- バスを下りた北沢峠で腹ごしらえをして出発した。長衛小屋前のテント場には、たくさんのテントが張ってあった。沢沿いに仙水小屋まで登り、テントを張った。こちらのテント場は全部で6張りだった。登山道のすぐ脇に張ったので、夜中から明け方にかけて大勢の登山者の足音が聞こえた。
- 翌朝は、明るくなるとともに手早くテントをたたんで出発した。樹林帯がしばらく続いた。やがて甲斐駒側から岩がごろごろとなだれ落ちているところに出た。しばらく進むと仙水峠に着いた。30-40人の登山者がいて、中には朝食をとっている人もいた。間近に甲斐駒の摩利支天が迫っていた。
- 栗沢山への道に入ると急に登山者が減った。栗沢山山頂には数人の登山者がいた。雲一つ無い晴天で甲斐駒の眺めが良かった。
- アサヨ峰までは岩場が多く、一部で三点確保が必要だった。アサヨ峰には5人ほどの登山者がいた。縦走する登山者よりも北沢峠から往復の登山者の方が多かった。360度の展望を楽しんだ。
- アサヨ峰からは、最初は急な下りだった。急坂が終わると上り下りが続いた。小さなピークをいくつか越えるうちに、いつしかシラビソやダケカンバの樹林帯になった。ナナカマドの実も赤かった。
- 早川尾根小屋の回りはシラビソの樹林帯だった。テントは8張りだった。逆コースの宿泊者は、鳳凰山とアサヨ峰を2泊3日で一気に縦走する人が多かった。夜は中秋の名月で明るかった。
- 最終日の朝、テントは夜露ですっかり濡れてしまった。小屋の朝食は4時半との事で、一時、宿泊者の声で騒々しかったが、テントをたたむ頃には静かになっていた。
- 小屋を出て15分程で小ピークに着き周囲の展望が開けた。先に出発した単独行が写真を撮っていた。仙丈ガ岳には、ちょうど満月が沈もうとしていた。
- 広河原峠を越え、赤薙沢ノ頭に向かった。ところどころで展望が開け北岳が見えた。赤薙沢ノ頭は360度の展望だった。逆光の中に地蔵岳が見えた。
- 白鳳峠からの下り始めは岩のごろごろした広い谷だった。正面に北岳が見えた。静かな谷で、メボソムシクイの鳴き声が聞こえていた。やがて樹林帯の中の急坂になった。梯子が6本と岩のへつりが1箇所有った。
- 広河原からの甲府行きバスは3台に増発されていた。芦安駐車場行きの4台も合わせ7台も同じ時刻で走ったので、かなり壮観だった。どのバスも満足感あふれた表情の乗客で満席だった。