くわ植物 -川辺・その他
ヤナギ、アカメガシワ、オニグルミ・クルミ、トチノキ、シナノキ、モミ 


ヤナギ
ヤナギ 

ヤナギは非常に種類・雑種が多く、また区別も難しいので、「河川敷に生えるヤナギ」ということで 一括しておく。ヤナギは水の吸い上げが良く、樹液の出も良い。 採集のポイントは2つある。1つは若枝に傷を付けて吸汁するもので、とくに 冷涼な地域でのアカアシクワガタやヒメオオクワガタはこのような生態を示し、 時に鈴なりに付く。もう1つは、ボクトウガの幼虫があけた穴から出る大量の 樹液に集まるもので、夜間採集が基本である。 ボクトウガのあけた穴は隠れ場所も提供している。昼間に木屑の蓋を どけてみると中に入っている事も多い。 河口域では同じ樹液ポイントでも時期によって採れるクワが異なり、 ヒラタが一番早くGWをすぎたあたりから採れ始める。

 
ヤナギの葉
特徴: 

生息地:湿潤環境に生える。
:葉が出る前の早春にネコの尾のような房状にでる。
:一般的に細長く縁は細かいギザギザの鋸歯になる。

 
北海道  :ノコギリクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、アカアシクワガタ、ヒメオオクワガタ、ミヤマクワガタ
本州  :ノコギリクワガタ、コクワガタ、スジクワガタ、ヒラタクワガタ、アカアシクワガタ、ヒメオオクワガタ
 


アカメガシワ
アカメガシワ 

深い洞ができやすく、その中にクワガタがいる。南西諸島では主要なクワガタ木の一つだが、本州ではときどきみかける程度。アカメガシワはトウダイグサ科であり、ブナ科のカシワとは関係ない。カシワという名前はカシワと同じように大きな葉で食べ物を盛ることから来ているらしい。

 
特徴: 

生息地:普通にみられ、湿潤環境に多い。
:若芽は鮮やかな赤。20cm近くなる大きな葉で、形はハート型が多いが、先が数裂するものまでいろいろある。
樹皮:灰白色で縦に浅くて細かい裂け目が多い。

 
本州  :コクワガタ
南西諸島  :ヤエヤマノコギリクワガタ、サキシマヒラタクワガタ
 


オニ/ノグルミ
左ノグルミ、右オニグルミ
オニグルミ 

枝先にコクワガタが付くと報告がある。北海道からの報告の「クルミ」は種不明。写真はノグルミとオニグルミを載せた。オニグルミは川沿いに生える。分布は北海道から九州まで。ノグルミは山地に生え、いわゆるクルミ状の実はできない。

 
特徴: 

生息地:オニグルミは湿潤環境に生える。
:奇数羽状複葉
樹皮:オニグルミは黒っぽく、縦に深く裂ける。

 
北海道  :アカアシクワガタ、ミヤマクワガタ
本州  :コクワガタ
 


トチノキ
トチノキ 

北海道からの報告のみ。直径4メートル近い大木になる。マロニエのなかま。

 
特徴: 

生息地:山地の湿潤な環境に生える。
:5〜6枚が放射状に集まって一枚の葉になる。一つの小葉は大きくて20〜40センチほど。
樹皮:灰白色。不規則な鱗状になる。
:クリの実のようなツヤツヤした丸い実。

 
北海道  :ミヤマクワガタ
 


シナノキ
シナノキ 

幹や枝分かれ部分にノコギリクワガタや、ミヤマクワガタが多い。全国に分布するが、北海道からの報告のみ。

 
特徴: 

生息地:山地に生える。
:ハート型で、先が伸びる。5〜6センチのものが多い。
樹皮:灰白色で縦に浅く裂け、少し剥がれる。

 
北海道  :ミヤマクワガタ
 


モミ
モミ 

針葉樹で樹液採集できるという報告のあった唯一の木。樹液はダラダラと垂れるようにでる。 直径2メートル近い大木になる。

 
特徴: 

生息地
山地に多い。 :よく見ると先が二つに別れて尖っている。他の似ている樹種と違い触ると痛い。
樹皮:黒褐色でザラザラしており、細かい割れ目がある。

 
本州  :ネブトクワガタ、(ミヤマクワガタ?)
 

Back くわ植物図鑑 TOP
Back 春号 TOP