昆虫採集フィールド手帳

(published by 日本昆虫協会)

[フィールド手帳]

えいもん




昆虫採集は、言うまでもなく、自然を相手にするものです。しかし、その自然とは、実際には 私人かまたは国・地方公共団体などによって所有された土地の上の自然であり、手つかずに見える原生林といえども、 ほとんどの場合それは何らかの人為的な「管理」または「保護」の下にあると考えた方がいいでしょう。 したがって、このような中で昆虫採集にいそしむには、法律や条例などの予め定められたルールに従うことは もちろんのこと、相応のマナーを守ることがどうしても必要となります。


また、昆虫採集は、往々にして「マニアによる自然破壊行為」という偏見のまなざしを 向けられがちであり、その結果、採集活動がルールやマナーを超えて必要以上に制約されるという 事態が生じることさえあります。このような場合に、採集者としては、自らの活動の正当性を訴えるために、 採集の意義や生態系に与える影響の微小性などについて、説得力をもって説明することが求められます。


「昆虫採集フィールド手帳」は、以上のような場合の便宜のために、フィールドにおけるマナー、 採集の意義、トラブルの予防・対処法、採集を規制する法律の概要などを、たいへん分かりやすくコンパクトに 解説した採集携行用の小冊子です。また、現行の法律・条例による採集禁止種や採集禁止地域についても、 具体的に列挙して掲載しており、採集の事前に下調べ・勉強をするのにも、お勧めの一冊です。 くわ馬鹿の皆さんも必携の冊子と言えるでしょう。ただし、国立・国定公園内における特別保護地区など、実際に 採集が禁止されている自然保護地域について、個々の具体的な地図がこの小冊子の中に用意されているわけでは なく、詳細は別途調べなくてはなりませんので、その点には留意する必要があります。本冊子のより詳しい内容 については、下記のURLをご参照下さい。


この「昆虫採集フィールド手帳」は、定価は 900円。一部の専門店などで市販されているようですが、 最も手っ取り早い入手方法は、発行元である日本昆虫協会の事務局に直接問い合わせることだと思います。 同事務局に照会したところによれば、「冊数と住所・お名前をお知らせいただければ、請求書と郵便為替の用紙を 同封してお送りします。お申し込みは電話・FAX・E-mailどの方法でも結構です」とのことでした。

日本昆虫協会事務局: Tel/Fax 03-3910-7170  E-mail/ insect@tk4.speed.co.jp
日本昆虫協会: http://wing.zero.ad.jp/~zaw02218/kontyu/kon_fl.htm
昆虫採集フィールド手帳: http://wing.zero.ad.jp/~zaw02218/kontyu/NL/techo.html


なお、ご存知の方も多いかと思いますが、日本昆虫協会(上記URLのホームページ参照)は、 「昆虫採集の復権、健全な昆虫採集の普及・啓蒙、環境保護への積極的な運動、国立自然史博物館の建設などを 活動目標」として、1991年に発足した団体です。現在、約1,000人の個人会員と30余の団体会員が参加しているそうです。 会長は、昆虫や採集についてのエッセイなどで有名な奥本大三郎埼玉大学教授です。 個人会員の年会費は4,000円で、会員になると、名刺サイズの会員証が与えられ、また、ニュースレター(不定期)などが送られて きます(昆虫採集フィールド手帳は、新規会員には残念ながら有料となるようです)。わたしは、この会員証(下の画像参照)を、 採集時のお守りの一つとしていつも携行しているところです。日本昆虫協会は、採集者の立場に立って、マスコミ、行政、 教育界など各方面で啓蒙活動を展開しています。自然を慈しみ昆虫採集を愛するくわ馬鹿の皆さんも、是非とも日本昆虫協会の 会員となり協会の活動のサポーターとなられることをお勧めいたします。

[会員証表] [会員証裏]
   
日本昆虫協会の会員証 会員証の裏面


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