東京都産トウカイコルリ採集記

o-江古田



 よく図鑑等で全国のルリクワガタ属が掲載されている。そのプレートを眺めると福島、新潟、山梨県産に並んで東京都産が紹介されている。「東京都産?」千葉県在住の筆者としては日帰り可能圏である(筆者は自動車免許を持っていないので…)と思い東京都トウカイコルリの採集に身をのりだした。

 
←鉄道をおもな交通手段とする筆者にとって欠くことできないのが「ホリデーパス」
 

 2003年1月13日、電車を乗り継ぎ、バスに乗り、東京都西多摩郡奥多摩町の某林道に向かった。以前、来たのは2001年5月のことであり、オニクワガタとスジクワガタを確認していた。オニクワガタはコルリクワガタよりも標高が低い位置からも採集されているが…もしかしたらいるかも、などと思いながら、道についたのは時刻9時頃のことである。

 雪は思ったほど多くはなく、登山客はいなかった。

 ―ん〜。これは思う存分、材採が可能であろう。―

 

 林道を登っていくと車が結構通るようで、歩きやすい。さらに登っていくと、産卵痕らしいきものがつく材を発見。早速、削ることにした。

 よく、材が凍っていて削りにくいなどと聞くがこの材は比較的やわらかく、削りやすい。すると、すぐにトウカイコルリ♂が姿を現した。しかし、削る勢いが良すぎて潰してしまった。削りやすさがアダとなってしまったようである。

 しかし、初トウカイコルリということで毒ビンに入れて、さらに削るが追加はなかった。


コルリ材
産卵痕が見えないが…
 

 時刻は10時20分、さらに林道を登っていくことにする。すると、沢にさしかかった。やや南側の斜面であったが、材が多く転がっていたので数本削ってみることにした。削ると多くの材は緑色になっていた。(ナゼ?)その上、昆虫が入っているケハイが全くない。

材を削るのをやめて、林道を登っていこうかと思ったそのとき、なんとヒメオオクワガタ♀が出てきた。

 

 前脚の片方が無く、アゴも欠けていたので越冬個体だと思われる。予想外の収穫に胸を踊らせされ、さらに探したが…。

 その後、林道を登っていくもアカアシクワガタ♀を1頭追加しただけで、トウカイコルリは採集できず、12時近くになったので、採集を終えることにした。(昼食を持っていなかったので…。)


東京都産ヒメオオ

 そこで、「江古田参上!!」の意をこめて雪ダルマを作ろうとしたが、雪がサラサラで作りにくい。やむをえず、小さな雪だるまを作り、下山した。

 
←この雪ダルマを見かけたら、そこにはコルリがいるかも…

 今回採集されたのは、トウカイコルリ1♂、ヒメオオ1♀、アカアシ1♀であった。これにより、この地における確認種はオニ、コルリ、ヒメオオ、アカアシ、スジの5種となった。まだまだ多くの種が潜んでいることを期待しつつ本稿を終える。

 

トウカイコルリ

オニ


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