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■ゴールの見えない物語 サイモン・クーパー／編　森田浩之／訳 2000年9月　ザ・マサダ　1500円

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投稿者・月島健太　編集者 ナンバーに代表される日本のスポーツ・ノンフィクションの世界に飽きた方におすすめ。イギリスの若手サッカーライター、サイモン・クーパーが彼流に選んだサッカーライティングのベストセレクションを『パーフェクト・ピッチ』という本にして４冊出していたらしいんだけど、そのまたベストセレクション（というか日本の読者向けのセレクション）がこの本です。いきなり登場するのはあのディエゴ・マラドーナ。書き手は『神の手』（邦題『マラドーナの真実』）という本で話題になったジミー・バーンズ。彼がこのセンセーショナルな本を書いた後、マラドーナとロンドン、ブエノスアイレスで危ない接近遭遇を経験する話で、ノンフィクションには違いないけど、その雰囲気は洒落たミステリー小説のようで、読ませる読ませる。ほかにも、リネカー、ロナウド、ベルカンプ、バティストゥータ、ファンバステン、カントナ、ミロシェビッチなど豪華出演者を迎え、スポーツ・ノンフィクションなんて言葉を無化させるような傑作が目白押し。プラティニと、かのマルグリット・デュラスの素晴らしくかみ合わない対談も必読だ。ちなみに著者のデビュー作『サッカーの敵』が最近白水社から出た。これも傑作との評判。

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