見事な立ち枯れを前にして、暫く呆然となった。
それは、高さ10mはあろうかと思われる大きな立ち枯れで、幹は抱えきれないほど太い。
その上、表面は隙間なくカワラタケに鎧われている。
どこから削ればよいのか、一瞬、と惑う。が、とにかく立ち向かった。
叩く。
削る。
また削る。

あ!

巨大な蛹室だ・・・と、

「いた!」

中には70mmオーバー、漆黒のオオクワガタが横たわっていた。
興奮さめやらぬうちに、また斧を振り下ろす。

「あ!」

なんと、今度は巨大幼虫が・・・・・・。
伊賀さん・・・伊賀さん・・・、もう時間過ぎてますよ・・・
ささやくような声に、我に返って布団から跳ね起きた。
あ、すみません
10分進めている目覚ましが鳴ったとき、(あと、10分あるな)と思って目をつむり、どうやらそのまま深い眠りにもどってしまったようだ。おまけに、おめでたい夢まで見てしまった。大きなオオクワだったのに・・・。

時計を見ると、5時40分。5時に起きる予定だったから、30分ほどの寝坊だ。暗い部屋に浮かんでいたHOTさんは、既に着替え終えていた。
急いで階下に行きポットに火をかけ、お湯が沸いたらコーヒーをセルフサービスしてもらうようお願いし、脱衣部屋に行き着替え・洗面を終えリビングへ。HOTさんは、コーヒーを飲みながら、煙草をくゆらしていた。
すみません、寝過ごしてしまいましたよ
俺も10分くらい寝過ごしちゃったよ。いやぁ、危なかった
前日、HOTさんは私の家に泊り、二人して燗した酒など飲みながら作戦会議・・・のはずだったのだが、まったくクワガタとは関係ない話に盛り上がってしまい、結局寝たのは2時・・・。
仕事だったら、絶対起きられない睡眠時間だ。しかし、遊びとなると話は別、しかも韮崎に行くとなればいうまでもない。ましてや自分にとっては、生まれて初めての朽ち木割採集、眠気などは一瞬にして吹き飛ぶ。
コーヒーを飲み終え、いざ!予定より遅れて6時ちょい過ぎ、すっかり暖まった車は、一路韮崎へ向けて発進した。
家から八王子へ、そして中央高速で韮崎へ、約2時間の道程は、はずんだ会話とともに瞬く間に過ぎていく。気がつくともう目的地まで数キロのところまで来ていた。

「韮崎」
の文字が、標識に姿を見せるや、気持ちは瞬時に引き締まった。
彼方に、富士山が、その美しい容姿をみせている。
少しして、韮崎インターで高速を降りた。時計は8時を少し回ったところ・・・。
いよいよ、である。
緊張感が、自然と高まってくる。
まず、HOTさん作成による地図をもとに、”ここはきっと条件がいいだろう”と、思われる地域の一つに向かった。
事前に決めていたように、まずはポイント探しのみに専念する。よほどの木がない限り、削らない。これはともすると、いたずらに削ることへ集中してしまい、無駄な時間と労力を使いかねない、というHOTさんの経験からだ。
広域農道をつたって第一の候補地へ。ところが、である。
あれ、ここらへんは、なんかばかりだなあ
と、HOTさん。
ほんとだ。台場、ないなあ
車の窓から見えるのは松が多く、広葉樹もあるのだが、細い。とりあえず適当に曲がって、その地域へ一歩入った。
しばらく行くと、前から地元の人の車がやって来たので、ちょっとバックしてすれ違う。すれ違いざまに車中でちょっと頭を下げると、向こうも頭を下げてくれた。
道はだんだん細くなっていき、そのうち行き止まりになってしまった。辺りには細いコナラが多く、また松も多い。いやな雰囲気だ。しかも日陰であり、どう見ても、「いそう」な感じではない。私たちは、ちょっと様子を見るために歩くことにした。小高くなっているところに上がり、周辺を見渡すが、やはりオオクワが生息できるような条件が整っていない。
私たちは、この候補地を捨てた。調べればいい条件の所があるやもしれないが、時間も体力も無限ではない。冬の太陽は、気が短いのだ。
気持ちを入れ替え、次なる候補地へ向かった。が、次の候補地も、いま一つであった。開けてはいるのだが、台場がないのだ。しかも道は石くれだっていて、運転に気を遣う。ジープが欲しいと思いつつ、私たちは、ここも潔く後にした。

次に訪れた場所は、これまでよりかなり「良い感じ」であった。日当たりも良く、また、台場もいたるところにある。
ちょっと見て回ります
HOTさんが下見へと車を降りる。民家から人が出てきて、こちらを見ていたが、HOTさんが一言ことわると、快く承諾してくれたようだ。そのままHOTさんは、緩やかな斜面の林へと消えていった。私は、一足先に車を下の道へ持っていき待つことにした。しばらくすると、HOTさんの姿が路上に現れた。
どうでした?
だめだめ。台場はあるけど、好い立ち枯れがない
多少は期待していたが、条件の良い立ち枯れを見つけるのは、やはり最重要で最難問だ。しかし、この一帯は、環境的に好いはずである。私たちは先を急ぐことにした。
50mくらい車を走らせたところで、道路の反対側に良い台場が数本たっているのを見つけた。しかも台場は土手に生えている上、そのうちの1本の朽ちているのは2mくらい上。これは・・・。
削ってみましょう
様子を見に、土手を少し下りるHOTさん。
トランクから脚立を出す私。ついでに、斧も取り出す。
時間は既に10時に近い。ここまで、まだ1本も削っていないのだ。
とうとう、台場の誘惑に負けてしまった・・・。
脚立をかけ、まずはHOTさんに削ってもらう。が、朽ちているところは、ちょと周りの部分より凹んでいて、鉈の刃がきちんと当たってくれないようだ。削りにくい。少しすると、ノコの頭の一部らしきものが出てきた。もしかしてオオクワにやられたのか・・・。
交代で削ったが、木が硬いのと削りにくいのとので、思うように作業がはかどらないと判断。再度、車上の人となる。
そして、しばらく行くと、
あの辺り、良さそうだなあ・・・行ってみようよ
HOTさんが窓から彼方に見える林を指さしている。
そうですね、行きましょう
車は道路を左折し、目的地へと方向を変えた。
林に近づいていくと、車が見える。先客のようだ。やはり、他採集者の姿を見ると、
(後れをとったか・・・・・・)
この感はぬぐえない。が、ここは平静を保って車を近づけていく。先客の車中には人がいるようだ。
ゆっくりと相手の車に歩いていき、
こんにちは。どうですか?
中からちょっと年配の人が降りてきて、こんにちは、と言った。
いや、風邪気味でしてね。疲れたから、休んでいるんですよ
確かに、弱っている感じだ。
お一人ですか?」 と、これはHOTさん。
いや、連れがいま下でやってるんですけどね・・・あ、来た来た・・・
ふと見ると、下の土手にと続いている道を、中年の人が上がってくる。なにやら、はぁはぁと息を切らせているみたいだ。
どうですか、の問いに、
採ったよ。メスだよこれ
思いもよらぬ言葉に、きゅっと、胸を掴まれたような心持ちになる。しかも、差し出した手に乗っているのは、濃橙色の頭を持った、オオクワのメス、3齢である。私たちは、一瞬、無言になる。こんなに早く、オオクワを目の当たりにするとは思っていなかった。しかも、他人が採ったのである。
いやぁね、この下のね、でかい倒木を削ったら、いきなりこいつが出てきてね。入れ物を持っていかなかったから、一度もどって来たんだよ。
なにやら、稲川淳二のような話し方をする人だなあと思いながら、
ほう・・・・・・
私はこれを言うのがやっとというほど、ある種のショック状態であった。
HOTさんも、まじまじとそのオオクワ幼虫を見ている。思わず、二人、顔を見合わせる。
オオクワはもう、長いのですか?」 と、HOTさん。
もう、6年くらいかなあ。最初の2・3年は、まぁったく、採れなくてねぇ。採れるようになったのは、ここ2・3年くらいからだよ。
この辺は、やっぱりオオクワ採れますか?
うん、この辺でオオクワが採れるのはねえ、ここと向こうの山の方だよ。あとはねぇ、なかなか難しいかなぁ。
稲川さん、いや、おっちゃんの言葉は、しかし、私たちを勇気づけずにはおかなかった。なにしろ、自分達が見つけた場所は紛れもない、オオクワが採れる場所だったからだ。そういう場所なら、1本にしか幼虫がいないとは、言い切れないだろう。
時計をみると、10時半。まだまだ時間はたっぷりとある。こうなってくると、俄然、気合が入る。なにしろ、目の前でオオクワが採れているのだ。
車にもどり、採集ギアを身につける。
HOTさんは、体の両脇に大型ポケットがくるような、SWATでも使われていそうなショルダーポーチとでも呼ぶのだろうか、とにかく便利そうなものを羽織り、木製鞘に入った「手打ち」と書かれた鉈を腰に装着、靴を履き替え、帽子をかぶる。私は、ん? バックパックを背負うだけでした。(^^;)
早速、道具類を持って、あたりに散る。彼らが削っている場所が気になるが、人と同じところを見ていては採れないと言い聞かせ、一人で辺りを探索する。緩やかな道を下りていくと、台場がいくつかある。が、どれも枯れていない。そのまま先に歩いていくと、道は右に曲がっていく。なおも歩き続けていると、「おーい」と、遠くから声が聞こえてきた。見ると、右手からHOTさんが手を振って下りてくる。
いい木、ありましたぁ?
ううん、なかった。どうしよう、二人で一緒に行ってみますか
それから二人で、薮中行軍。枝や葉っぱが、容赦なく頭、顔を打つ。
と、薮の中の一隅に光が差し込んでいて、そこに細い立ち枯れが見える。近寄ると、古いもののようで、かなり朽ちている。が、根元のほうはそこそこ硬さを保っていた。試しにHOTさんが、一振り。食痕が現れ、たどっていくと越冬幼虫が出てきた。見ると、コクワの幼虫のようだ。もう少し削ってみたが、材は柔らかい上、細すぎる。また、上部はぼろぼろな状態まで朽ちているので、オオクワが好む材質とは思われない。
遊ぶのを止め、また行軍を再会した。

しばらくして薮を抜けると、土手沿いの道へ出た。
ここは日だまりになっているようで、とても暖かい。土手には、12月だというのに黄蝶が舞っていた。越冬するのが、この日だまりの暖かさに出てきたのだろう。ジャケットの下にセーターを着ていたのだが、暑くてたまらない。土手に座って、脱いだセーターをバックパックに入れた。
そのまま、30mほど道に沿って歩いたころだろうか、前方の土手の上に台場が見えた。しかも、その一段下の土手には、なんと立ち枯れがいくつかあるではないか!
HOTさん、ほらほら、あれ、立ち枯れですよ
どこどこ?・・・あ、ほんとだ。あんなに・・・行こう!
歩く速度も早くなった。が、近寄ってみて、さらに驚いた。一番目立つ立ち枯れは高さ2mくらいで、その周りにも4本ほど、大小の立ち枯れが点在していたからだ。一番太いものは、抱えきれないくらいのやつで、恐らく切り倒した台場の切り株が朽ちたのだろう。しかも、どの木にも、カワラタケが生えている。インカ帝国の遺跡を発見した人たちは、きっとこんな気持ちになったのだろうと(なんのこっちゃ)、やや大袈裟に考えてしまうくらい、その光景には「発見」の言葉がふさわしく思った。
逸る気持ちを抑え、まずは周囲を歩いてみる。と、カワラが生えた、桜の枝が朽ち枯れたのを発見。オオクワは入っていないだろうけど、産卵木には良さそうなので、斧で少し切り落とし、後で拾うためそこに寝かせておくことにした。なんだかんだ言っても、さっきの立ち枯れが気になってしょうがない。
なんか、もう、もらったような気になってきたなあ
などと、冗談も飛び出すくらい、予想外の風景に出くわし、素直にわくわくの二人。
さて、いよいよ本命の、立ち枯れたちを削ることにした。どれにも、既に鉈を入れた跡があるが、あまり削られてはいない。が、さすがに、2mくらいのやつは、かなり大きな塊が辺りに散らばっていたので、既に誰かが採集した跡かもしれない。また、古そうな削り跡には、明らかに3齢の食痕跡と思われる、直径3〜4cmくらいはあろう、巨大な溝がうねっていた。
もう、我慢できない。私たちは、二手に分かれ、各々削り始めた。
まず私は、抱えきれない切り株に近寄る。この木には、ニクウスバダケ(のようなやつ)とシハイダケ両方が生えていた。ちょっと興奮気味に茸を観察する。
(こいつが、オオクワのメスを虜にするのかぁ・・・)
期待が膨らむというものだ。
愛斧「大五朗」の一振り。また、一振り。さらに一振り。しかし、うーむ、この木はまだ少々硬すぎるようだ。生木の匂いも少しだがするようだし、来年あたりがいいのだろうか・・・。まだ、カミキリくらいしか入らないかもしれない。来年に期待し、それ以上削らないことにした。
次に、小さ目の立ち枯れにとりかかる。が、新しい食痕が出てこない。朽ちてはいるが、まだ少々硬いか・・・。
そのうち、手が疲れてきた。朽ち木割は、思った以上に重労働だということを悟る。HOTさんの、”やたらに削るのは、反って効率が悪い”という言葉が頭に浮かぶ。納得である。
斧を両手で握り、カンコンカンコン、斧を振り上げては降ろし、降ろしては振り上げる。
伊賀さんいたよ!
突然、HOTさんが叫んだ。
見ると、件の2m立ち枯れの頂部近くに、片足で抱き着くようにしている。
慌てて駆け寄ってみると、差し出した手に、でかい初齢幼虫が乗っているではないか!心臓の鼓動は、いやがおうにも早くなる。
初齢なのにでかいよね。いくらなんでも、コクワの初齢はこんなに大きくないよなあ
同感である。頭幅は2mmくらい、長さは15mmくらいだろうか。
コクワの初齢はそんな大きくないでしょう
うちで生まれたオオクワの幼虫も、こんな感じだったと思うなあ。伊賀さんはどう思います?
そうですね。うちで生まれたのも、大きさといい、こんな感じだったと思いますよ
そうだよね
落とさないよう、慎重に土手を上がり、まじまじと見る。大きい。越冬準備のため、糞を出し切り、不凍液で満たされたオオクワの幼虫(だろう)は、乳白色できれいだった。
HOTさんの表情が明るい。私も嬉しくなった。
しばらく二人して幼虫を眺めていたが、こうしてはいられない。
幼虫をケースに入れたHOTさんは、再び立ち枯れ上の人となった。しばらくして、もう1頭発見。慎重に取り出し、周りの削りかすと一緒にケースへ。
伊賀さん、削ってみる?ちょっと、腰が痛くてたまらないよ
選手交代である。HOTさんが幼虫を採った部分は、周りよりも湿っており、菌糸瓶と同じ、菌糸の匂いがした。甘い匂い、と個人的には思う。
さて、菌糸の匂いのするところは柔らかめで、ピンセットでこするようにして剥がしていく。なにせ、初齢である。鉈、ましてや斧などは使えない。集中し、細心の注意を払って剥がす。・・・と、新しい食痕が出てきた。
いた!HOTさん、もう1頭いたよ!
同じ大きさの初齢である。なんとも、たまらなく嬉しい。HOTさんに幼虫を渡し、もう1頭は見つけねばと、別の食痕を探す。が、そのうち腰が痛くなってきた。なにしろ、削りにくい場所なのだ。立ち枯れの向こう側は土手で、2mくらいの高さがあるため、落ちるわけにはいかない。どうしても、体重が片方にのみかかってしまう。
また、選手交代。
その後、新しい食痕を見つけたが、追っていくうちに消えてしまった。
気がつくと、さすがに二人とも疲れた。時計は12時半を過ぎている。かれこれ、1時間半くらい削っているのだ。疲れるわけだ。また、大型初齢3頭採集していたので、多少の安堵感も手伝い、集中力がなくなってきていた。こうなると、腹がへる。思えば、韮崎に着いてから数時間、ほとんど何も口にしていない。
昼にしよう
というわけで、ひとまず下山と相なった。現場写真をと、HOTさんがデジカメをまさぐる。が、あれ?おや?あるはずのところにないらしい。あちこちまさぐるが、ない。どうやら、先の薮中行軍の最中に落としてしまったらしい。うーん、残念。私は傍らにあった、カワラ朽ち木のブロックを2つ、産卵木にするため袋にいれ、HOTさんと、車が待つ場所へと踵を反した。

車のところにもどってくると、さっきのおっちゃんが、煙草を吸っていた。
どうでした。あれからまた、出てきましたか?
私たちの問いに、おっちゃんは、さも悔しそうに、
1頭ねぇ、でかいのがいたのに、やっちゃったよぅ、斧で。くやしいなあ、頭幅13mmくらいのやつだったのになあ・・・。食痕がねえ、上からじゃなくて下から来てたから、ぱかあーんと、斧でさあ。ああ、もったいないことしたよなあ。オスだよぉ、あれ
煙草が、勢いよく燃える。悔やみながらも、おっちゃんは、
どうでした、採れましたぁ?
おっちゃんの言葉に、私たちは初齢幼虫を見てもらうことにした。幼虫を見たおっちゃんの表情が、一瞬引き締まる。こちらも、息を呑む。
これは、オオクワっぽいなぁ・・・・・・うん、これ、オオクワかもしれないなあ。頭幅をねぇ、ノギスで測るの、ノギスで。ノギスで測って、2mm後半だったら間違いなくオオクワだよ
これで、私たちは、ますます意気揚々となった。が、目測では2mmくらいだねえ、と二人。が、ともかく昼にすることにし、里へ、車をゆっくりと発進させた。
空は、気持ちよく晴れ渡り、暖かい陽光が、辺りを照らしていた。

--- あとがき ---

昼食の後、おっちゃんたちが削っていた近くで、別の大な倒木を見つけ、木下部にあたるところからコクワ幼虫2頭採集。もっと削れば幼虫(コクワだけかもしれませんが)は出てきそうでしたが、暗くなりかけていましたし、疲労のため集中力がなくなっていたので、そこで終了。

今回の採集場所で会ったおっちゃんは、たいへん愛嬌のある、珍なる人でした。去年の夏(99年)も、樹液でオオクワを何頭も採集しているといった強者です。採集地での、こういった人と会うのはいいものです。実物のおっちゃんはもっともっと面白いのですが、ちょっと私のつたない文では表現しきれないため、文中では最小限に留めました。

帰りは順調に来すぎて、なんと八王子で高速を降りる予定だったのですが、そのまま都内まで来てしまいました。(^^;) で、急遽予定を変更し、HOTさんをご自宅に。それにしても、HOTさんのお陰で、たいへん実り多い採集となりました。また、その端倪すべからぬ洞察力には、ただただ感服するばかりでした。私も、少しでも見習わなくては、と感じたことです。

採集した今回の初齢幼虫は、頭幅:3mm、体長:約13mm という計測結果でした。この頭幅と、採集した立ち枯れの場所から、オオクワ幼虫あると鑑定します。この幼虫は、帰宅後、HOTさん・私ともにすぐに菌糸瓶へ入れました。成長が楽しみです。

採集日: 1999年12月11日
採集結果: オオクワ初齢幼虫3頭、コクワ幼虫2頭。おまけで、韮崎産立ち枯れ産卵木用ブロック2個
忘れ物: HOTさんデジカメ、カワラ桜産卵木


この採集記は99年12月20日にクワ道さんのホームページに投稿したものを加筆修正したものです。

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