くわ馬鹿必須アイテム〜ガーバー製手斧〜

***鬼に金棒、クワ馬鹿にGerber***


くわ馬鹿が採集に行くとき、いったいどのような装備が必要になるだろうか?
ヒラタやノコギリ、ミヤマなどの根食い系のクワガタ採集には手鍬やシャベルが必要だろう。
小型種には小型のナイフや斧、ツヤハダなどの強固な材系では、斧は役に立たないのでツルハシやバチクワが有効である。
一方、多くの人がもっとも興味を持っているであろうオオクワに代表される立ち枯れ食い系のクワガタ採集には鉈や斧が必要となる。
このように、採集のスタイルによって必要なアイテムは当然異なるが、ここで紹介するのは材割りに幅広い効力をもつ「手斧」についてである。

 和製の手斧はホームセンターなどで容易に手に入るが、木製の柄に鋼鉄製の刃のついたものが主流である。
頭部は柄にくさびで固定されている。
したがって、使っているうちにゆるんでくることもしばしば、くさびを飛ばしてしまうこともある。
全体的に重たい斧が多い。
値段はモノによって多少の差はあるが、安価なものは3000円〜、高級品は10000円〜であろう。
切れ味はあまり良くないのと、すぐに切れ味が落ちる。
重さもあいまって、そのまま振り下ろすと削るというよりは潰すという印象は否めない。
頭部が重たいせいか、バランスも悪い。
私も2年以上、2本の和製斧を使ってきたが、ちまちま鉛筆削りのように行う小型種採集においても、家に帰ると結構腕が疲れたものである。

 しかし、ガーバー製の斧と出会ってからというもの、
ガーバー無しで材割りするなど考えられない!
(ちょっと大げさかも)
以下ではガーバーの使用体験をもとに3種の斧を紹介したい。

 

 
 
ガーバー製斧について

ガーバー製斧は大きい順に
1)CAMP AXE(右)
2)SPORT AXE(中)
3)BACK PAXE(左)
という3種類がある。

私はCAMP AXEとBACK PAXEの2本を所有している。
 

CAMP AXE
(全長445mm、刃長80mm、重量1043g)
大型の倒木や立ち枯れにはじまり、ルリクワ・マダラなどの小型種、硬質材のツヤハダなど、もっとも幅広い使い方のできる斧であると思われる。
しかし、この斧がもっとも力を発揮するのは堅い立ち枯れをアタックしなければならない、オオクワガタの材採集であろう。
和製斧は柄が木製なので、ねじれの力を加えるとおれてしまうことが多いようである。
力を加減すればいいじゃないかとおもうかもしれないが、実際オオクワガタの材割りで、ちまちま切削していたのでは埒があかない。
その点、ガーバーの斧の柄はPolymidTM複合素材のインジェクション成形によって作製されており、相当な強度がある。
中は中空なため非常に軽くなっているが、まず柄が折れるということはないだろう。
そして、頭部はスウェーデン鋼鍛造で、柄に圧着されているため、和製斧のように使っているときに頭部がふっとんでいく(あるいは来る)という危険性は全くない。
非常に安全で安定した斧であると思う。
柄を長くもてば大きく割るのに使えるし、頭部の根本を持てばナイフのように鉛筆削りだってできる。
私はやったことはないのだが、根堀り採集の場合にも
 a.地上20cmぐらいのところで朽木を切り倒す
 b.掘り進んだ後、横に出た大きい根を切断する
 c.掘り出した根塊の表面から薄く削いでいって虫を探す
のように1本の斧を多様に使い分けて効率良い採集ができるようである。

また、次のような利点がある。
1)ホルダーが付いていて、ベルトに固定できる。
2)柄の色からして、斧に見えないので、移動中とかも怪しまれにくい。
3)刃の部分はコーティングしてあるので錆びにくい。

一方、次のような問題点もある。
1)小型種採集にも使えることは使えるのだが、柄の長さが問題になる。
柄の長さに比例してパワーをコントロールできる(野球のバットとおなじだね)、バントをするような小型種採集では、柄が服にひっかかったり、地面近くや樹木の間などでは邪魔になることが多い。
2)鋼そのものの強度はそんなに高くない。柔らかいと感じることもある。
そのため、研ぎ直すことは容易であるが、石などに当てると当然刃が欠ける。
もっとも、刃欠けの問題はすべての斧にあてはまる。

以上のことを総合的に判断して、CAMP AXEは
現時点でもっとも優れた汎用の斧である
と思われる。
 

SPORT AXE
(全長352mm、刃長70mm、重量680g)
これはCAMP AXEの一回り小型版である。
柄も、刃も一回り小さい
重量はさらに軽くなっているが、その分破壊力も小さい。
当然であるが価格も安くなっている。
私は所有していないのでコメントできないが、使用しているひとから聞いた話では、バランスもCAMP AXEほどよくないらしい。
しかし、それはあくまでCAMP AXEとの比較ということであり、SPORT AXEは和製斧に比べれば優れた斧である。
大小2本買うのがイヤな人はこれ1本でいろんな場面に対処できるだろう。
BACK PAXE
(全長225mm、刃長70mm、重量496g)
これは昨年末にリュージョン氏による第二回受注により入手した、到着ホヤホヤのものである。
積雪のため、小型種採集には行っていないのでまだ使っていないが、わたしの手にしっくりとなじむ逸品である。
柄の長さから想像できるように、パワーはないものの、小型種採集にはもっとも効果を発揮すると思われる。
今季の小型種採集ではおそらく相当の成果をあげてくれることだろう。
小型種愛好家には是非ともおすすめしたい逸品である。
サンプル画像
メンテナンス
この斧の手入れであるが、私は使用後水洗いで泥、土を取り除き、刃が欠けていたり、切れ味が悪いときは研ぎ直している。
中砥石と仕上げ砥石で十分だろう。
刃厚は薄く研いだ方が切れ味はあがるが耐久性が落ちるので気を付けた方が良いだろう。
ナイフとは異なり、シャープナーを持ち歩く必要はない。
入手
様々な入手手段がある。
1)輸入ナイフショップなどの店舗のある地域に住んでいるひとはお店で実際に見て購入できるだろう。
2)以下の通販ショップはネットサーチすれば幾らでも見つかると思うので自分で気に入ったところで購入することをおすすめする。
以下のリンクなどがある。
ちなみに、私はCAMP AXEをマルキンから購入した。
http://www.path.ne.jp/marukin/html/factory/gerber2.html
http://www.saitama-j.or.jp/~popman/gerber.html
3)個人輸入。
ちなみに、リュージョン氏による個人輸入の実績は海上運賃・輸入消費税オールイン価格で
CAMP AXE \5,202 
SPORT AXE \4,812 
BACK PAXE \3,901
であった。

以下は、リュージョン氏による個人輸入に関する1ポイントアドバイスだ。
 

ガーバーのcampは国内定価\10,000、会員価格で\8,000なので、消費税込み送料ヌキで\8,400なのです。
高いっす。
オレゴン州のGERBER SHOPだと$44.49、テネシー州のSMOKY MOUNTAIN KNIFE WORKSだと$39.99です。(本体価格のみ)
結果から言うと、集団で注文すれば、本体価格とすべての費用込みで\5,000〜\6,000で手に入ります。
安いっす!

さて、個人輸入というと堅苦しいですが、いわゆる通信販売です。
カタログやインターネットを見てオーダーするのです。
決済方法は原則としてクレジットカードです。
現金書留は海外には通用しませんし、電信振込も後払いになるのでまず受け付けてもらえません。
VISAやMASTER CARDのマークがあれば使えますよ。

問題は注文時にカードの番号を相手に知らせるわけで、番号だけで買い物ができるお国柄ゆえ危険なのです。
インターネット通販でも番号入力後画面の指示に従ってセキュリティーをセットするのですが、大丈夫かいなという感じです。

次の為替リスクですが、注文を決断した時のレートと実際の決済レートとの差がリスクとなります、たとえば送料込$1,000の注文について、当初\105で行けるつもりが\112で決済することになると、\7,000の損、\100で決済できれば\5,000の得となります。
決済レートはカード会社の決済日のレートで決まります。
決済日は使用者側でコントロールできませんので利用明細が来るまで円安局面だとちょっと心配ですね。

さて、値段のキーポイントは送料です。
グループ注文の割り勘の出番。
重量を20kgに押さえかつ1個口にするには15〜18本ぐらいが限度。
一方注文数量が少ないと1本あたりの送料がかさんでせっかくの本体代金の安さが吹っ飛んでしまいます。
上記の数量だと航空便で$180ぐらい、船便で$90ぐらいです。但し、航空便は数日で着く一方、船は1〜2ヶ月かかります。

日本での通関ですが、斧は輸入関税の対象ではありませんので関税は掛からないのですが、消費税5%が課税され、宅急便のおじさんに到着時に玄関で払うことになります。

もちろん、在庫の確認などを業者の担当者と打ち合わせしておけば万全です。
ま、黙ってても「どーして個人がそんなに斧買うの?」
と聞いてきますから、その時はクワの話をしてやるんですよ(^o^)

さあ、個人輸入してみる気になりましたか?

勘違いしないように!
ガーバー持てばオオクワ採れるという気分、雰囲気。
これってあります。
名人が使ってる、プロが太鼓判、そりゃー信頼できる道具に違いない。
でもガーバーの斧を使うこと採れるということにはほとんど関係ない。
結局は、採集の効率を上げるにすぎない。
0に何を掛けても0にすぎないのである。
しかし、1〜2の人は10になることもあるでしょう。
分かっていながら採れそうな気分に浸りたい、みんなと同じ物を持ちたい、そういう子供の夢みたいな動機でおっさんが集団購入してるんでしょうな。
ガーバー雑感
*近畿支部長
   鉈より斧。斧はGerber。ノコギリはアルス。
*大石
   鉈でちまちま削っている人を見ると、これを教えたくなっちゃう。
*涼の父
   スポーツは家のなかで使うにはええんや。でも、外で使うと力が要る。
   採集はCAMPの方が楽や。
*つーさん
   研げば研ぐほど切れなくなっちゃってね。←慣れてない(^o^)
*てらぼん
   子供の七五三にGerberもってったのは僕ぐらいのもんでしょ。
*リュージョン実父
   女が一度はお菓子作りにハマルように、男は一度は刃物にハマル。
   ワシもそうだった。
   おまえは今がそうなんだろう。怪我せんように気いつけろ。
*私(えりー)
   ジェイソンもGerberにすれば良かったのに・・・(ネタが一寸古い)。
以上、敬称略。
注意点
以上、ガーバー製斧を紹介したが、注意してもらいたい事がある。
斧は個人輸入に際して銃刀法の適用を受けない(刃長が短いから)。
これは警視庁の銃器対策課に電話して確認済みである。
しかし、その所持に関しては適用を受ける。
すなわち、無目的に刃物である斧を所有することは禁じられている。
車に積みっぱなしというのも違法である。
したがって、採集から帰ったら自宅にきちんと保管する必要がある。
帰る途中にどこかに立ち寄ったりしてはいけないんだそうだ。
したがって、職質されて見つかった場合罰せられるおそれがあるので気を付けていただきたい。
また、どんな斧でもそうだが、使い方によっては人をあやめる道具となるし、怪我をする可能性もある。
その使用に関しては各人常に注意を払うべきである。
お互い、楽しく安全な採集を心がけましょう。