誰も見てはいけない・・・。

by 岩手のGO





わたしは既に、恐怖に慄いている。いずれこの身に降りかかるであろう災いを想像せざるおえなくなったからである。これ以上の詮索と探索は止めて、わたしはこの場所を後にする事を決断した。その時である!何者かの足音が響いた。わたしは側にあった部屋への侵入を試みた。すると、そこは!

ここも実験場所であったらしい。しかし、和室に飾られた部屋が惨憺たるものである。床の間に掛け軸と生け花が飾られている。それと共に妙な配置をした透明なボックスが置かれていた。わたしはその透明なボックスの中を覗きこんだ。

中には生存者が。碁盤に置かれた実験用の瓶である。

更に下に目を見やると、ひとつの瓶に視線を注いだ。何かが蠢いている。そしてもう一つの瓶にも・・・。

オウゴンオニ発見!ラトレイユ発見!である。いよいよ生存者が、発見されつつある。このままいけば、かなりの生存者を救い出す事が出来ることであろう。しかしこの館に侵入してから今までの間には、どうする事もできない惨状が広がっている。全てを報告する事は出来ないが、出来る限りの写真を撮影し皆様に伝えたいものだと実感している。

ウルトラマン陥つ・・・。ゴジラの佇まい。

わたしは、この館を後にする事にする。もうこれ以上の惨劇を目の当たりにするには、わたし自身の精神が耐えきれないからだ。しかし、まだまだ生存者は存在する筈である。いずれ、もう一度この館に侵入し生存者の救済をしなければならない。これは自分自身に課せられた十字架だと感じている。他の者にも協力をして欲しいものではあるが、これはあくまでも自分自身に対する救済でもあるからだ。さて、帰るとしよう。これ以上の長居は、命を落とす事にもなるからだ。ただ、あの扉を開けねばならない。あの秘密の扉を・・・。神よ!我に祝福あれ!そして闇に属する扉よ!わたしに光りをかざしてくれ!


と・・・全てはこの扉の向こうから始まった。ひび割れたガラス、錆びれた鉄の扉。おお!神よ我に加護あれ!この扉を開け放ちたまえ!・・・って、ちゃんと虫部屋掃除しろよ!(^^;>all


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