- 前日夕方、インフォメーションセンターの愛想の良い女性に山小屋(リュッセルシェイマーヒュッテ Russelsheimer Hutte)を予約してもらった。女性は、本来の仕事はガイドの手配らしく、我々が自分たちだけで登る事を伝えると。「Are you sure? (本当か)」と念押しされた。
- 当日、登山口に有るヒュッテの駐車場には7-8台の車が駐車してあった。曇り空で少し霧雨が降っていた。扉を開閉して牧草地に入って登り始めた。ヤナギランが咲いていた。途中で暑くなりフリースとレインウェアを脱いだ。一休みして、しばらくモミの樹林帯をジグザグに登って行くと草原の登りになった。イワギキョウやウメバチソウなどの花が咲いていた。
- 霧雨の中、すれ違った登山者は数人だけだった。やがて山小屋に着いた。靴を小屋のスリッパに履き替えて中に入った。4-5人が休んでいた。我々もクネーデルスープ(直径3cm位の団子の入ったスープ4.8ユーロ(約570円))を注文し赤ワイン1/4リットル(5ユーロ 約600円)を飲みながら2時間位かけて昼食を食べた。温かいスープはおいしかった。山小屋は一泊二食付きで50.5ユーロ(約6100円)だった。この日の宿泊は14人だった。天気予報では翌日は雪が降るとのことだった。
- 翌日の朝、霧は晴れて青空が見えていた。小屋の主人によればホーエガイゲは大丈夫だろうとの事だった。
- 小屋からの最初の登りは岩のゴロゴロした道だった。横には水の流れが有った。 標高2630m付近まで登ると岩に少し雪が付いてきた。やがて霧の中に入った。標高2890mまで登ると小雪が降ってきた。レインウェアを着た。岩場になったのでストックをしまい、ヘルメットを付けた。幸い雪は30分ほどでやんだ。標高3000mを過ぎると少し日が差してきた。岩には1-2cm雪が積もっていた。雪で見えにくくなった赤ペンキマークを拾いながら登った。滑りやすいので注意して登った。
- 標高3100m付近でワイヤーの付いた稜線伝いに進む道と岩場をトラバースして進む道に分岐していた。トラバースする道を選んだ。いままでより緩やかになった岩場を登り切って稜線に出ると山頂の十字架が見えた。手前には雪渓が有った。
- 雪渓の右側を巻いて山頂に向かった。途中からは雪の斜面を横切って進む道になり注意して進んだ。雪渓を巻き終わると小鞍部だった。小鞍部からはガレ場の尾根の登りになった。ストックを再度出して登った。
- 急なガレ場を登って行くと誰もいない山頂に着いた。結局、持ってきた軽アイゼンは使わずにすんだ。晴れて来て周囲の展望が少し得られた。山頂の十字架の根元に金属製の箱が有り、中にノートが入っていた。ノートに登頂記念の名前を記載した。前日の登頂者の記載は無かった。下を見ているとワイヤーの尾根通しに登ってくる3人組が見えた。山頂へは我々のコースとは異なり直登する尾根を選んでいた。
- 帰りも雪渓を巻いて下る同じコースを通った。巻き終わって上を見ると山頂には先ほどの3人組が到着していた。
- 岩場はストックをザックに付けて下った。雪が溶けてきて赤のペンキマークは見やすくなっていた。山頂から1時間半程下った所で単独行とすれ違った。岩場の末端付近では雪はほとんど溶けていた。岩場末端でストックを再び出した。
- 小屋まで下ると、好天になったせいか前日とは打って変わってテラスが賑わっていた。忙しそうにしている小屋番の眼鏡をかけたお嬢さんに軽く挨拶して出発した。
- すっかり良い天気になった草地をジグザグに下り、ようやく登山口に着いた。登山口の駐車場の車は20台ほどに増えていた。上を見ると泊まった山小屋が小さく見ていた。特に2日目の行程は長く、けっこうきつい山だった。