幼虫のその後

持ち帰った幼虫は十数匹を温室管理、残りを常温管理とし、餌は発酵マット
と食いカスの混合物(私は自然界で白色腐朽部に見られない種に多用している)
で飼育しました。

選別は、文献に載っいる気門の形の違いによって行いました。
手持ちの幼虫を見てみてください。ドルクス系はだいたいC字型だと思います。
これに対して、オニクワは文字で示すと 「I」、記号だと 「(」 な形をしています。
ただ、幼虫が小さいため、現地での同定は分かり辛く、あきらめて持ち帰ってから
落ち着いてやることにし、自宅で個別にする際同定してみました。
現地ではキンオニが採れた(と思われる)材から、よくコクワも出てきましたので、
少々不安でしたが、キンオニと同定したものからは今のところ間違いなくキンオニ
が羽化してきています。

温室のものは5月20日くらいから、常温組は6月はじめくらいから羽化しています。
蛹期間は計ったもので2週間〜20日と短く、文献通りだと思いました。
ただ、常温組に限りますが未だに幼虫のものもいて、かなりだらだらと蛹化〜羽化
するようです。

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♂蛹 ♀蛹

何故かこのように蓋のすぐ下に蛹室を作る個体が多い。
あと、前蛹で死亡する個体もけっこういました。

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左はアクティブ♂
右は羽化直後

以上、キンオニの採集から羽化まで、簡単に報告してみました。
今後対馬で採集される方の参考になれば良いな?と思います。

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PS:事前、そして滞在中に、いろいろな情報を頂いたnetな虫屋の皆様、
      ありがとうございました。





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