研究資料・文献リスト
作 成:天竺斎 情報更新:2000年2月2日
凡 例:(来)=来館者研究 |
(評)総合研究開発機構 1981.
「文化施設の経済効果-国立民族学博物館をモデルとして-』
・文化施設への投資が、地域社会に対して貢献する経済的効果を、はじめて体系的に分析した、我が国の先駆的な調査・研究成果である。社会便益分析を試みるなど、経済と文化施設の関わりとういう意味からも、新しい観点を浮き彫りにしている。
(評)梅棹忠夫監修・総合研究開発機構編 1983.
「文化経済学事始め』学陽書房
・上記の1981年の総合研究開発機構の調査研究を、一般向けに平易にまとめた単行本である。我が国ではじめて「文化経済学』
という言葉を使用した。
(評)日本科学技術振興財団・丹青総合研究所 1987
「展示評価の調査・研究:よりよき展示の創造のために』
(共同研究・報告書)
・Screven.C.Gの評価方法を紹介し、日本の展示研究に適用しようとした。
○伊藤寿郎 1991
「ひらけ、博物館』岩波プックレット 岩波書店
・市民の立場で地域博物館を評価するチェックリストなどをまとめている。
○(来)ライフデザイン研究所 1993
「ミュージアムとのここちよい関係づくり-美術館・博物館の利用に関する調査-』
・全国数館でのアンケート調査とモニター調査を併用し、データの集計、分析を行っている。
○(来)染川香澄1994.
「子どものための博物館』岩波プックレットNo.362 岩波書店
・米国の子どもの博物館を紹介するなかで、エヴァリュエーションについて紹介している。
○(来)宮城教育大学 科学館プロジェクト 1995.7
「学習環境としての科学博物館』(1994年度教育心理学演習自主研究)
・認知心理学の立場から、来館者の学習行動を観察し、分析。
プロトコル分析。
○(来)宮城教育大学 科学館プロジェクト'96 1997.3
「仙台市科学館 入館者観覧行動調査』(仙台市科学館委託)
・上記の自主研究の成果が館に認められ、より本格的に調査、報告したもの。
○(来)総合研究開発機構 1998
「アートマネージメントと文化政策-我が国の文化政策の将来構想に関する研究-』pp.67-pp.68
・端信行「第5章 文化の生活化と文化施設の活性化-アートマネージメント振興政策の緊急性」の第3節で、アメリカの利用者調査に言及し、日本の理念先行型の利用者不在の施設運営に警鐘をならしている。
同内容は、1998『NIRA 政策研究 特集・文化政策への提言』Vol.11 NO.5 アートマネージメントの新たな展開 に再録されている。
○(評)斉藤達三(編著) 1999.2
「実践 自治体政策評価』ぎょうせい:pp.153-pp.208
・佐々木達矣、平光節夫「第2章 岐阜県における政策評価モデル」で、岐阜県地方自治大学校研究部が行った行政政策評価研究の成果として、岐阜県立博物館と県立美術館の政策評価シミュレーションを紹介する。
報告書として、
「平成8年度研究報告書 政策評価モデル』(岐阜県地方自治大学校研究部)
があり、これはその要旨である。
○(来)財団法人東京都歴史文化財団・東京都江戸東京博物館 1999.3
「東京都江戸東京博物館常設展示 展示評価調査 平成9年度・10年度総合・要約編』
・平成9年度、10年度の2ヶ年度にわたって、江戸東京博物館を訪れた来館者に展示に関する評価を調査した成果。
○(評)上山信一 1999.7
「行政経営」の時代 …評価から実践へ…』NTT出版:pp.53-pp.71
・「第1章 米国にみる行政経営の先駆事例」の“4 博物館のマーケティング-スミソニアン研究所の変身”と“5 美術館のサービス改革-ニューヨーク近代美術館のケース-”で、ミュージアム・マーケティングの必要性を述べ、行政経営の中での博物館・美術館の活動評価について紹介している。
◆論文・記事◆
(来)黒川純行 1969
「展示効果評価法」『博物館学研究会報告』第1号 秋吉台科学館・萩市郷土博物館 pp.9-pp.19
・未読。川嶋によれば、Melton.A.Wの影響と、客観的指標にもとずく展示評価の必要性、新しい博物勧学の一領域の開拓の使命感が読みとれるという。
(来)森田恒之 1975.
「博物館は何を求められているのか」『埼玉県立博物館紀要』第1号 pp.2-pp.10
・未読。
○(来)浅沼晴男 1984
「展示物観覧効果の調査研究-人数と滞留時間の計測を中心とした観覧者の反応度-』
『展示学』第1号 pp.102-pp.103
・我が国初期の来館者の展示観覧行動を観察した研究。滞留時間という定量化デ
ータを観覧効果に結びつけている。第1回 日本展示学会大会発表の要旨。
○(来)榊原聖文 1984.3
「展示(品)評価の視点について」『博物館學雑誌』第9卷 第1号・第2号 合併号 pp.33-pp.39
・来館者と展示品の関わり方を思考実験して、展示品の価値を評価する基軸を定めようとする試み。
○(来)草刈清人 石川明夫 里見親幸 安井亮 1986.
「産業考古学・技術史系展示の一考察 EXPO'85歴史館の展示効果測定を中心として」 『展示学』第4号 pp.123
・筑波科学万博でのパビリオンでの観覧行動を観察、分析した。
第4回 日本展示学会大会発表の要旨。
(来)野村東太 柳沼良一 1986.
「博物館における諸活動と利用の特性、および資料・活動・利用に則した博物館類型化の研究-博物館に関する建築計画的研究(■)-」『博物館學雑誌』
第12卷 第1号
・建築計画学として、施設利用者の行動から特性を抽出し、施設計画にフィードバックさせている。
(来)神戸信和 1986.
「博物館における入館者の分析的研究-6周年を迎えた地質標本館の場合-』
『博物館學雑誌』 第12卷 第1号
・筑波の地質標本館の利用者の調査分析資料。
○(来)加藤知之 森崇 1988.
「展示ブースの認知について-実験的考察-」『展示学』第7号 pp.38-pp.39
・展示会での出展ブースについて、印象調査を行った成果。
第7回 日本展示学会大会発表の要旨。
○(評)端信行1990.
「展示批評事始め」『展示学』第10号 pp.58-pp.59○(来)寺澤勉 森望 1991.5
「展示デザインの基礎データに関する研究(6)-幕張メッセにおける東京モーターショーの観客動態について-」『展示学』第11号 pp.32-pp.33
・展示会での観客の動線や行動調査のまとめ。
第9回 日本展示学会大会発表の要旨。
○(来)寺澤勉 森望 1991.11
「展示デザインの基礎データに関する研究(7)-送り手と受け手の同時評価の方法について-」『展示学』第12号 pp.48-pp.49
・展示映像に絞って、制作者と利用者の内容認識のズレや整合について調査した成果。第10回 日本展示学会大会発表の要旨。
○(来)寺澤勉 森望 1992.5
「展示における創り手と観客の評価反応の研究-同時比較法の開発-』
『展示学』第13号 pp.2-pp.18
・上記の第10回 日本展示学会大会発表内容を研究論文としてまとめたもの。
○(来)高桑康雄・芝崎順司 1993.
「美術博物館における来館者の鑑賞行動について弥生美術館特別展示「高畠華宵美人画展」におけるワークシートの導入」、『視聴覚教育研究』pp.-pp. 日本視聴覚教育学会。
・未読。高橋有美(東京大学大学院)より情報提供による。
○(来)坪山幸王 佐藤信治 1995.5
「展示水槽に対する来館者の観覧行動-水族館の観覧空間に関する建築計画的研究(1)」『博物館學雑誌』第20卷 第1号・第2号 合併号 pp.10-pp.21
・建築計画的な観点から、水族館展示水槽への来館者の観覧行動を水槽前での観覧時間、歩行観覧の様子、動線調査などにより分析している。
○(来)坪山幸王 1995.5
「低・高密度化の個水槽に対する来館者の観覧行動-水族館の観覧空間に関する建築計画的研究(2)」『博物館學雑誌』第20卷 第1号・第2号 合併号 pp.22-pp.30
・上記と同様の調査。
○(来)寺澤勉・森望・斎藤剛1996.5
「こども科学館における来館者特性=横浜と八王子の比較分析』
『展示学』第21号
・主にアンケート調査によって、八王子市子ども科学館と横浜市子ども科学館の来館者の特性を分析している。
○柘植千夏 1997.3
「博物館利用者としての子ども」 『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』創刊号 日本ミュージアム・マネージメント学会
・博物館利用者としての子どもについての分析。
○(評)守井典子 1997.3
「博物館における評価に関する基礎的研究」『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』創刊号
・Screven.C.G等の検討と日本での展開を考察。
○(評)佐々木亨1997.3
「ミュージアム・マーケティングの試み」『文化経済学』第3号
・博物館事業へのミュージアム・マーケティング手法の導入の必要性を検討し、
マーケティング対象としての利用者の博物館への評価についても言及。
(来)並木美砂子 1997.
「来園者行動の分析法としての親子会話採集法の妥当性について」 平成9年度博物館学会全国大会発表プログラム
・追跡調査による親子の会話分析の試みについての学会報告要旨。
○(来)並木美砂子 1997.12
「動物園における「生きてる動物」の教材化-子ども動物園を中心として その1 教材化の視点-」『博物館學雑誌』第23卷 第1号 pp.1-pp.13
・来園者の体験や会話などから、「生きている動物」をいかに教材化するかとい
う視点を投げかけている。
(評)1997.金山喜昭「博物館の特別展とその教育普及効果に関する研究』
『博物館學紀要』21号 國學院大學
・野田市の特別展でのソーシャル・マーケティング展開による、市民、利用者と
の関わりや、利用者の評価について言及している。
(来)佐々木亨1997.
「ミュージアム・ユーザーに関する研究-北方民族博物館における調査から』
『北海道北方民族博物館紀要』第6号
・北海道北方民族博物館でのアンケート調査から、博物館利用者の特性を分析。
○(来)山下雅之 1997.
「美術館の観衆調査」『博物勧研究』no.345
・文化資本論からの美術館への来館者特性を分析。
○(評)佐々木亨 1997.10
「博物館の社会性」『月刊ミユゼ』Vol.25 ミュゼ
・野田市郷土博物館の活動にふれ、博物館の社会性、利用者、市民との関わりに
言及。
○(来)三木美裕 1997.
「今日から、誰にでもできる体験型展示 」『月刊ミユゼ』Vol.26 ミュゼ
・体験型展示制作に関わるトライアルについて解説。
(評)吉見俊哉 1997.
「「批判空間」としてのミュージアム」『Cultivate』6、文化環境研究所
・未読(来)熱田みどり 1997.4
「「展示の意図」を共有する−米国の博物館はマインズ・オン』
『電通報』第4156号
・未読○(来)秋山えみ 1998.3
「美術館利用者に関する一考察-文化資本論に着目して-』
『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第2号
・山下雅之と同様、文化資本論の観点からの美術館利用者増の把握の可能性を分析。
(来)並木美砂子 1998.
「動物園における子どもを含む来園者の行動分析-会話内容を中心にして-」
「日本保育学会 第51回大会研究論文集』pp.216-pp.217
・未読。
○(来)並木美砂子 1998.3
「動物園における「生きてる動物」の教材化-子ども動物園を中心として その2 実践;プログラミングおよび展示プログラム例-」『博物館學雑誌』第23卷 第1号 pp.1-pp.13
・1997年発表論文の中編。実践例を紹介。
(来)的場 康子 1998.3
「利用者にとって博物館とは』
『Museologist』 13号(1997年度明治大学学芸員養成課程年報)
・未読○(来)並木美砂子 1998.10
「動物園における「生きてる動物」の教材化-子ども動物園を中心として その3 子どもの認識に依拠した教育的機能とその配置デザイン』
『博物館學雑誌』第24卷 第1号 pp.11-pp.22
・一連の論文の最後。特に会話に現れる子どもの認識から、教育機能や空間構成
について考察。
○(来)諸岡博熊 1998.10
「博物館利用者の館内行動の分析」『博物館學雑誌』第24卷 第1号 pp.47-pp.55
・UCCコーヒー博物館の経験から来館者の館内行動を整理。データはない。
認知科学の概念であるアフォーダンスの観点からの来館者観察について言及。
○(来)金山喜昭 1998.10
「野田市郷土博物館における特別展『写真が語る野田の歴史と文化』と『野田の新しいまちづくりフォーラム』の開催-郷土博物館による「まちづくり」活動の一例』
『博物館學雑誌』第24卷 第1号 pp.55-pp.74
・一連の野田市郷土博物館のソーシャル・マーケティングに関する実践からの考察。
(来)篠原徹 1998
「不思議な場としての博物館」『民俗展示の構造化に関する総合研究』(国立歴史民俗博物館研究報告)pp.25ーpp.33
・未読(来)橋本裕之 1998
「物質文化の劇場ー博物館におけるインタラクティブ・ミスコミュニケーションー』
『民族学研究』Vol.62 no.4 pp.537-pp.562
・入手中。未読。
(来)嘉田由紀子 1998
「地域から地球環境を考える拠点としての博物館 ―第三世代の博物館の新たな展開をめざして―」『ミュージアム・データ』no.41
・琵琶湖博物館での実践から、利用者の博物館への関わり方や、その関わりのあり様をつき動かす展示や活動について考察。来館者研究についても言及。
(来)高橋順一 1999
「博物館における来館者調査の実施状況ー探索的質問紙調査の結果から読みとれること』
『桜美林論集』pp.-pp. 桜美林大学
・未読。
○(評)佐々木亨 1999.3
「公立博物館における事業評価の現状-協議会・内部評価・利用者調査-』
『文化経済学』第1巻第3号
・マーケティングの枠組みを広げ、行政サービスとしての博物館事業のより良い展開を望む中から、近年の博物館界の事業評価の現状に関して総合的にまとめている。
○(評)佐々木亨 1999.3
「公立博物館における行政評価-評価手法構築に向けて-」『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第3号
・上記論文と同様に、近年の博物館界の事業評価の現状に関して、行政評価の手法の導入を検討し、要件等を提案している。
○(来)久保内加菜・竹内有理 1999.3
「美術館の「潜在的利用者」に関する序論的研究-大学生の利用状況及び意識調査より-』
『日本ミュージアム・マネージメント学会研究紀要』第3号
・大学生を中心に、美術館の潜在的利用者像や彼らの美術館利用者への変化の可能性をアンケート調査等から探っている。
○(来)三木美裕 1999.3
「アメリカでの展示の検証と評価法の応用-展示の検証とはお客様を知ることである-』
『ミュージアム・データ』no.44 丹青研究所
・アメリカの博物館での展示開発等のエバリュエーションについて実例を挙げながら報告。
○(来)重盛恭一1999.4
「「展示」をコアにした集客拠点づくり」『新版・ミュージアム(展示館・テーマ館)の施設化計画と事業運営資料集』:pp.59-pp.67
・最近の日本での博物館づくり、展示づくりのあり方の見直しを検討し、アメリカでのエヴァリュエーションの日本の博物館建設プロセスへの導入を提案する。
○(来)川嶋敦子 1999.5
「来館者研究の歴史的諸相」『展示学』第27号
・欧米での来館者研究の歴史的推移を明らかにしている。
○(来)三木美裕 1999.5
「来館者研究の応用」『展示学』第27号
・アメリカでの来館者研究、展示評価の事例を紹介する。
○(来)三木美裕 1999
「博物館・美術館の来館者研究 アメリカの事例から』
『国立民族学博物館研究報告書』24卷2号
・来館者研究のより詳細の紹介と考察。
○(評)端信行 1999.9
「美術館・博物館の今日的課題-国立美術館・博物館の独立行政法人化をめぐって-』
『文化経済学』
・国立美術館・博物館の独立行政法人化の内部評価について言及している。
○(来)山本珠美 1999.9
「博物館の利用者」 大堀哲監修 鈴木眞理編集『博物勧学シリーズ1 博物館概論』
第6章 樹村房 pp.94-pp.117
・近年の内外での来館者研究の動向を総括し、現時点で把握されている利用者の動向実態や、博物館学芸員と来館者のミスコミュニケーションについても言及。
○(評)佐々木秀彦 1999.10
「博物館評価・基準のあり方-イギリスとアメリカの取り組みから-』
『月刊ミュゼ』Vol.37 pp.24-pp.25
・イギリス、アメリカの博物館基準調査から見えてきた、事業評価・内部評価・利用者の評価について。
○(評)三木美裕 1999.10
「ニーズをさぐる アドバイザリー・グループの形成」『月刊ミュゼ』Vol.37pp.26
・アメリカのミュージアムでの利用者ニーズ把握の方法について紹介。
○(評)佐々木亨 1999.11
「公立ミュージアムの事業評価-総括的評価・ベンチマークス・登録基準』
『日本アート・マネージメント学会』(学会報告資料)
・博物館の事業評価の観点から、最近の主だった研究を整理し、行政評価の手法の博物館事業評価への活用を提案している。
○井島真知 1999.11
「ミュージアムエデュケーターとして考える教育と展示」『展示学』第28号
・アメリカでの経験をもとに、博物館教育と展示について報告している。そのなかで、アメリカの来館者研究について言及。
○月刊ミュゼ編集部 1999.12
「特集 時代と共にありたい、東京都江戸東京博物館の変貌』
『月刊ミュゼ』Vol.38 pp.4-pp.11
・平成9年度、10年度に実施された江戸東京博物館の展示評価による変化について取材し、まとめている。
○(評)三木美裕 1999.12
「ニーズをさぐる その2 展示検証と来館者研究の実践」『月刊ミュゼ』
Vol.38 pp.26
・アメリカのミュージアムでの利用者ニーズ把握の方法について紹介。