- 焼山温泉からの林道は終点の橋の工事現場まで除雪されていた。車2台とパワーショベルが駐車してあった。土のブリッジで沢を渡り、杉植林帯に入ったところでシールをつけてスキーで登り始めた。
- 杉植林帯が終わり昼闇谷の徒渉点に着いた。下り口が分からなくて少し迷った。スキーを脱いで数メートルヤブを通って下り、ところどころ水面ののぞく谷を渡った。
- 平坦な台地をしばらく進むと二つ目の谷に出た。谷を渡ったところで今度は谷沿いに登ることにした。雪の下から水の流れる音がゴーゴーと聞こえてきて気色悪かった。
- 谷はやがて浅くなった。長さ10m位の水流の見える穴のところで右手の台地に登った。広場があり正面には阿弥陀山や烏帽子岳が見えた。テントを張った。暖かい日差しの中で昼寝をした。1時間に1回くらいなだれの音が雷のように響いた。
- 翌朝、テント内は5℃と、あまり冷え込まなかった。明るくなるとすぐに出発した。高曇りだった。最初は幅広の尾根を登った。途中からやや左よりにルートを変更し、小鉢山と鉢山との間のU字の谷を目指した。上部はいくつかの浅い沢に分岐していて磁石で方角を確認しながら登った。
- 鉢山東の肩には鉢山往復の単独行の足跡が有った。少し風が吹き、鳥のさえずりが聞こえた。
- 1610mピークからは山頂手前を登る三人の登山者が見えた。ここでスキーをデポし、つぼ足で登ることにした。最初は細かなアップダウンの平坦な尾根だった。二重山稜になっているところでは昨晩の宿泊と思われる雪洞があった。急坂になりピッケルを使った。数メートルほどヤブが出ているところがあった。
- 山頂は広々としていた。焼山北面台地へと向かう3人の登山者が小さく見えた。山頂の南側に雪が融けて下の木が見えているところが有ったので腰を下ろして休んだ。
- 1610mピークまで戻り、スキーを履いて鉢山東の肩まで一気に下った。スキーを再びデポして鉢山に向かった。急な登りが始まるところでは雪が割れていて、登るのに苦労した。やがてひどいヤブになったのであきらめて引き返すことにした。ゆるんだ雪の急坂をピッケルを使って慎重に下った。
- 鉢山東の肩からはどこでも滑れる快適な下りだった。幅広の尾根に入ってからは消えかけた登りのトレースに従って下った。広場に戻りテントを回収した。2箇所の谷ではスキーをかついだ。
- 林道終点の車はいつの間にか我々の1台だけになっていた。帰りにふもとの焼山温泉に寄り汗を流した。