私はこーしてクワ馬鹿になった。

ヤキトリ


はじめまして、関西在住のヤキトリと申します。初めて、投稿させていただきます。
といっても、「くわがた狂の大馬鹿者達!」の読者歴は長く2000年7月頃からの古い読者であります。
10年前の経緯は私の休眠サイトの1ページに載せてあります。「2020年の我が子へ・初めてのオオクワガタ」http://homepage3.nifty.com/hajika/2020child/2020child3.html

最近、掲載記事が少なくなっているようで少し寂しく思っています。そこで、稚拙な文章ですが、少しでも役に立てればと書いております。
10年前の「くわがた狂の大馬鹿者達!」との出会いが「わたしはこーして馬鹿になった」の遠因でもあり、馬鹿になった恩返しをしたくキーボードを叩いています。

あれから10年、波はありますが、採集を続けております。
クワガタブームもひと頃に比べて落ち着いた感はありますが、一過性のブームではなく、すっかり市民権を得たという事なのでしょうか。

さて、「わたしはこーして馬鹿になった」です。

私の採集馬鹿のピークは現在まで3つあり、第三の波が現在であります。第一の波は少年時代、第二の波が10年程前の2000年〜2003年頃、そして第三の波が2006年〜現在に至るまでです。

第二の波はW氏という尊敬すべき採集人との出会いが始まりです。W氏とは甲虫系出会い系サイト・「まちかね掲示板」で知り合いました。そしてW氏には地元オオクワガタの採集という経験をさせていただきました。
W氏のすごい所は、誰も来ない未開のポイントを見つけ、自然のオオクワガタを観察するために採集せずにそのまま置いていたことです。我々はその木をマザーツリーと呼び、2年間、ワイルドオオクワを観察することが出来たのです。
ただ、W氏の採集熱の低下に伴い、私自身の採集熱も冷めていきました。以来、W氏との採集も年1〜2回程度(過去のポイントの確認)になっていました。そして数年間は子供の夏休みに何度か「父親の義務」みいな親子採集でお茶を濁していました。

採集熱が冷めた理由として
(1) 採集仲間がいなかった。採集の喜びを分かち合える仲間の有無は大きいと思い ます。W氏の採集熱の低下は私にも影響が大きかったのです。
(2) ブリード・飼育に興味が無いこと。採集は好きだけど、飼育はめんどくさい。 つまり、いくら採集しても結局は逃がしてやるしかなく、それが意欲の低下に繋がっ ていきました。
(3) ヒラタへの憧れの消滅。当時の私の採集のスキルは「小さくてもヒラタ」と喜 んでいる程度で、ヒラタにある程度の敬意を払っていました。でも、ある日、ヒラタ を大量に採集してしまいヒラタへの憧憬が一気に失われてしまったのです。「どこに でもいるやん!」。
(4) オオクワガタ採集は憧れで有り続けていたのですが、W氏の採集スキルでさえ2 カ所(3本の木)しか見つける事が出来なかったので、私には無理と対象外でありまし た。

そんなこんなで平熱に戻った私の体に採集熱が再び感染したのが、次男の同級生の父親T氏との出会いでした。私に採集熱に対する免疫が出来ていなかったのか、はたまた新種の採集熱ウィルスなのか。
ある日、家の前で子供と遊んでいるとき、犬の散歩で通りかかったのがT氏でした。子供たちが犬と遊んでいる時の世間話で何故かクワガタの話が・・・。T氏はオオクワの有名産地の能勢方面に足繁く通うクワ馬鹿でした。その時は、気づかなかったのですが「それでは一度採集に行ってみましょうか」との社交辞令のような会話に実はウィルスは潜んでいたのでした。
後はいつもの発熱のパターンで、新しい仲間とのピンポン感染で熱はどんどん上昇していきました。

熱を押さえるべき特効薬・上記(1)はT氏自身が採集熱をまき散らす感染源でしばらく 完治しそうにありません。
そして上記(2)はブリード・飼育をT氏が一手に引き受けてくれるおかげで、現状私の 採集熱を下げる効果はありません。心おきなく採集できるのです。
(3)は、おでこに貼る「熱さまシート」みたいなもので、気休めにしかなりません。
おまけに2007年に(4)のオオクワガタを偶然にも自力採集してしまったために、採集 熱ウィルスは変異を遂げ耐性を持ってしまったが為に、さらに治療が難しくなってお ります。
さらに追い打ちをかけて、2年前より地元町会のお祭りにクワカブの出品を依頼され、 採集が義務化されてしまっては、家族への免罪符もできてしまいました。私的な採集 が公的な採集になったのです。
「お祭り用に採集してくる!」
「8月の祭りにどうして5月から採集が必要なの?」
「それは、・・・・・」
お祭りにクワカブが集まらないといけないので、冬の下見からしっかりとした取り組 みが必要になって、冬の下見をしっかりすると新しいポイントが次々見つかって、さ らに夏の採集日数が増えるという悪循環に陥っています。そこにオオクワガタやオオ コクワガタまで参入してきて、もう目も当てられません。

この負のスパイラルはいつまで続くのでしょうか。
中年以上になってからの火遊びは大やけどをするといいますが、「大やけどをする前に足を洗わなければ」と言いつつ、次の採集計画を練ってしまう情けない中年男の「わたしはこーして馬鹿になった」でした。

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