2002年5月2日 ※無断転載を一切禁じます キリンカップ2002
前半開始1分、この日は左アウトサイドに入った中村俊輔(横浜FM)が、西澤明訓(C大阪)から受けたボールを左から中にミドルパス。鈴木隆行(鹿島)の頭に合わせて、まずはシュートの形を作る。しかし6分には、DFの松田直樹(横浜FM)がミスから中盤でボールを奪われ最終ラインを割られてしまう。GK楢崎正剛(名古屋)がこの1対1を冷静に角度を消して止め、ピンチを逃れたものの、ホンジュラスの独特なタイミングで展開されるパス回しに、翻弄される場面が序盤から目立った。13分、コーナーキックを奪われると、ゴール前に大きなスペースを作ってしまい、ここでヘディングを決められ先制点を許した。 松田、宮本恒靖(G大阪)、中田浩二(鹿島)のDFと、稲本潤一(アーセナル)、福西崇史(磐田)のボランチの連携が重要なポイントになる展開で、25分には、波戸康広(横浜FM)がエリア付近の中盤やや右でファールを誘ってフリーキックを得る。ここで中村は一端波戸へボールをあずけ位置をずらしてから左のインサイドで蹴ると、GKの頭上を抜け同点ゴール。中盤で振り出しに戻した。 前半の日本はボランチとDFの連携が不足しており、またボランチの福西、稲本がともに上がってしまうケースがピンチを招く結果となっていた。そこで後半、波戸を市川大祐(清水)に、森島寛晃(C大阪)を三都主アレサンドロ(清水)に代え、中村を中央に据えて、ゲームの流れを握ろうとする。
ホンジュラス/ルサルド監督「観客にも満足してもらえたと思う。非常にいい試合ができた。今日はホンジュラスのサッカーというものをみなさんに満足してもらいたかった。3ゴールも決めることができたことは、とてもうれしい。時差が15時間もある国で、今の時間は我々は寝ているはずだった。後半になって疲れが出たことは間違いない。親善試合とはいえ、そういう部分は非常に難しいところだった。
前半は攻守の切り替えがちょっと遅かったかな。ホンジュラスは個人技もあって、速くて上手かった。スロバキア戦では1トップということもあって森島さんとの距離を見ていたけれども、今日は2トップなので2人を生かせるような動きをしたいと思った。(1点目のフリーキックと2点目のコーナーキックについて)まあね、ゴールキーパーのミスだけど。プラスに考えれば、ボールのスピードが落ちていなかったということ。ニアに蹴ったつもりだったんだけれども、入ってしまった。コーナーキックは、じつは初めて決めた(直接ゴールは)。よくテレビでストイコビッチが決めるのを見ながら、こういう軌道なんだというのはわかった。まあ、ミスキックですけどね。今日の試合全体的には、ゲーム内の問題は浮き彫りになったと思う。それを後半に修正できたことはよかったと思う。(左サイドをずいぶん突破されていたが、という質問が出たのに対して)左サイドから点を取られたときに左サイドが悪かったと言うのは違うと思う。両サイドから崩されていた」 福西崇史(磐田)「(2点目の失点時に後ろからユニフォームを掴まれていたことについて)ファールだと思った。レフリーの問題というのはレフリーの問題だし、運の問題だと言えば運の問題だし、自分にノーリスクで行けということであれば自分の問題、自分のミスだった。中盤でもう少し落ち着かせたかった。稲本が上がったときなど、もっとバランスを取りながら、片方が上がったら片方が下がるという約束事の中でもっと押し上げて行かないといけなかった」 三都主アレサンドロ(清水)「スーパーサブは初めてだったけれども、気持ちは先発とまったく同じでした。負けていたので、とにかく勝ちたいと思っていた。(日本代表として初得点となった)PKを決めたことは最高の気持ちだった。でも、もう1点決めていれば勝てたのに。PKのときには、どこに蹴るか、緊張もしなかったし、しっかり集中していた。ただ、あまりに集中しすぎていて、コースは忘れてしまった。ベンチから蹴れと言われたし、自分でも蹴りたかった。この初ゴールは父と母へのプレゼントにしたい」 宮本恒靖(G大阪)「プレスをかけることも重要だが、今日はオフサイドで飛び出されないように注意していた。基本的には3対3で守っていくという考えだったが、1対1のシーンが多くなってしまった。けれども、そんなに悪い試合だったとは思わない。状況によっては4枚で相手の3人を守ろうということも話していたが、後半はもちろん多少のリスクを負ってでも3対3で勝負をかけていこうという守備をしていた」 西澤明訓(C大阪)「しんどい試合でしたね。ミスがあることは仕方がないでしょう。今日の試合を振り返ると、集中力がなかったというのではなくて、むしろみんながイレコミ過ぎなところがあった。俊輔のフリーキックとか、よく決めたし。まあ、相手ももちろんミスがありました。内容は決して良くない試合だとわかっていますが、その中でも負けない試合をしたことが大きかった。悪いなら悪いなりのゲーム運びというものを学んでいかなくてはならないし、毎回うまくいくものではないです。自分も今日はかなり疲れました」 稲本潤一(アーセナル)「もう少しずつコンディションを上げていかないとならないけれど、ヨーロッパでは90分できると思う。今日は2トップが激しく裏を取ろうという動いて来ていたので、それに対応しようと思っていた。時差は、昨日ぐらいが一番しんどいところでした。今日は神戸でやるというのもあるし、雰囲気がとても良く、コンディションも非常に良かったと思う。2試合とも途中交代については納得していますし、スロバキア戦のあとのフィジカルトレーニングもちゃんとやれた。トルシエ監督も気を遣ってくれているようだし、90分できる手応えを今日は持てました」
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