- 一ノ瀬スキー場からリフトを2本乗り継いで寺子屋スキー場の最上部に着いた。ワカンを着けて樹林帯を登り始めた。
- 寺子屋山山頂には標識があった。同行の土屋さん、伊久間さんによると昨年の3月はもう1mほど雪が多かったとのことだった。
- 寺子屋山を過ぎると稜線の見晴らしが良くなった。尾根の先には三角形の岩菅山が見えていた。
- 2072m峰を過ぎたあたりから岩菅山に雲がかかりだした。山頂まで標高差100mのところまで来ると正面が雪の壁になった。アイゼンとピッケルを使って登った。雪が降り出していた。
- やがて勾配がゆるくなり山頂に着いた。避難小屋は雪に埋もれ場所も分からなかった。トイレだけが半分雪の上に出ていた。避難小屋泊をあきらめテントを設営することにした。交代で雪を掘り、深さ80cmくらいにしてテントを張った。夜は風が強く、テントが揺れた。
- 翌朝は晴れていた。テントの内側には霜がびっしりと付いていた。シュラフカバーの内側も霜が氷って雪のように白くなっていた。外に出ると、すぐ奥に裏岩菅山がひときわ大きく見えた。
- 出発時の気温は零下10度だった。下りは焼額山方面に向かうことにした。アイゼンをつけ、まず寺子屋山方面の昨日登ってきたところより右よりの樹林の中を下った。100mほど下ったところでアイゼンを外し、右方向の焼額山方面ににトラバース気味に方角を変えた。背の低い針葉樹が密生していて歩きにくかった。
- 標高2050mくらいまで下って、予定の尾根に乗ることができた。後は広い尾根を外さないよう下った。途中からスキーヤーのトレースが出てきた。岩菅山からまっすぐ下ってきた様子だった。トレースは途中で左の谷に下りていったので、我々はそのまま尾根を進んだ。
- 1700m地点まで来て、予定より尾根を進みすぎてしまったことに気付き、左に曲がって方角修正した。いつの間にかワカンのひもがゆるみ2度ほど外れてしまった。
- 幸いにも予定していた岩巣護橋にぴったりと下りることができた。後は道路を一ノ瀬に向かうだけだった。途中までは圧雪車で踏み固められた道だった。軽快に滑ってくるクロカンスキーヤー一人とすれ違った。