甲虫入門にお勧めの本

tsuu3@田中

 


 

 クワガタの採集を初めてまだ数年しかたっていのだが、最近自分は「クワガタじゃなくても良いんじゃないだろうか?採集出来れば、甲虫ならば、良い虫なら・・・採集してみたい(^^;;;」なんて思っている。まあ、ボウズをさけたいって気持ちも無いわけではないのだが(笑)

 思いだして見ると標本を始めたことが大きく影響しているような気もする。標本を始めたことで虫をじっくり見るようになったように思う。虫それぞれのディテールを楽しむようになったと言っても良いだろう。例えば上の写真を見て欲しい、外産コガネでは無い、正真正銘の国産のアオカナブンである。え、ミドリじゃないかって。そうなんです、アオカナブンはミドリ色なんです。しかし、これほどあざやかなミドリ色だったと記憶していただろうか?そして、ヘラジカのような頭が何とも動物的で面白くないだろうか?こんな所を観察しながら、展足して、写真撮ってとやっていると、楽しくなってしまうのである。

 さて、こんな私はまだまだ駆け出しで、甲虫は始めたばかりと言っても過言では無い。実際去年の春までは採集した珍しそうな甲虫はほいほいあげていた。あ、今でもデバヒラタはえりーさんにあげている(^^)
そのため昨年は色々な甲虫関連の本を購入してみた。図鑑の場合、結局行き着く所は、あの有名な保育社の「原色日本甲虫図鑑」なのだが、全巻揃えるのは結構大変だし、高価だと思う。そこで、今回は安価(3000円以下)でお勧めの、甲虫図鑑2冊と、カミキリムシの本1冊を紹介したいと思う。甲虫の入門の助けになればと思う。と言うより、私もこれからやってみるので、皆さんもしませんか?ってことですな。


 まず最初に紹介するのは、山溪フィールドブックスの甲虫である。この本が入門としては最も良いんじゃないかなと思う。クワガタ以外は興味の無いって人もダマされたと思って購入しちゃいましょ。クワガタも結構詳しいですから。

 この本の特徴は甲虫の生息環境を6つに分類し、生息環境がわかるように載せている点と、最後に標本一覧が有り、生息環境と外観の両方わかるようになっている点である。

 これだけでも凄いと思うのだが、さらにこの本の出来を素晴らしくしている点はフィールドでの昆虫の写真である。とにかく素晴らしいの一言。虫が生き生きしているし、昆虫それぞれの仕草みたいなのが、非常に微笑ましく撮られている。また、飛翔シーンへの撮影者のこだわりがひしひしと伝わってくるのである。

 この本を見る度にいつもこのような写真が撮れたらな〜〜と思うのであるが・・・なかなか難しいの一言(トホホ)。またこの本にも間違いが無いわけでは無い。実はマグソクワガタがコブスジコガネ科になっているのである。実際に幼虫を採集した経験の有る方ならわかると思うが、マグソクワガタは間違いなくクワガタムシ科である。

 以上だまされたと思って購入してみなされ。色々勉強になること間違い無し(^^)

黒沢良彦 /渡辺泰明 解説/栗林慧 写真
山溪フィールドブックス 13 \1,748
「甲虫」
山と溪谷社(1996年)


 次に紹介するのは、PHP研究所が出版している甲虫である。実はこの本はひょんなことから手に入れた本である。存在さえ知らなかった。昨年SIGMA Bさんより頂いたのである(^^)

 SIGMA Bさんが出張で北海道に行った時に立ち寄った本屋に1000円で2冊売られていたそうである。そこで2冊購入した片方の1冊を私が1000円で譲り受けたと言うわけである。わざわざ北海道まで購入に行っていただいて、それも破格値で購入って感じでめっちゃラッキーって言うくらい良い本である。

 この本の特徴は3部構成になっていて、甲虫と言っても、クワガタムシ科、コガネムシ科、カミキリムシ科の3科だけの図鑑である。そして、非常にコンパクトで持ち運びに便利な点が二重丸である。

 しかし、この本の3部構成はそれぞれ別の人が担当したと思われ、それぞればらばらな感じがする点が難点である。具体的に言うと、クワガタはフィールド写真と標本が並べられているのに、コガネムシになるとフィールド写真と標本写真がばらばらに混じり、カミキリムシに至っては殆どがフィールド写真になっているのである。

 それにしても各種の情報は詳しく書かれているし、カミキリの種類の多さは非常に満足出来るので、非常にお勧めの本と言って良いだろう。本屋であまり見かけないので、見つけたら、即購入することを勧める。

岡島秀治監修 /小林裕和/野中俊文/長谷川道明 著
カラーハンドブック NO.2 \2,200
「甲虫」
PHP研究所(1994年)


 息子がいつからカミキリ、タマムシ好きになったのかは定かで無い。親父がそんなことも知らないなんて・・・などと言われないように一昨年(1999年)と言うことにしておこう(爆)。頻繁に採集しては標本にしてくれ、展足してくれと言うようになったのは昨年の春頃からだった。アカハナ、ヨツスジ、ウバタマ、オオシロ・・・キャンプに行けば、シロスジ、ヨツスジ、ヒメコブ・・・と良くもまあ色々採集するのである。そんなこんなで、親父も何となく前からやってみたいと思っていたカミキリに足を踏み入れるようになった。と、言うか今年は頑張ってみたいと言う気持ちから、ここに紹介する本を読んでみたわけなのである。

 前置きが長くなってしまったが、このカミキリムシの魅力はカミキリに興味の有る人にとっての入門書としては非常に良いんじゃないかなと思う。ネキ人気(私はこいつが何でそんなに人気なのか全然理解出来なかった。)の背景が何処にあるのかなど歴史もわかるし、カミキリ屋の用語もわかるだろう。好みじゃ無いけどネキは採集しとかんとな。一人前のカミキリ屋と呼ばれないし。なんてね(^^;;;

 カミキリに興味が有ったら是非、興味が無くても読むと面白いのでどうぞ。やっぱ、甲虫屋の基本は採集です(^^)

露木繁雄 /斉藤秀生 /高桑正敏 他著
甲虫シリーズ 2 \2,000
「カミキリムシの魅力」
築地書館(1987年)

  
昨年夏に息子が採集したカミキリムシの一部  →
コブヤハズ以外は家の近所で全て採集している。
夏休みの宿題ってやつである。


 以上3冊を紹介したが、まだまだ紹介したい本は有るので、ここに列記する。

・甲虫全般
1)海野和男 /筒井学 著 
  「雑木林の虫の飼いかた」
  偕成社 \1,500
2)海野和男 /筒井学 著 
  「虫を採る・虫を飼う・標本をつくる」
  偕成社 \1,500

・カブトムシ
1)海野和男 著 
  「カブトムシの百科」
  データハウス \2,400
2)阪口浩平 編著
  「世界のカブトムシ」
  小学館 \1,460

・カミキリムシ
1)高桑正敏 編
  「ベニボシカミキリムシの世界」
  むし社 \2,800

 以上で紹介を終わります。
 高価な本ははまってくると必ず必要になるでしょう。しかし、そうなれば紹介するまでも無く、自分で探し出すことでしょう。そんなわけで今回は入門書だけの紹介ですので、ご了承下さい。

 質問や、良い本身つけたらメール下さい。宜しくお願いしますm(_ _)m
 それでは。

 

つーさんの森 !
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