3月22日

田臥勇太フロリダへ出発

 バスケットボールの本場、NCAA(全米大学体育協会)、さらにはNBAでのプレーを目指す田臥勇太(18=能代工業卒)が22日午後、米国フロリダ州タンパで行われる「ナイキ・フープサミット」(28日)に向けて出発した。この大会は、高校最上級生12名で構成される全米ジュニア選抜と、20歳以下で構成された世界選抜が対戦するもので、過去4回行われ、全米の大学やNBAのスカウトも注目するもの。田臥もこの大会を足がかりに、大学、カレッジなどでのプレーを望んでいる。

「不安といえば、不安だらけで」

 すでに能代を卒業し、ここまでは約3週間1人でトレーニングを続けていた田臥は「不安と言えばすべてが不安で数え切れないですから。あまり細かいことを考えないで、思い切りやりたいと思っています」と、落ち着いた表情を見せている。
 能代工業ではインターハイ、国体、選抜と3冠のタイトルを3年間すべて獲得し、9冠を達成。進路が注目されたが、日本の大学や実業団からの勧誘を断って、米国でのプレーへの道を選んだ。
 身長172センチの小柄ながら、パスやドリブルに非凡な才能があり、今回も「アジアバスケット協会で最高のパス技術を持った、日本の若手No.1選手」と、大会プログラムに紹介されている。この大会には、全米の大学、NBAのスカウトらが視察に訪れることで知られる、いわば若手の「大品評会」。事実、過去には、95年に出場したケビン・ガーネット(NBAミネソタ・ティンバーウルブス)、98年のダーク・ノビツキ―(ダラス・マーベリクス)らがここで見出されて、現在NBAで活躍している。
 ちなみに、田臥の身長172センチは参加選手中、もっとも低いもので次に身長の低い選手は、同じ世界選抜チームでは190センチのガード、マケドニアのイリべジェスキイ。全米男子ジュニア選抜では188センチのガード、ウイリアムス(デューク大進学)。体重でも田臥の68キロはもちろん最軽量。これだけの身体的差異を、どうやって埋めるのか、何をみせるつもりなのか、彼の秘めた戦略を楽しみにしたい。
 3年前の春には、横浜の大道中学から能代へ単身留学をし、9冠を果たし、今度は1人でアメリカへ。両親からもらった、お守りをバッグにしのばせて出発した。

★大会ガイド★
 23日の午前9時30分(現地は東部時間)が初練習。24日から毎日練習を行い、28日午後3時(日本時間29日午前5時)からタンパ大学ボブマルティネスセンターにて。ESPNが生中継をするが、日本では、生中継はなく、翌日の放送になる見込み。

 
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