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■北極圏一万二千キロ
植村直己/著
1979年7月 文春文庫 476円

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投稿者・月島健太 編集者
日本人初のエベレスト登頂を果たし、最期は冬のマッキンリーに消えた不世出の冒険家・植村直己。五大陸最高峰に登った人ってイメージも強いけど、私が一番惹かれたのは1974年から76年にかけての1年半にわたる北極圏の冒険で、その記録がこの本だ。グリーンランドから北極海に沿ってカナダ、そしてアラスカまでを犬ゾリで踏破するチャレンジが、日付を追って日記形式で綴られていく。冒険の成否は犬が握っている。犬たちを走らせるには、彼らに食べさせなければならない。必死になってアザラシに銃を向ける植村。それでもあまりに過酷な道のりに次々と倒れていく犬たち。命尽きた犬にはたちまち仲間の犬たちがむさぼりつく。「なんで俺はこんなことをしているんだろう」。植村さんという人は何かを征服しようとしていた人じゃなく、必死に何かから逃げていた人なんだなとわかった。北極圏というあまりにもむき出しの自然やエスキモーの暮らしぶりなども含め、この本からいろんなことを学び、感じとったのを思い出す。

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