- 2月に来たときは雪がたくさんあった関沢の登山口も、4月のこの時期になると道の脇に雪が少し残っているだけだった。ゲートの脇を通り舗装された車道を登り始めた。
- 登山道に入ると雪が残っていた。登山道はジグザグの林道を串差しするするようにまっすぐ付けられていた。峠付近になると登山道の雪は無くなり土が見えていた。峠付近は強風だった。この日は東風だった。峠のトイレの陰で風を避けながら休んだ。サングラスを付けようと荷物を点検したら、サングラスの他、磁石、懐中電灯、日焼け止めも忘れてきていることに気が付いた。
- ハマグリ山までは雪の斜面を直登した。登るに連れて風が強くなった。たまらずレインウェアを防寒のために付け、手袋も二重にした。ハマグリ山まで登ると風もおさまったのでレインウェアは脱いだ。
- 気持ちの良い稜線を山形神室へと向かった。微妙な地形の変化で風の強いところと弱いところが交互に現れた。トンガリ山手前は特に風が強く、ストックでよろけるのを支えながら登った。サングラスが無いので目を細めて登ったこともあり不快なことこの上ない登山になった。修行のような感じがした。トンガリ山の先は霧氷がきれいだった。
- ほぼ予定の時間に山形神室に着いた。風は強いものの天気は良いので引き返す理由はないと、予定通り仙台神室に向かった。山形神室から先は足跡が無くなり、最近行った人は無さそうだった。やや急な山形神室の下りを軽快に進むと、やがて仙台神室への登りになった。急な雪面だったのでピッケルを使った。
- 登り着いた仙台神室の山頂は不思議なことに風がほとんど無く、落着いて休むことができた。携帯が通じたので知人に登頂の報告メールを出した。
- 帰りは往路を戻った。曇ってきたので目は楽になった。山形神室への登り返しは、行きに比べ雪が少し固くなっていたのでピッケルを使った。トンガリ山からの下りは、相変わらずの強風だった。ストックを使いながら、よたよたと下った。この強風の中、よくあきらめずに登ったものだとあらためて思った。笹谷峠からは一気に下り、関沢には十分明るいうちに戻ることができた。
- 結局、この日、登山者には笹谷峠への登りで数人とすれ違っただけだった。