アンタエウス Dorcus antaeus Hope 【1】

A.CHIBA
アンタウスオオクワガタ Dorcus antaeus Hope は、相変わらずの人気で最近は以前に知られていな かった産地のものも入ってきているようだ。はたしてアンタエウスは産地によりどの程度の変異があるのか、 またはそれほどは無いのか、写真では細部や体の艶等微妙な処まで正確に伝える事は難しく限界が有るが、 各地産のアンタエウスの写真を載せてみた。今回記録のある全ての産地ではないが更に別の産地も この先追加予定。(標本写真は全て採集されたもの)




fig-1

(左)ラオス・シェンクワン産71mm 1997/6
(中)中国広西壮族自治区大瑶山産73mm 1997/5
(右)ベトナム・カオバン産73mm 1998/8

ほぼ同サイズの3産地。 中国広西省産はまだあまり多くは採集されていないようで、頭部は良く発達しオオ顎は他の産地に 比べて強く湾曲し体の点刻は粗い(艶がない)。ただし、まだ2♂を見たのみでこの産地においてどの程度の個体差 (カタチ及び最大サイズ)が有るのかは不明。
写真の一番右ベトナム・カオバン産はマレー半島産にも少し似ている。




fig-2

(左)タイランド・ドイインタノン産57mm 1986/9
(右)ベトナム・カオバン産57mm 1998/9

小型の2産地を並べてみた。ベトナム・カオバン産とタイ産の同サイズ。




fig-3

(左)マレーシア(マレー半島カメロンハイランズ)産72mm 1997/8
(中)マレーシア(マレー半島IPOH)産71mm 1986/7
(右)マレーシア(マレー半島IPOH)産70mm 1987/7

マレー半島産でほぼ同ザイズの3頭、歯型にも結構個体差が有る。この産地は 75mmも有れば大きい方で、80mmに達するものは見た事が無く多分そこまで大きくは成らない。




fig-4

(左)タイランド・チェンマイ近郊産75mm 1989/7
(中)タイランド・ウィアンパパウ産82mm 1997/6
(右)タイランド・チェンマイ近郊産79mm 1987/8

タイ産のアンタエウス3頭。左の個体は fig3 右のマレー半島産にも似ている、実物で見比べる とこちらの方(タイ産)が体にいくらか艶が有るが微妙。更にサイズの小さいもの同士では 区別は困難になる。




fig-5

北インド・ダージリンラベル 84mm 1993/6

ここのものは他の産地との区別は容易で、オオ顎の湾曲は緩く大型個体でも 体には艶がある。写真のものよりも更に内歯が長く前方に向く型が人気のよう。




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