小型種採集記
〜 栃木県のPlatycerus
02/Mar/2003
by なべ

 
前回の採集では、思いがけずヤマブドウと思われる枯れ蔓に、ルリ系のマークを見付けてしまい、俄かに ” 栃木でホソツヤ ” を期待してしまった。今回はそれを踏まえての採集だが、果たしてどうなる事だろうか・・。

 
 

3月2日(日) 13:00。

今週も来てしまった。(^^;;

この時期は、どうしてもこのポイントから離れられない。

いつもの長閑(のどか)な山里の風景を眺めつつ、一路標
高600mを目指す。
 

山の木々は、まだまだ芽吹く様子もないが、スギだけは相も
変わらず花粉をタワワに実らせ、春が近いことを告げてい
た。

っと言う事は、クマもそろそろ動き出すってことか?っと思っ
たが、今年はまだ『クマが出没 充分に注意して下さい。』の看
板は出ていないようである。


そして何よりも、前回の採集に比べ、大分雪も解けていて非
常に歩き易い。

この暖かさなら、材の氷もある程度は解けていてくれるだろ
う。

先ずは手始めに、いつものコルリポイントで材を物色してみ
ることにした。

申し遅れたが、今回の採集には、息子が引率をしてくれて
いる。(^^;;

ポイントはご覧の通りの急斜面なので、引率者も楽ではなさ
そうである。

そんな訳で、コルリは何も採れなかった時のお慰めに取っ
て置くとして、今回のメインイベントである ” 栃木でホソツ
ヤ探し ” を実行に移す事とした。
 

ルリなポイントに会場を移し、早速ヤマブドウから物色を始
めた。

しかしそう簡単に、枯れたヤマブドウは見付らず、細い枯れ
枝も手の届かない高所にしか見付ける事が出来なかった。

う〜ん、行き成り手詰まりに成ってしまった。(^^;;

ここは一つ、未開拓な部分に足を踏み入れるしかあるまい。

引率者に 『 どうでしょうか? 』 と伺いをたてると、あまり危
なくない所ならOKであると許可が下りた。

よ〜し!ここは一発、あの崖崩れの向こうに行ってみようで
はないか、少年!(^^;;

かなりオヨビゴシになってしまった引率者を道連れに、瓦礫
の向こうへと、歩を進める親の風上にも置けない自分であっ
た。

決して良いお父さんはマネをしないように。(^^;;

しかしこれが別の意味( ホソツヤ意外 )で正解であった。

瓦場を越えると、なだらかな谷が続き、立枯れやら落ち枝や
ら、材に事欠かない理想郷が待ち受けていたのである。
 

早速足元の材を拾い上げて見る。

ゲゲ!(@@

いきなり。(^^;;

これはどうかな?

おお〜!(^^;;

まさしく理想郷。

おまけに、こんなのもあり。(^^
おや、これってもしかしてヤマブシタケ?
 

う〜ん、いろんな意味で素晴らしい。(^^;;

とにかく、もうマークだらけ。(^^
両手一杯に材を拾い集めて、手頃な岩をテーブルにして、
削って見ることにした。

いつもなら『 なんちゃってェ〜!』っと材にバカにされる処で
あるが、今回は感じが違う。

ビンビンに材から伝わってくるものがある。

で、いきなりポコっと穴が開いた。(^^

どうでしょうか・・。

慎重に削って行くと・・・。

ジャ〜ン!(^^)/
ジャジャ〜〜ン!!
ど〜ですか、お客さ〜〜ん。(^^;;
こんなの ハ ・ ジ ・ メ ・ テ 。(^^;;;
ちょっと悪ふざけが過ぎたが、とにかく凄い。

しかも、ここの個体はブルー系ではないか。(^^

福島の個体に比べれば、まだ青が弱い気がするが、いつも
のポイントはグリーン系ばかりだったので、とても目に染み
る輝きだ。

悲しいかな、もうちょっと採集していたいところではあるが、
ここで引率者からストップが掛かった。(T-T)

時間は、すでに15:30を周っていた。

いつものポイントまで40分、このポイントまでさらに40分掛
かっているので、そろそろ下り始めなくてはいけない時間で
ある。
 

しかし、とにかくマークが一杯。(^^;;

あれもこれも、みんなコルリ材である。

う〜ん、” 材を拾いながら ” なんて言っていたら、福島か
ら夏の夜帰って来るが如くに時間が掛かってしまうがな。(^^;;

今日はここまで!っと心に誓って手にした材から、テネラルな♀が・・。(^^;;

ああ、なんて名残惜しいところなんだ。

新ポイント発見を息子と喜びながら、足取りも軽く下山するく
わ馬鹿な親子であったが、下山途中の二本橋で、息子が足
を滑らせて、崖と丸太に挟まってしまったことはヒミツにして
置いてあげよう。(^^;;

とっさに腕を掴んで引き上げてから、おいしいショットを撮り
はぐったことを悔やむ、キケンな親父であった。(^^;;

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