日本短波クラブ創立50周年記念誌

By 日本短波クラブ 
  50周年記念事業推進委員会

 

 内容:日本短波クラブの50周年の歴史を会報内容、クラブの活動で紹介。会員の50周年を迎えるにあたっての思いなども掲載されている。


コメント:
 この場を借りて日本短波クラブの50周年に対して心からお祝申し上げたいと思います。
 50年ですよ、50年。頭が下がる思いである。よく「長く続ければいいというわけではない」なんて事を言う人もいるが、それは「続けた人」だけが言える台詞であって「三日坊主」で終わる事が多い一般人は決して言うべき言葉ではないと思う。
 クラブの活動と同時に短波、放送、受信機等の動きが紹介されており、日本の戦後ラジオ受信の歴史がこれ一冊で勉強、把握出来るのではないかと思う。BCLブームの中期〜後期の1976年に始めて「短波受信」の楽しみを知った私のような人間にとっては最高の参考書である。
 個人的に特に評価しているのは何といっても過去の会報からの「DXニュース」を年ごとに詳細にまとめられている点だ。読んでいて「ワクワクしてくる」ような感じがある。
何かと一時「悪者」にされた「DX」という物と日本短波クラブが真正面からぶつかっていく姿勢も随所に見られ非常にスリルがある。その一方でBCLブーム、商業誌である「短波」の出現からクラブ運営の難しさを再認識している点なども読みごたえがある。私も一時BCLクラブで仕事をしていた事があるので一応はクラブ運営の難しさは理解しているつもりであるが、先に書いたような「BCLブーム」という日本独特のラジオ文化に翻弄されながらもクラブ運営を続けた苦労は私の想像を超えたところにあるのだろう。
 残念ながら私は日本短波クラブに入ったことはないが大武さんや白石さん他皆さんに何度かお世話になったこともあり、いつもアクティブにご活躍されている姿勢には感銘を受けている。今後、一層の日本短波クラブの発展を祈りたいと思う。 
 「買い」の一冊である。

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