今回の歩行距離は約63kmで前回と合わせると130kmになり全体の約2/15を歩いたことになった。