6月13日

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サッカー

チュニジア戦前日
トルシエ監督の記者会見

(大阪)

 グループリーグ突破をかけたチュニジア戦を14日(15時半キックオフ)に控えて、大阪市内でトルシエ監督の会見が行われた。チュニジア戦には、勝つこと、引き分け、1点差での敗戦、と3つのグループ突破の選択肢があり、当然勝ちを狙う、と勝ち点3を奪っての突破を目標にあげ「明日は、勝ち点ではなく得点にこだわる」とした。代表はこの日午前、キャンプ地の磐田から大阪にバスで移動し、午後6時半から長居のスタジアムで練習を行う(冒頭の15分のみメディアに公開)。

トルシエ監督(最初に)「最初からの目標だったグループリーグの突破がここ大阪でやってくるかもしれません。明日もスタジアムは超満員という状態で待っているでしょう。フランス、アルゼンチンが敗れたことはこれ以上ない、教訓を与えてくれた。つまり、サッカーはまったく論理的な計算の上に成り立つものではない、ということだ。私たちのグループはとてもダイナミックな状態だ。明日の試合を通じてこの状態を維持する。日本にとって象徴的な試合になるでしょう」

    ◆一問一答(抜粋)

──ブラジルと当たらないようにと考えているか
監督 16に残ること以降についてのモチべーションはない。あくまでもチュニジア戦のことだけで、1位、2位で行くことだけだ。試合が終わったら、冷静に、次の相手が誰かわかるはずだ。

──応援は、プレシャーか
監督 こういうような試合にはプレシャーが必要だと思う。明日の試合は、決戦でひとつの親善試合ではない。サッカーは論理的なものではない。チュニジアチームは最後まで彼らのチャンスを信じるだろう。

──暑さへの対応策は
監督 コンディションを考えている。ロシア戦の疲労もある。今日の練習が夜なのは、いいコンディションを保つためだ。それとJリーグの試合があるのは昼であり、選手が一番慣れている時間は、まさに(試合の開始時刻となる)15時半である。

──森岡、中田の状態は
監督 現段階では全員が100%の状態にある。明日のメンバーは、監督の戦術的な理由だけになる。

──ベルギー戦後、日本全体への影響について話していたが。
監督 これは大きなイベントで社会現象にもなる。ホームでこれを迎えることはアドバンテージになる。国民の熱気などはいいことで、その支持をもらって前向きになる。フランス、アルゼンチンが早々と姿を姿を消したことで日本への注目も高まった。

──チュニジアへの印象は
監督 とてもよくわかっている。度々監督へのオファーもあったし。チュニスには多くの友達もいる。アフリカサッカーの中のベストなものだと思う。尊敬できる。彼らは明日最後の望みにかけてくるだろう。それは日本に2点差をつけて勝つことだ。

──プレシャーは大きすぎないか
監督 個人差がある。80%のチャンスを持っているという積極的な姿勢を持っている。サッカーはロジックではないので、向こうに2割のチャンスしかなかったとしてもかけてくる。この状態で重圧があるのは当然だ。

──独特な試合になる、というが何を選手に伝えたいか
監督 彼らに言いたいのは、ちょうど3年半前、私の冒険の旅(監督就任)がここ大阪で始まり、その長い目標をようやく達成するときにまたここに戻ってきた。誇りを持って、自分を美しく表現して欲しい。今までのサッカーの価値観を見せて欲しいと話している。

──選手は落ち着いているか
監督 落ち着きを説明するのは、4年同じ仕事をしてきたことが一番大きい。サッカーのレベルに自信をつけた。4年間、サッカー以外での人間的な成長がサッカーの進歩につながった。宿舎(北の丸)の中で外と孤立し、これがいい環境になっている。

──稲本選手がどうしてイングランドと違うプレーをするか
監督 日本選手にとって環境に順応することは簡単ではない。稲本は、環境の問題だったと思う。最初の段階で英語ができなくて、ほかの選手とコミニケーションできなかったと思う。練習でさえ、高いレベルであったはずだ。稲本の現在のパフォーマンスは驚きではない。チームについても同様だ。これから世界のスカウトが日本のサッカーに注目するだろう。


楢崎正剛(名古屋)「大事な試合。チュニジアは強いと思うが、自分たちの力を精一杯出したい」

松田直樹(横浜FM)「大事な一戦になると思う。コンディションもいいし、まず気持ちで負けないようにしたい。やりにくいタイプのチームだし、手強いと思うので注意してやりたい」

鈴木隆行(鹿島)「まだラウンドを突破していなので明日は試合に勝てるように全力を尽くすだけ。チュニジアは非常に個人技のいいチームなので気をつけたい」



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