- 畑薙第一ダムまでのバスは約45人の乗客で2台に増発されていた。終点の畑薙第一ダムでは大多数の人が送迎バスに乗り継ぎ、実際に歩き出したのは3人だけだった。林道は暑く、日陰を選んで歩いた。青薙山の登山口は少し草深い感じがした。登り始めるとすぐにしっかりした山道になった。
- 池の平が近付くと斜面を横切る道になった。次第に水の流れる音が大きくなり、池の平に着いた。水量の多い湧き水だった。小さな池が有り、すぐ下は滝になっていた。他のテントは無かった。
- 二日目、テント場から割と明瞭な登山道をわずかに登ると赤崩の渕に出た。茶臼岳などが見えた。ガレに沿ってシラビソの森を赤崩ノ頭へ向かった。時々、赤石岳などの南アルプスの高峰が見えた。鳥の鳴き声が多かった。
- 赤崩ノ頭の先でケモノ道に引き込まれ左下に行き過ぎてしまった。間違いに気付き正しい道を探したが、見つけられなかった。やむなく道の無い所を登った。30分ほどのロスになった。肩に出る少し手前で右から登ってくる登山道に出会った。肩から先でも一度ケモノ道に引き込まれてしまった。西側に小さなガレが迫る所で西側の展望があった。
- 青薙山山頂には単独行がいて、稲又山への道を探していた。「朝、畑薙ダムを出発した」との事で、ケモノ道で迷っている間に抜かれたようだった。山頂からは西側展望有るも少し木の枝が邪魔していた。
- 青薙山山頂からは稜線の右手へ下っていくと道が有った。1320mピークまでは潅木のヤブがうるさかった。稲又山への登りではガレの渕から青薙山が見えた。稲又山山頂はシラビソの森の中だった。ハルゼミがたくさん鳴いていた。
- 稲又山直下の下りでは倒木の所で道が分からなくなった。右手に進んで行くと道に出会った。所の沢越まで倒木の多い道が続いた。5~10mおきについているピンクのテープを頼りに進んだ。所ノ沢越は風が涼しかった。
- 所ノ沢越を少し下った水場にテントを張った。14時半頃、笊ガ岳へ登る5人組がテントの横を登って行った。16時過ぎに私と同じコースを通ってきた2人組が着いた。単独行とすれ違ったか尋ねたところ「すれ違わなかった」との事だった。2人組もケモノ道に迷ったとの事で、おそらく迷っている間にすれ違ったのだろう。2人組がテントを設営しているときに一人が大声を上げたので何事かと思ったら、どけた石の下からサンショウウオが這い出てきた。
- 最終日の朝、コマドリの鳴き声に送られながらテント場を出発した。最初の沢で道が分からなくなり、5分後に来た2人組と一緒に道を探した。ちょうど水平な位置に先の道が有った。幅30mほどのガレが有り、標高差20mほど上を巻いて通過した。他にも小さなガレが数箇所有り、注意しながら通過した。
- 尾根を越えた所から緩い下りになった。あまり歩かれていない様子でテープを頼りに下った。天狗岩を過ぎた所で分かりにくい所があり5分ほど道を探した。徒渉点は石が滑りやすそうだったので靴を脱いで渡った。2人組は靴のまま水に入って渡っていた。長さ130mの「中の宿吊橋」を渡り林道に出た。林道を畑薙第一ダムまで戻った。