- 大鳥登山口でバスを下りた。暑いくらいの気温だった。朝日館の夫婦が子供を保育園のバスに乗せていた。「縦走ですか」と声をかけられた。
- 泡滝ダムに向かって歩き始めた。暑かった。途中で日焼け止めを塗った。やがて朝日館のご主人が軽トラックでやって来た。「泡滝ダムまで行くので、乗っていきませんか」と言われた。ありがたく乗せてもらうことにした。役場に登山者から「登山道が崩れている」と連絡が入ったので見に行くとの事だった。
- 泡滝ダムの真横で下ろしてもらい、登山道を歩き始めた。30分程歩いたところで、登山道が土砂で崩されていた。朝日館のご主人は「人を雇って直さなければ」と話していた。足場を気にしながら慎重に通過した。
- 沢を離れ、大鳥池への最後の急登を登り始めた。ところどころ雪渓があり、少し緊張しながら通過した。やがて傾斜が緩くなり大鳥池のほとりに着いた。静かな湖畔の対岸には、雪がそのまま池に落ち込んでいた。釣り人が数人いた。ここまでほぼ一緒に歩いていた釣りの3人組は、ここで宿泊する様子だった。予定ではこの日はここまでだったが、車に乗せてくれたために早く着いたので以東岳まで足を延ばすことにした。テント場の水場で水を満タンにして出発した。
- 最初はブナ林の急登だった。蚊が多かった。やがて灌木が多くなると、足元にはカタクリが多くなった。雪田の横にはタムシバが咲いていた。日帰りの単独行者とすれ違った。この日出会った唯一の登山者だった。
- 2箇所ほど雪田を横切り、三角峰の先にある水場に着いた。水場は雪に埋もれていた。更に登ると、足元にミヤマキンバイが多くなった。場所によってはハクサンイチゲもたくさん咲いていた。横の雪渓から登山道に雪解け水が流れ込んでいた。以東小屋の水場は雪の下だろうと思い、ここで水を満タンにした。
- 以東岳山頂からは南に大朝日岳が見えた。北の月山もうっすら見えた。足元にはミヤマキンバイがたくさん咲いていた。まぶしい日差しの中を以東小屋まで下りた。宿泊費1500円を箱の中に入れ宿泊した。金曜の晩の事もあり、他の宿泊者はいなかった。ラジオでは山形が30℃を越えた事を伝えていた。
- 翌日も晴天だった。気温が高いせいか、大朝日岳は霞んで見えなくなっていた。中先峰にかけてハクサンイチゲやウスユキソウ、ミヤマキンバイが多く咲いていた。風が強かった。ウグイスがあちこちで鳴いていた。
- 狐穴小屋は雪渓に囲まれていた。小屋の横の水場は、雪渓からの雪解け水がたくさん流れていた。水筒を満タンにして大朝日岳へと向かった。