Book Review, English Book

 

Communications Receivers 〜second edition〜
by Ulrich L.Rohde,Jerry Whitaker,T.T.N. Bucher
$69
受信機の設計本ある。本の中の写真では測定器メーカーRhode & Schwarzの写真が使われいるので、この会社のRhodeさんだと思う。ハムジャーナルのNo.94で受信機設計の特集(QSTからの転載)を見た事がある人も多いと思うが、その著者でもある。内容は目次にしたがって、1「受信機の基礎考察」として電波の性質とアナログ、デジタル変調や受信機の基礎構成を紹介し、2「受信機の特性」ではゲイン、感度、NF。ダイナミックレンジやクロスモジュレーション、IMについての解説。3「受信機システム設計」では具体的なNFやインターセプトポイントの設計法。LC、メカフィル、クリスタルフィルタ、セラミックフィルタから最近のDSP フィルタまで一連のフィルタの動作原理と使い回しなどを紹介。4「アンテナとアンテナ同調について」、5 「アンプのゲインについて」6「ミキサーについて」などでは詳細に各項目を解説。7「周波数制御とローカル発振器」ではPhase Noiseから見た発振回路の説明。8「復調」ではAM,FM,SSB検波技術について9 「その他の受信回路」を紹介後、10「最近の受信機設計のトレンド」としてDSP受信機、スペクトラム拡散技術を紹介している。
断わっておくが、あくまでも設計者向けなんで誰にでもオススメ出来るわけではない。しかし、少々高いが受信機に興味がある人なら持っていて損はない。というか、この本は無線機設計のバイブルらしく、この手の仕事をしている人間ならだいたい持っているらしい。職場に持っていったら私の部長も持っていた。(笑)日本の設計本というのは学校の教科書のように理論ばかりが多いものか、あるいはCQ出版社の本のように「実践あるのみ」みたいな本の両極端である場合が多い。アメリカの本というのは両方を兼ね備えている場合が非常に多く勉強になる。ちなみに2000年秋に3rd editionも出ているのでそちらの方がいいかもしれない。

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