- 初日に椹島を出発したときは晴れていた。千枚大吊橋を渡ると岩の多い急登だった。森の中の登りだった。やがて霧が出てきて、清水平への登りでは雨も降ってきた。30分間ほどレインウェアを着た。清水平の水場でゆっくりと昼食休憩にした。
- 雨がやんだのでレインウェアを脱いで出発した。メボソムシクイが鳴いていた。やがて緩い直線的な登りになった。「木馬道」との表示が有った。駒鳥池は樹林に囲まれてひっそりとしていた。トラバース道になるとトリカブトが咲いていた。霧の森を進むと宿泊する千枚小屋に着いた。レインウェアを乾かし、食堂でコーヒーを飲んでくつろいだ。夕食後には少し霧が晴れて富士山が見えた。
- 二日目は雨だった。レインウェアを着て出発した。岩の多い道になると千枚岳に着いた。風が少し強かった。千枚岳からの下りの岩場にはマツムシソウやタカネビランジが咲いていた。丸山からはハイマツ帯になった。悪沢岳への最後の登りは赤い岩が多かった。悪沢岳山頂は誰もいなかった。
- 悪沢岳からの下りは途中から急になった。中岳への登り返しで霧が少し晴れ悪沢岳が見えて来た。中岳避難小屋では場所を譲り合いながら休憩した。インスタントのコーヒーを飲んで体を温めた。休憩後は雨もやみ、中岳から前岳まで進んだ。前岳周辺は切り立っていて雄大な感じがした。
- 見え始めた悪沢岳を後ろに荒川小屋まで下りた。早く着いたので食堂でコーヒーとベリーのケーキをいただいてゆっくりした。すっかり晴れてきて、翌日向う小赤石の肩も見えて来た。
- 三日目は快晴だった。小屋からは富士山が見えた。大聖寺平まで登ると中央アルプスや北アルプスが見えて来た。そよ風が心地良かった。ホシガラスの飛ぶハイマツ帯を登った。小赤石の肩への登りは急だった。トウヤクリンドウやイワツメクサが咲いていた。小赤石岳では少し霧が出てきた。
- 赤石岳へは霧の登りだった。トウヤクリンドウがたくさん咲いていた。山頂には登山者が二人いた。霧で展望は今一歩だった。何とか兎岳が見えたところで諦め下山を開始した。分岐からの下りは急だった。水場からは桟道が多かった。ダケカンバが多かった。富士見平では悪沢岳と赤石岳が見えた。針葉樹林帯を下ると赤石小屋に着いた。コーヒーを注文し、木陰で聖岳を眺めながらくつろいだ。
- 最終日、赤石岳の朝焼けを楽しんだ。小屋近くの三角点からは富士山が見えた。下りはじめはシラビソの森、やがでダケカンバとコメツガの多い森になった。途中でお弁当を食べコーヒーを飲んでゆっくり下った。椹島では今回の山行で何回も会った人達に再会し、お互いの健闘をたたえ合った。
- 今回は、四日間しっかり歩き、南アルプスの大きさを実感できた山行だった。