- あずまや温泉の外れにある駐車場に車を置き、スキーにシールをつけて登り始めた。
- 樹林帯を登り、やがて牧場に着いた。快晴だった。浅間山が少し霞んで見えた。すでに雪解けが進み、牧場の一部からは地面が見えていた。鳥のさえずりが聞こえた。はるか先を登っていくスキーヤーが一人豆粒のように見えた。
- 牧場の最上部まで登り、後を振り返ると北アルプスがうっすらと見えた。ここからはシラカバ林の中の登りだった。地形図では社が記載されている岩のところは少し急な登りだった。やがて道が尾根をトラバースするようなったので、適当なところでスキーの跡に従って左側の灌木帯に入った。暑くなってきたので灌木帯の中で一休みした。正面には湯ノ丸山が見えた。靴ずれのところに絆創膏を貼ろうとして靴を脱いだら足がつってしまった。
- 2100m付近の尾根は少し岩が露出していた。上を見ると4-5人の登山者が登っていくのが見えた。岩場を避け尾根の右よりの雪の斜面を登ることにした。この付近でスキーヤー4-5人と次々にすれ違った。2200m付近の台地に出ると三角形に尖った四阿山の山頂が見えた。
- 尾根が狭くなり、いったんわずかの下りのあと、最後の登りになった。ガイドブックにはツボ足が良いと書いてあったが、雪が柔らかだったため、そのままシールを着けて直登した。山頂までに更に登山者やスキーヤー5-6人とすれ違った。
- 東西に長い山頂部の奥の方に社があった。社にスキーが立てかけてあるだけで誰もいなかった。奥の方に進んでみた。稜線を下って行く登山者が数人見えた。社の前に戻りザックに腰掛けて休んだ。やがて奥の稜線からスキーの主が戻ってきた。外国人だった。「今日は雪がやわらかくて簡単に行ける」と少したどたどしい日本語で話していた。
- 一人っきりになった山頂でしばらく休んだあと、シールを外して下りにかかった。山頂直下はボーゲンで慎重に、あとは少し滑っては少し休みの繰り返しで下った。2200mの台地付近で登ってくるスキーヤー二人に出会った。牧場はほとんど直滑降で下り、あっけなく登山口に着いた。