銀塩カメラを見直そう!

子連れ狸


くわ馬鹿をご覧になっている皆さんは、昆虫写真を撮る時にはデジカメを使用されていることと 思います。クワガタや昆虫をテーマとしたホームページは今も増加しており、そこに掲載される 生態写真にはいつも感心させられます。

素晴らしい写真に出会う度に、自分もこんな写真を撮ってみたいと思うと同時に、そのうち見た こともないような生態写真図鑑ができるのではないか、とその可能性に胸が膨らむ思いです。

かくいう私も、普段はコンパクトデジカメを携帯しており、なかなか満足いく写真は撮れません が随分ライブラリーも充実して来ました。

ところが一方で、以前使用していた銀塩カメラが放置されており、箪笥の肥やしと化していまし た。こういうケースに思い当たる方も多いのではないかと思います。

銀塩カメラで撮影した写真をスキャナで取り込む等の方法もありますが、どうも結果としての画 像に満足出来ないという経験から、わざわざ重たい銀塩カメラを持ってフィールドに出ることは 躊躇っていました。

そんな私が、ふとしたキッカケでこの重たい銀塩カメラをフィールドに持ち出す機会を得て、そ の結果に意外にも可能性を見出すという経験をしましたので、ご報告させていただきます。


デジカメが壊れた!

2003年春、まさに待ちに待ったコルリシーズンが到来!という時期に、愛用のデジカメが突然電源 が入らなくなってしまいました(T_T)。修理に出したところ修理期間は2週間との事でした。

しか〜し時間の進行を止める術はなく、短いコルリシーズンは容赦なく過ぎて行きます。しかも次 の週末には、てんてんさんをお誘いしてコルリ採集に行く約束をしている私です(^^;。

この時期に、来シーズンまで自分を煽れる写真を撮りだめしておかないと・・・と意味不明の義務 感にかられ「困ったなぁ〜!」と悩んでいる私の眼に入ったのが、このところ使用されずに放置さ れていた銀塩カメラでした。

「そうだ!無いよりましだ!!」と、もし銀塩カメラに人格があったならば侮辱罪に該当するよう な暴言を吐きながら、お試しに持って行くことにしました。 (←本当であれば、カメラの有無ではなく、コルリが採れるか どうかを心配しなければならないことに気が付かない子連れ狸でした!(^^)ゞ)

そんな訳で(?)、当日は久しぶりに日の目を見た我が銀塩カメラです。


フィールドに於ける銀塩カメラ

目的地の途中にあるサービスエリアで、てんてんさん、奥様そして可愛い息子さんと待ち合わせます。

「おはようございます〜!!」

合流してから1時間弱で目的地入り口に到着しました。ここは車横付けが出来ない場所なので、こ こから先は採集準備をして歩いて入ります。ネット、プラケ―ス、毒ビンそしていつもは腰のベルト ケースに入れるコンパクトデジカメの代わりに・・・・カメラバッグです(^^;。

う〜ん!カサバるし重たいぞ!!

左の写真で見比べたら当たり前ですね(^^;。

しかしポイントに到着した時にはいつも、テンションが鰻上り状態である私は、ポイントに早く入り たくて、その大きさや重さを余り気にせずにいられました。

さぁ行きましょう!

幸運なことに、この日は間もなくコルリに出会うことが出来ました。まずは♂を中心に数匹確保し て一段落します。その後フィールドで銀塩カメラを持ち出しました。

今日は天気が良く、光量は充分だとは思いますが、素早く動き回るコルリの撮影であることを考え て目一杯絞りを開放して、マクロモードで狙いを付けます。

久しぶりに覗くファインダー越しに、コルリを追いかけて行き、 「今だ!」という瞬間にバシャ っというシャッター音と共にシャッターを切ります。

あれ?何か凄く気持ち良いぞぉ!?

その後何回もシャッターを押すたびに、何とも言えない気持ち良さがあります。これは忘れてい た快感でした。

銀塩カメラからコンパクトデジカメに持ち替えた人が最初に感じる違和感は、シャッターの感覚で はないでしょうか。ここだ!という瞬間にシャッターを押したつもりでも、シャッターを押された デジカメがそこから様々な計算を始め、その後に実際にシャッターが切られるというようなタイム ラグです。

デジカメを使っていると、そのうちにこのタイムラグを計算してシャッターを押すようになってい ました。これが知らず知らずのうちに、小さいストレスとなっていたようです。

バシャッ!バシャッ!! う〜ん、気持ち良い!!!

出来栄えをその場で確認できない、或いは明らかに失敗した写真をその場で削除できない、という 銀塩カメラならではのデメリットもありますが、この久しぶりの快感はそれを忘れさせてくれる程 のものでした。

つい夢中になって藪漕ぎして、コルリを見つけるとファインダーを覗いてシャッターを切る、とい うことを繰り返しているうちに、気が付くと10頭程確保しておいた毒ビンを紛失してしまってい ました(T_T)。(←何やっているんでしょうね@私)

こうして、ご家族と共に先に駐車場へ戻っておられるてんてんさんを待たせている事を忘れて、 たように、夢中になってコルリ採りとコルリ撮りに没頭する子連れ狸&子狸1号・2号でありました。 (←てんてんさん、申し訳ございませんm(_~_)m)

駐車場でてんてんさんご家族とお別れをして、我ら3人は隣接した県のポイントで夕刻まで採集を 楽しんで帰途につきました。てんてんさんお疲れ様でしたー!


デジタル処理

さて、いくらシャッター感覚が気持ちよかったとはいえ、やはり 結果が気になります。週始めに会社の近くの写真屋さんに持ち込んで、プリント とCD焼付けをお願いしました。

翌日の昼休みに、写真屋さんが会社まで届けに来てくれました。36枚フィルムの現像同時プリント +CD焼付けで2千円強というところです。やはりこのことろのランニングコストはデジカメに は比較になりませんね。高うございますぅ!

但し、今回の私のケースのように、突然デジカメが壊れたという場合には充分代替手段になり得 ると思われます。

気になる結果(画像)ですが、以下のようなものとなりました。

【画像をクリックすると大きなサイズ(640x480)の画像が開きます】

木の裏にいるコルリ新芽に潜るコルリ新芽を歩くコルリ新芽のペア

腕の悪い分はどうか斟酌してご覧下さいm(_~_)m。

こうしてCDに焼き付けられたファイルは当然ながらレタッチソフトで加工が可能であり、通 常のデジカメデータと変わらない取り扱いが可能です。

このように考えてみると、充分デジカメのピンチヒッターになり得るとは思いませんか?


結果と可能性

写真が出来てきて、従来のコンパクトデジカメで撮影した写真と見比べると、背景のボケ方が 銀塩カメラの方が激しく、結果として被写体を浮き上がら せるような効果を出しているような気がします。

これは当然絞りの設定等にもよるものでしょうが、これ以上詳しいことは判らないのです@私 (^^)ゞ。従って、コンパクトデジカメも銀塩カメラも、特にテクニックを駆使しないお手 軽撮影法で撮った時の差という意味でご理解下さいm(_~_)m。

また、銀塩カメラのもう一つの特徴は、ハードウェアとし ての拡張性です。私のコンパクトデジカメはファミリーユースであるため、ハ ードウェアとしての拡張性が殆どありません。しかし銀塩カメラであれば、交換ズームレンズ、 リングストロボがあり、その拡張性は比較になりません。

(←勿論お財布との相談は不可欠ですが・・・)

こうしてみると、単なるデジカメが壊れた時の代替物以上の可能性を秘めているのではないか と思い当たったのです。その時に自分が必要とする状況に応じて、両者を使い分けることが可 能なのではないかという事です。

この私のニーズを一挙に解決するものは、一眼レフデジタルカメラなのでしょう。つい最近こ のカテゴリーでも低価格の新製品が発表され、話題を呼んでいますが、私にはまだまだとても 手の届く値段ではありません。

これに比較して、銀塩一眼レフであれば、ディスカウントショップ等でコンパクトデジカメと 変わらない値段で購入することが可能です。

本稿はあくまでも私@子連れ狸の個人的な感想と思いつきに基づいて書いておりますので、皆 さんが賛同なさるものではないと思いますが、もし私と同じような環境にある方で興味のある 方は、一度銀塩カメラをフィールドに持ち出してみてはいかがでしょうか?

バシャッ!バシャッ!!の快感を味わえますよ!(←しか〜し!大きくて、重くて、邪魔ではありますので。念のため!)


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