元祖!電動2CVに会いに行く

1998.8.18


 7月、フランスのシトロエン専門誌"CITROPOLIS"で1959年に製作された元祖、電動2CVが発見されたとのニュースを知りました。この車は「スエズ動乱」による石油不足をきっかけに当時シトロエン社のオーナーであったミシュラン一族と関係の深いフランス・ボルドー近郊在住の素封家、レイモン・ルノアール氏が改造し、自家用の水力発電所!の電力で充電して使っていたものです。氏はシトロエン社に量産を働きかけたものの実現せず、長く続くかにみえた石油危機はすぐに去り、電圧が36Vと低く、スピードの出ない電動2CVは納屋の奥に仕舞い込まれたままになりました。
 40年前の2EVは我々の車とそっくりです。驚いた我々は早速雑誌の編集者を通じて今年90歳になるルノアール氏を紹介してもらい、8月に予定していたシトロエン世界ミーティングへの参加のための渡欧の日程を変更し、2EV-Uを持ってルノアール氏を訪問することにしました。1998年8月18日、トレーラーを牽引してフランスの田舎道をドライブしてルノアール氏の広大な屋敷に到着するとルノアール氏以下一族を上げて大歓迎を受けました。普段の足に息子さんから贈られたというシトロエンAXのEVを使い、今でもシトロエンのスポーツ・クーペで200km/hのスピードを出すという元気なルノアール氏はこの日2EV-Uを運転して、終始ご機嫌でした。

2EV-Uと元祖2EV

2EV-U(左)と元祖2EV(右)

元祖2EVとルノアール氏

元祖2EVとルノアール氏(右)