- 無人駅の東白石駅で下りたのは二人だけだった。列車が走り去るとホームの向こう側の白石川に白鳥がたくさんいるのが見えた。車道を青麻山へと向かった。
- 宮神社下でバス道を離れるのでバスの時刻を見てみた。1時間に1本程度走っていて、これなら帰りは利用できるかも知れないと思い、時刻をメモした。
- 林道の分岐する丁字路で、車のわだちは終わっていた。10cm位の新雪にはトレースは無かった。スパッツを付け、ストックを出した。素手で作業している間に手がすっかりかじかんでしまい、しばらくポケットに手を入れて暖めた。
- つぼ足で苦労しながら無線中継所まで登ると、正面に青麻山が大きく見えた。青麻山への稜線は、いったん下っていた。左手はまだ高さ1mくらいの苗木の植林帯だった。見晴らしが良かった。右手は雑木林だった。
- 標高610mまで登ると尾根を離れ斜面のトラバースになった。普通はトラバース道は緩いことが多いのに、ここのは相変わらずかなりの急坂だった。トラバースの終わり付近からは平野の向こうに意外な近さで太平洋が見えた。トラバースの終わりには大きな岩があった。ガイドブックでは岩の上からの展望が良いとのことだったが、蔵王方面は雲の中だった。
- ミズナラなどの樹林帯を登って行くと小さな祠のある山頂に着いた。新雪をつぼ足で登ったせいもあり、予定より1時間ほど遅れての到着だった。小雪がちらついていた。山頂付近の積雪は15cmくらいだった。南側の展望が開けていた。西側には樹林の間にすぐ隣のあらけ山が見えた。
- 普通、雪道は往路を戻ることが多いが、この日は尾根を北東へ進んだところから下りることにした。と言うのは、この山はちょうど2万5千分の一地形図の境で、元の道を戻るとせっかく入手した「遠刈田」の図を通らないことになってしまうからだった。右に曲がる尾根が顕著でないため多少の不安を感じながら進んだ。幸い木の幹に古い赤テープが巻き付けてあり、勘を働かして右に曲がると、すぐに一週間前のものと思われる足跡が現れた。後は登山口まで足跡をたどるだけだった。
- 雪道の下りは軽快なことが多いが、ここでは深さが足りなくて硬い地面にすぐにかかとが当たって、あまり心地よくなかった。周囲は雑木林が多く、登りに通ったルートより雰囲気が良かった。林道と交差した十字路の登山口からは車道を歩いた。境松のバス停でタイミング良く来たバスに乗り白石に戻った。