ぼくは今、このノートを書こうとしている。
 ぼくは読書中に思いついたことを書き留める為にいつもノートは持ち歩いている。パソコンだモバイルだとか言って書く為の必需品のように世間は言っているが、それはIT需要を喚起させたいが為の謀略だと思っている。
 ノートは電池切などの心配がないから精神的な負担感がないし、メンテナンスの必要もない。一番、シンプルで重宝している。
 ぼくは、先程まで地元を活動拠点にしている文芸同人誌を読んでいた。今まで読んでいた同人誌とは別の同人誌にぼくは加入していた。その読んでいた同人誌は比較的若い女性達が運営していた。助平根性もあってその合評会に出てみたかったので無理をして読んでいた。
 合評会で作品の感想を述べる時の為に記録しておこうと思う。ノートに今しがた読んだ感想を書こうとしている。稚拙な内容の小説が殆で読むには克己心が必要だと思っていた。余程の気力がないと家にいて読めないと思い図書館まで来ていた。
 このノートをはたして読む者はいるのだろうか。独白に近い形で、自分しか読まないノートであるが感想を書こうと思っている。別に誰が読むのでもないから、自分のメモ代わりに思いついたことを書こう。少し文章が長くなるようならば日記のような内容でその時々の心情を書こう。
 ノートを書くにあたって電卓タイプの辞書は持っている。分からない漢字は平仮名やカタカナで書いても支障はないけれど、時々単語の表記の仕方が正しいのか確かめるために、時々電卓タイプの辞書を取り出すのだ。辞書は文学的表現を志そうとする者の最低の所持品かもしれない。電卓タイプの辞書は嵩張らないから、ノートと同じく携帯に便利だからだ。
 休日の午後、微睡んでこようとする時間帯だ。頭の重量が重く感じられる。つまらない授業を受けているのではないのだ。任意で図書館に来ている社会人なのだ。眠かったら寝ていいのだ。
 疲れた時は短時間の仮眠を取った方が生産性が上がるというデータがある。図書館の閉館時間まではたっぷり時間があるのだし、顔をテーブルに押しつけるようにうつ伏せ、仮眠していいのだ。鼾を立てない限りは誰にも迷惑が掛からないだろう。他人が見ていても咎められる筋合いはない。
 頭がボーツとしていたが何とか目覚めている。時々、活字から目を離して窓の外の風景を眺め、目の疲労を和らげている。同人誌に載っている作品を誤解していたかもしれない。レベルの低い小説類ばかりだと思っていた。先程まで読んでいた同人誌の作品の中に、おやっと思う小説に遭遇した。
 その小説の粗筋はこうだ。
 妻に先立たれた子供を持たない主人公が甥の結婚式に出席し、偶然、戦争時に疎開していた幼なじみの女性を見つけた。主人公が中年になろうとしていた昔、その彼女と飛騨古川での運命的な再会があり、後日、三寺まいりに誘われ彼女を抱いた。それから彼女の消息は断ったままだった。
 結婚式場で見かけたことから、もしかしてと思い、電話帳で調べて年賀状を出してみたが同姓同名の相手で失望していた。しばらくして届けられた更新後の電話帳で調べ直し、同じ式場で隣の組だった名字の記憶を頼りに新しく載っている人にカマをかけ電話をしてみた。
 彼女の息子であることが確認できた。甥の結婚式で偶然見た女性は彼女の妹だった。彼女は交通事故ですでに亡くなっていて、彼女の妹が彼女の息子の後見人だった。彼女は未婚の母であったらしい。そこでひょっとすると彼女の息子が自分の子供ではないのかという疑惑が出てきた。
 なかなか手のこんだ筋立てで面白いと思った。子供が出来なかった男がひょっとしたらと疑念を持つことになる。誰でもがあり得るかもしれないシチュエーションと筋立てに感心した。
 相手に妻がいることで迷惑を掛けたくないと一度の情交の後、消息不明になった生真面目な女性の性格を上手く表していた。どうして突然行方をくらましたのか、動機が現実的にあり得ることだった。架空かもしれないが、どこにでもあり得るようなリアルさがあった。
 そんな内容ならぼくにも書けないかと思った。ぼくは、生涯学習として新聞社が主催している文筆講座を受講している。講師から自由な創作文章を課題として与えられた。
 講師はこう言っていた。誰でもモチーフさえ持てばどんな文章でも書ける。自分の体験談でいいから読者に伝えたい努力をすることだ。
 その講師は続けた。「うそ偽りのない」と自分が思い込んで書いた文章は、私小説や心境小説のジャンルに入るかもしれない。その中の表現で、自分の思っていることを正直に話すということ、あるいは自分の気持ちを分かってもらいたいと思うことだけが文章に求められる総てでないと言った。
 自分が思っているということ、信じているというそのことは、意識の事実として疑いのないことで、それをそのまま正直に語ることに「うそ偽り」のないことも事実である。しかし、そこに信じられ、考えられていることが間違って大うそであることが多い。
 だから、真実である保証はどこにもない。真実であると思ってはいるが無意識領域で自分の都合のいい方に解釈され歪曲される。それと書き手の技量不足からリアルに表現することも難しい。書けるものなら書いてみなさい、自分を思い知るからと。だから、体験したことを書いても何らノンフィクションではないと言った
 それとこうも言った。一つの作品を百人が読むと百の批評が出る。一人一人の考えが違うように総ての人の意見は違う。批評すると言うことは自分を語ることでもある。だから、人の作品を読んで批評しなさい。批評する場所がないなら批評文を書きなさい。批評文と言うと高尚な言い方だと思うなら、感想文を書きなさいと言った。
 ここまで書いているノートの直前部分まで、感想文として書いていた。感想ノートから創作ノートに昇格させてみる手だてはないかと思った。誰も読み手はいないが、とにかく、頭の中にある形のない幻想を文章化してみたいと思った。
 ここからは感想ノートから創作ノートにしよう。
 一行空けて、

 「創作ノート」と書いた。
 これはノートに書き残そうとしているぼくである男についての記録である。
 ぼくは今、目の前のノートを開き、書き始めようとしている。
 今のところ、ノートに書こうとしている男はぼく自身である。ノートに書こうとしているぼくが、ノートに、ぼくである男の記録をつけようとしている。
 ぼくは高齢に近づいているが子供がいない。子供を持ちたいとも思わないし、夢は自分自身に掛けている。子孫などに頼ることはないと昔は思っていた。
 しかし、自分の能力に限界を感じた。子供に未来を託したい気持ちは分からないでもない。
 ここで子供がほしいという自分の願望が現れ、シチュエーションの動機付けは出来た。
 これは、習作だし、読み手は自分自身だ。日記の延長だけでは自分を客観的に書けない。「ぼく」の部分を「男」にしてみよう。
 ここからはある男の話である。
 一昔前、「ソープランド」とは言わず、「トルコ風呂」と言っていた。その「トルコ風呂」と言っていた頃にせっせと男は通っていた。人生八〇年として、男の人生の前半半分が終わろうとしている頃だ。その頃、その店を偶然見つけ、馴染みとするトルコ嬢がいた。入店料とトルコ嬢に渡す現金のトータルが安かったので月に一度か二度程通っていた。
 なぜ、その子しか指名しないようになったのか良く分からなかった。素人っぽくセックスそのものを楽しんでいる感じがした。彼女と最初に会った店の時間帯が早かったか遅かったか覚えがなかった。男にとって最初の出会いの記憶が定かでなかった。
 帰りにゲームセンターに行かないかと誘われた。結局、誘いに乗らなかったが、その時はどうして客にそんな風に誘うのかその子の精神構造が分からなかった。彼女がぼくを同類と見たのだろうか。
 時間が遅くなると温泉客を引き入れ、早い時間帯では高速道路を利用して近隣からやって来る常連客相手が客層のトルコ風呂だった。安価で良心的な料金体系だった。男は何回目かに何を思ったか自分の勤め先の名刺を渡した。どうして自分の名刺を渡す気分になったのかは分からない。
 普通、その手の風俗関係の女には自分の所在を明かさないものだ。景気の良かった頃は高級店では領収書を発行してくれたらしい。何とか興業、あるいは観光と書いてあって一見、何の領収書か分からない。それでも、会社の経費で落とせたらしい。
 でも、そこの店は高級店でなかった。クレジットカードは勿論通用する筈もなし、自分の氏名を明かそうとする者はいなかった。でも、彼女には怪しいものでないことを分からせたかった。ただ、それだけの理由から男は自分の名刺を渡したのだった。
 彼女の言動からヤンキーだと言うのが分かった。中学生の頃から暴走族のバイクの後ろに乗せられて足代の代わりとして肉体を提供しているような女の子だった。特別、美人でもない。かと言って、均整が乱れている顔だちでなかった。トルコ風呂に勤めてからは生活リズムが乱れなくなっていたみたいだった。ぼくが仕事仲間と良く行ったスナックのママを若くしたような感じだった。
 ある車を知り合いから借りて乗っていた時の話しを彼女から聞いた。リアウィングを付けたり車高を低く改造してあった。若者ならそれ位の改造はごく普通で、特別の車でないらしかった。その車を借りてある日コンビニに乗り付けた時のことだった。
 その改造した車種とかが若者連中に知れ渡っていたのかもしれない。どうしてかわからないけどどこのコンビニでもその車を停めると、今までそこのコンビニ周辺にいた車がパッといなくなると言っていた。
 彼女の乳房の下には瘤のようなものがあった。ポリープか何かで悪性のものではなかった。病院で見てもらったらしいが、いつでも摘出できるらしかった。前戯で乳首を口に含んでいる時に、その瘤の部分が顔に触れるとあまりいい気持ちのものでなかった。
 彼女と馴染みになったのはトルコ嬢なのにキスをさせてくれるからだった。安めの店とか高級店とかの区別はなくキスをさせてくれるのはトルコ嬢次第だった。キスをしようとすると顔を背けるのが常であった。最初、試しにキスをしてみて、拒まないかったら名前を覚え、次回から指名した。
 トルコ嬢にキスを要求するべきでないことは分かっていた。キスが出来るとその場の雰囲気が違うのだった。瞬時であっても恋人気分で性行為に入れるのだった。中にはトルコ嬢から進んでキスをしてくる変わったのもいた。でも、そんな子は口臭がきつかった。
 彼女は刹那的な快楽があればいいと言う考え方なのだろうかと男は思った。不特定多数の相手でも何も考えないで快楽を感じるのかとも思った。男は彼女の乳房の下に瘤があったとしても親密感のある彼女の元に通い続けた。
 享楽的な彼女に目的はあるのだろうか。ある時、お金を貯めてどうするのかと、聞いてみた。大型自動車の免許を取って自分で買ったダンプを持ち込み土砂運搬するのがカッコいいと言っていた。それを聞いた以後、すれ違うダンプを若い女性が運転しているのを見ると、元の職業は風俗でなかったかと、彼女らを連想してしまった。
 彼女はある時期、店を長期間休んでいた。男は胸の下のポリープを取り除いた後に静養しているのかと思っていた。手術のことを告白され、男には病院に付き添って欲しいような話ぶりだった。彼女とどうして胸の手術に付き合わなくてはならないのか、簡単な手術にどうして男の付き添いがいるのか分からなかった。
 彼女には家族がないのか、いても片親なのかなと思った。彼女に家族構成を聞いた訳でないし単に空想だけだった。男にとって相手はトルコ嬢だし、単に客でしかなかった。どうしてそんな風に誘われたのか、男は奇異に感じた。
 温泉街の喫茶店で中学生の時補導された刑事に偶然会ったと言っていた。ちゃんとやっているかと問われたそうだ。一応、その時は彼女は自分の職業は言えなかったと思うが、定職についたことには違いないだろう。彼女にとってはちゃんとしていることなのかもしれない。
 その後、彼女は店を替わった。そこも安い店だった。事前にそこに移ると聞いていた。トルコ嬢としての呼び名も一緒だった。彼女を慕って替った先の店に来る別の男らもいたそうだ。
 彼女はスカウトされて店を替わったと言っていた。前の店は酔った温泉客を相手にしなくてはならないし男性器が立たないのは苦労するらしかった。一人当たりのサービス料としての収入は同じでも、時間的には一人一人を相手にする時間が短い分、身体が楽だそうだ。
 彼女は前の店を替る直前にM子と言うのがいるよ、と名前を言った。前の店ではその子が一番いい子だと言っているように感じた。
 男の好みを知り尽くしているような感じだった。それで、次に行った時に試しにその子を指名してみた。彼女は若いし気立てが良かった。ただ、若いのに高級車を乗り回していたし、携帯電話はごく一部の人しか持っていない時期から所有していた。
 M子の携帯番号を聞いた時があった。男が携帯を持ったら教えると言っていた。その時期は携帯の料金が高額で使用者も限られていた。男にとって、頻繁に利用することもないだろうし、その要求を受け入れるのは無理だった。普通の女の子以上に美人で、贅沢をする為にトルコ風呂に勤めているタイプだった。

 今、携帯電話のことで思い出した。ここの部分は欄外としてノートを何ページかを飛ばし、書き込みを行う。携帯電話のことで、ここに記録をしておこうと思う。
 忘れてしまわないようにノートに記録しておくのである。この素材としての記述は後日に役立つかもしれない。携帯電話のメールの記録は何件も溜まると古い順からメモリーが飽和状態になって消滅してしまう。
 ある若い女性とスキー場に行く約束をした。伝言ダイヤルで知り合い、それまでたった一回のセックスしかしていなかった。平日の金曜日、携帯電話の番号は聞いてあったので電話をした。たまたま、ぼくは週末に一人で県外のスキー場に行く予定を立てていた。駄目もとで電話をしてみると、彼女は簡単にオーケーした。彼女はボードでぼくはスキーという組合せだった。
 その日の夜、彼女の携帯電話と何回かメールのやり取りした。そして、「おやすみ」の最後のメールが最後かと思った。しかし、一時間後位にまたメールが入った。時間差を経て三通のメールが次々と入ってきた。
───マミィに今「明日一緒に兄貴のところに行くよ」って言われてしまいました(。・_・。) しかも泊まりらしいです(:_:)
───父とオカン喧嘩したみたいで親父にオカンが「出ていけ」って言われたらしく出ていくそうです…明日って言っていたけど今から兄貴の家に行くみたいです…
───兄貴の家着きました。ごめんなさい。
 引用できそうな携帯内のメール記録はこんな程度だった。翌日、ぼくは一人でスキー場に行った。スキーシーズンが終わりになる三月の月末頃のことだった。
 前日に買ったペアのスキーチケットの片方は無効になるが、仕方のないことだった。そのスキー場は標高の高い場所にあった。雪質はシーズンの終わりでも良い方かなと思い、そのスキー場に行くことに決めていた。
 山岳コースで滑降面の幅は狭いし、平野部はもう春の息吹が感じられるというのに、そのスキー場は吹雪で視界が効かなかった。前日に雨が降ったらしく、新雪の下はアイスバーンの状態だった。その時は、彼女と来なくて良かったと思った。
 昼食の時間には早かった。しかし、外が吹雪だったので休憩を兼ねてそのファーストフードショップ風の軽食店に入った。
 入り口近くの四人掛けのテーブルに、一人で座った。彼女がいたらどうなっていたのだろう。彼女との会話はどうなったのだろう。
 目の前に彼女がいることにする。
「酷い、吹雪だね。君は来なくて良かったよ。ゴンドラで頂上まで行ってみたよ。直ぐに天候が変わったけど、氷点下でも一時的に快晴だった時もあったんだ。山頂からのコースが狭いからアイスバーン状態でボードではコントロールが効かないらしい。だから、朝のうちは危険で巡視員が滑降可能と許可するまでは滑れなかったんだ」
 実際は、その店内に、ぼくと別の男性スキー客が一人いるだけだった。外の吹雪が止むまで、ぼくは小出しに注文を出し、その場に長居をしようとした。
 その店のレイアウトが今の図書館の学習テーブルの位置と似ている。四人掛けの学習テーブルにいて、このノートを書いている。目の前には誰もいないが、彼女がいることにして、「君は東洋人でも中東系の顔立ちをしているね。目が大きく目の周りはアイシャドーを塗ったように黒ずんでいる。どっちかと言うと、かわいいと言うより美人な方なのに、頭の中は淫乱なことを考えているんだ」
「女は見かけじゃないのよ」とぼくは携帯電話を見ながら、ある時期に返信された彼女のメール文の一節を引用して、彼女の語りの部分を書いた。
 彼女はぼくを見ていた。彼女は何を考えているのだろう。自分のことは良く喋る。それなのに、相手のプライバシーを気遣いしているA型タイプなのかぼくのことは殆ど聞かなかった。
 自分は短大生だという事、ボードは信州の方に先輩の車に乗せてもらって何回か行く、自分の両親とか家族構成とか、将来の職業の希望とか、その他、単位を取るのに休日はボランティア活動をしているとか……。
 今、ぼくはただ頭に思いついたことを羅列して書いているだけだ。後で整理することにして、ぼくは書いている。
 彼女から見たぼくがいることにする。彼女はぼくに話し掛けてきた。一部の文章の一節は、メールでぼくに往信した文面を引用し、ぼくに語り掛けることにする。
「ロングメール機能はあるけどチカチカと親指だけ打つのはしんどいのよ。あなたは実際こんな長文のメールがケイタイに入っていると思う?」
 鋭い指摘だった。最初は携帯電話同士のメールのやりとりだった。それが、指使いが楽だしブラインドタッチで打てるPCから彼女の携帯電話宛にメールした。そのうちに彼女の持っているPCからメールが返って来るようになった。
「それとここの部分以降の文章の部分は、パソコンのメールソフトの通信記録を転記しようとしているじゃないの。パソコンの画面を見てノートに転記しようとしているわね」
 事実はそうだ。だが、ここでは携帯電話内のメール記録を見ながらこれを書いていることにしている。
「そんな事実を語ることはないだろう。ここは架空の世界にしようとしているんだ。事実を架空のように、空想を事実のように書くのが、小説の極意なんだ。そんなことを言うと君のメールの内容を暴露するよ」
「いいわよ。どうせ、創りごとだと読者が思うだけだよ……」
「そうか、じゃ、書くことにするよ」
───お返事ありがとね〜★
あたしは妄想癖があるだけで実行にうつせないよ・・・。(笑)昔は本能のままに行動していたからね・・・。セックスがしたくてしたくてたまらなくて・・・・。3日しなかったら4日目は意味も無くパンツがぐっしょりしていておつゆがあふれ出ていたし・・・・。くわえたくてしゃぶりたくて入れられたくて・・・・。(笑)本当盛っていましたよ(:_:)
はははは・・・・・。
あたしも官能小説とか好きだよ★
あたしは痴女とかレズとかレイプ(やらせじゃないやつで泣き叫ぶくらい嫌がる女のやつ)とか好きかな・・・・(笑)されるがままの女は好みじゃないかな・・・。
でも調教するのは好きだよ(−。○ 。−)
実際に自分がするプレイなら「言葉攻め」されるのが好きだよ♪
ローターは大好き♪でもバイブは痛い・・・。いまいち慣れない・・・・。
あとは・・・痴漢されたい願望があるかも・・・(笑)高校の時よく電車の中で痴漢されたけどね・・・(笑)男の人がいきなり後ろから襲ってきてスカートまくってパンツずり下げて後ろからアソコに自分の顔をうずめて激しく「ぴちゃぴちゃ」音をたてながら舐めるの♪(−^○^−)それでよだれでベタベタになったアソコにいきなり自分のモノをバックから挿入〜♪
なぁ〜んてね★
考えるの楽しい★
 と、ここまでの部分をPCのメールソフト内から引用した。彼女からの返信メールの一部だった。彼女は携帯電話から送るメールに絵文字を付けるのが上手かった。一々、同じように似せてノートに書くのが難しいし、絵文字はだいぶ割愛した。PCからも同じように絵文字入りの文章を送ってきた。彼女はさすがに絵文字の取り扱いに長けている現代っ子だと思う。
「あなたはここまでノートに書いていることになっているけど、実際は何日も掛けて、そして校正しながら誤字脱字に気をつけて、やっとここの部分まで書けた筈よ」
 またまた鋭い指摘だった。ここの部分は後で付け足しの状態で、ノートに挿入部分として書いている。
 またノートに戻ろう。そうそう、男の「トルコ風呂」の物語の続きを書かなければと、ノートに目をやり、続きを書いていることになっている。どこまで書いていたけ、そうそう、M子のことを書いている筈だ。

 M子にはキスはし放題だった。それに、中肉中背で無駄肉はなくスタイルの良い方だった。ヤンキーの彼女からM子を紹介してもらった形だった。それからは、M子の方が良くなりヤンキーの方の彼女とは縁遠くなっていた。M子曰く、セックスはそんなに気持ち良くないと言ってた。M子の特異な体験を聞いてみた。高校時代、堕胎手術を受けていた。
 そして半年程たって、M子が休みだった時、男はヤンキーの彼女のいる店に行ってみた。別のトルコ嬢に彼女のことを聞いた。
 「ああ、彼女、素人でこの業界に入って来た子ね。確か最初はAの温泉街で働いていた子ね」と言った。そのことなら男は以前から知っていることだった。
 たまたま、男は近所の壮年団の忘年会でA温泉に行った。宴会からの流れで入ったトルコ風呂店のサービス嬢に聞いて、偶然、その店の存在を知った。そして、その店に何度か通ううちに男は彼女と出会った。彼女も素人のうちの一人だっかもしれない。
 前の店のことだった。女が休みだったので指名なしで待った。男には運良く素人タイプの女の子がついた。花嫁衣装のコスチュームを着ていた。
 個室に入ると先ず風呂に入る。躊躇なく彼女らはパッと素っ裸になった。泡踊りもただ身体を洗う程度だった。ただ、マグロ状態でじっとしているだけだった。男は胸の辺りを申し訳程度触ることも、局部を触れるような状況にもなれなかった。
 前戯も何もなくいきなり挿入するしかなかった。若い相手だったので肉と肉の接触、肌と肌の触れ合いだけで興奮を覚えた。その次に男はその子を指名してみたが、既にその子はいなかった。結局、ほんの一カ月しか在籍しない女の子だったらしい。
 その店には入れ墨をした、玄人受けするタイプの女の子もいた。どうして入れ墨を入れたのかと男は聞いてみた。ほんの出来心だと返答が帰ってきた。
 結局、その店は警察の摘発を受けた。トルコ風呂で売春をしているのは既成の事実だった。売春ごときで警察の摘発を受ける筈がない。
 男は他店に行くしかなかった。その都度、他店のトルコ嬢になぜ摘発を受けたかを聞いた。未成年者を働かせていたからとか、覚醒剤を使ったトルコ嬢がいたからとか、彼女らの話はそれぞれ違っていた。事実は不明だった。何らかの理由でその店は閉店となった。
 その後、その店は改装され新しくなった。店の名前は同じだった。経営者が代わったらしかった。その店のトルコ嬢は質が良くないと思えたのはやや歳を喰って都会から流れてきた女達が殆どだと分かったからだ。改装されたその店に行ってもわくわくすることがなかったので、男はその店に行かなくなった。
 M子がいなくなって男にとって楽しみはなくなったと当時は思った。ある時、温泉街を通過しようとしているとお婆さんに車を止めさせられた。そのお婆さんはポン引き婆さんだった。まだ温泉客相手には早い時間帯だった。それで挙動不審な県外ナンバーの車両を見つけて声を掛けたのかもしれない。
 Mは消息不明になっていた。ひょっとしてどこかで働いているかもしれないと温泉街を徘徊していたのだ。M子はいないと分かっていた。それでも、男はそのお婆さんにM子を言う名前の子はいないかと聞いた。その時、お婆さんはいると言った。そこで男は騙されていることを承知でお婆さんの誘いに乗った。
 お婆さんは車の助手席に乗り込んできた。温泉街からポツンと田んぼの真ん中の雑木林に、民家とも思える怪しげな場所に着いた。お婆さんはそこから女の子を運んで来た車でまた温泉街に戻ったのだろう。
 それでも、料金の割りには良心的だった。M子は来る筈が無かった。交替で二人の女を相手出来ると言うのは事実だった。北陸の温泉街では普通のサービスらしかった。温泉街だから銭湯も温泉だろう。その温泉にいつも入っているのか女達の肌は艶がありすべすべとしていた。二人目も特別年増でなく特別醜くもなかった。寡黙な女達で話をする必要がなくただ性行為だけに没頭した。部屋が暗いからか、彼女達の顔を詳細に観察できなかった。彼女達にはやや影を感じた。どこかの主婦がアルバイトでやっているかもしれなかった。
 男がプータローだった彼女と話をしていて素人で地元の温泉街のトルコ嬢となって支障がないかと問うた。例えば顔見知りの近所の人が来ないかと問うた。前の店の経営者であるママが大体の客は把握していて地元の男達が来ると彼女を外すと言っていた。
 M子が休みだったので彼女がいるその店に行ってみた。プータローの彼女も休みだった。仕方がないので別のトルコ嬢と相手をすることになった。プータローだった彼女をいつも指名していると伝えた。
 彼女はその店を辞めていると聞いた。彼女はお金が結構貯まったらしいかなと聞いた。「ああ、あの子、そんな子でないよ。そんなに貯める訳がないって、あの子は競艇に行くのを楽しみにしているような子だよ」と言った。だから小金も溜まる筈がないだろうと言っていた。彼女への妬みから歪曲した真相を伝えたのかもしれない。事実は分からない。
 そのトルコ嬢からこんなことも聞いた。彼女に子供がいたことだった。真相は分からないが後で考えると気になった。今は店を辞めて所在は不明だと言っていた。彼女は未婚の母なのだそうだ。子供を育てていながらソープで働いていたらしい。男はえっと疑った。
 半年以上休んでいたのは胸の下のポリープを切り取る為だけだったのではないのか。瘤状のポリープは一時はなくなっていた。手術で取り除いた後だった。手術の跡形もなかった。薬でも摘出できるらしかった。彼女はエイズが日本に上陸する前からピルを服用していた。トルコ風呂と言っていた頃はエイズの蔓延もなかった。安価な店でもコンドームはしないで本番をした。
 ピルの慢性的な使用による副作用だったのか身体の胸の下の同じ場所に瘤をこしらえていた。
 それより、プータローだった彼女が子供を作ったのはなぜなのだろう。
 そのプータローだった彼女が前の店で働いていたあの頃、男は異常な性体験をした。卵子に精子が到着しようとし、この世に生命が生まれるかもしれない瞬間、特別な状況がかもしだされるのかもしれないのだ。その時もそれまでと同じようにコンドームなしのセックスだった。その頃はゴムなしで本番をするのが普通だった。
 後先にそんな気の入ったセックスはなかった。男は若い頃から淡白で精力が乏しかった。射精は一回で充分だった。それなのに、その時の性行為は異常に持続した。新しい生命を生み出す儀式のような、研ぎ澄まされたセックスだった。
 一度射精してた後もキスをし続けた。しばらくすると萎んだペニスが彼女の膣内でまた膨張してきたのだ。
 彼女の精神状態はどうなっているのだろう。胸の下のポリープ、悪性でないかもしれないがその瘤を触って死を意識しなかったのか。もし、死を予感していたら刹那的な快楽を求めてどこが悪いだろう。刹那的になる感情は分かる。その時も快楽を求めているだけだと思っていた。
 その後しばらく経った時期に彼女から病院に一緒に行って欲しいと暗に言われたのだった。男は彼女が胸のポリープの摘出手術に付き添うのかと思っていた。
 その頃、男はジョギングが高じて長距離も短距離走も走れる中距離ランナーで各市民マラソンに出場していた。男は名刺を渡せる位の職業を持っていた。昔だったら身分の高くある程度も学力も必要な職業だった。男は一度トルコ風呂の待合室で文学書を読んでいた。その分厚い文学本をトルコ風呂の個室まで持ち込んでいた。その本を彼女は訝しげに見ていた。
 彼女は精力は弱いが体力には自信がありそうな男であることは知っていた。身体つきを見れば一目瞭然だったろう。彼女から見ると男は文武両道タイプに思えただろう。それに男は彼女の周辺にいる粋がってばかりで集団でしか行動できないような粗野な連中と違っていた。
 たぶん、男が懸念するようなことはないのだろう。彼女が長期に休暇を取っていた後も男に接する態度は単にお客との間でしかなかった。彼女を慕って通っている連中も他にいた。彼女にとっては単に馴染み客でしかなかった。
 男は本名を明かしたかもしれないが、彼女の本名は聞いていなかった。前の店と新しい店と呼び名は一緒だった。男と女のどちらでも通用するRと言うの呼び方だった。
 ひょっとして付き合っていたのは憧れの暴走族のリーダーだったかもしれない。コンビニに乗り付けると、若者たちが雲の子を散らして逃げ出すような車の持ち主が、彼女の子供の父親かもしれないのだ。
 そしてM子の元に通うようになって半年が経過した。そしてその間にヤンキーだった彼女はトルコ店を辞めた。どんな理由からか知らないがM子がいた店は摘発を受けた。M子もヤンキーだった彼女もいなくなった。
 その時には現実から快楽が無くなったと思った。男は酒もたばこもギャンブルもやらなかった。唯一の癒しの対象がなくなった。そのときは世の中から快楽の対象がなくなったと思った。                        あれからは年月が掛かったが、男には元のような快楽が得られるようになった。玄人でなく素人相手の遊びが多くなった。電話のツーショットや伝言ダイヤルが出現した。援助交際とは最近出てきた呼び方だった。割り切った付き合いとは売春を意味していた。
 中には金を求めない女もいて暫く続いたこともあった。しかし、男の優柔不断な性格と相手に合わせないマイペースを嫌い女は去っていった。男は寂しさを倍に感じた。単に金だけの関係の方が後腐れなくスッキリした。
 たぶん、男が懸念している様なことはないと思う。あれから大分年月が経過した。子供は大きくなっているだろうか。彼女は何をしているのだろう。彼女の計画性のない性格から飲み屋を経営し、仕切ることはないだろう。若くはなくなっているし、飲み屋の従業員としても働けなくなっているだろう。大型二種の免許を取得し、ダンプの運転手をしているのだろうか。男は想像した。
 子供を育てるとなると生活力がいる。別に職業を持ち副業として温泉街の外れにある怪しげな建物内で夜の客の相手をしているかもしれない。
 何年か前、男が勤務する街の中心地にある歓楽街に出た。彼女に似たママが経営していたスナックは既に閉店していた。男は転勤になっていてその歓楽街に行く機会がなかった。たまたま知人の家に寄った時一緒に飲みに出かける機会があった。
 スナックの看板の名前が変わっているので気づいた。飲む事が好きでしょっちゅう歓楽街に繰り出している同僚に聞くとその店の名が変わったのはだいぶ前だそうだ。スナックのママの消息は分からなかった。彼女は病気持ちだったのかもしれない。従業員しかいない時も時々あった。その店の記憶は特に残っていない。長年、深夜労働ばかりしていたツケがきたのだろうか。真偽は分からない。
 不況が深刻になる前に歓楽街の中心地ビル内のスナックの営業権を譲渡したことになる。今、考えるとかえって良かったのかもしれない。そこのママもどうしたのだろ。男が顔を出していた頃、十代後半の大きくなった息子がいて母一人で生活を支えていた。今頃は子供が成人し一人立ちしているだろう。
 後の店に勤めてからプータローだったRは乳房の下の瘤があまり目立たなくなっていた。その頃からエイズ感染を心配し、コンドーム着用を義務化されるようになったからだろうか。ソープに勤めていた頃、近所で行われるビーチバレーとか地元の催し物に参加してはどこか身体をひねったとか言っていた。
 普通の生活を送っているのだろうか。ダンプの運転をして女手一つで子供を育てているのだろうか。彼女は相当な歳を取っているだろう。男が知っているスナックのママは歳の割に若く明るかった。いつも冗談を飛ばしていた。時にやかましいと感じる位だった。
 男は自分から飲みに行くのではなく職場の連中が行くから付いていく程度だった。そこのママと、そのプータローだったトルコ嬢のRと言う名の彼女とダブって見えていた。
 男の一昔前の思い出話だ。

 図書館の終了を知らせるチャイムが聞こえた。今、ここで、シャープペンシルを動かす手を止めようかと思いながら、この部分を書いている。
 これはノートに書き残そうとしているぼくである男についての記録である。
 ぼくは今、目の前のノートを閉じようと思っている。
 今のところ、ノートに書いている男はぼく自身である。ノートに書いているぼくが、ノートに、ぼくである男の記録をつけていた。
 ……
 ……
 今しがた読み返して、図書館に来て最初に読んだ、女性が作者である、同人誌の中の小説の方が上だと思う。
 と、そうノートに書いている。