スイッチを切ればいいのだ

スイッチを切ればいいのだ

スイッチを切れば 何も入ってこない

煩わしいことは 何も起こらない

苛立つこともない

スイッチを切ればいいのだ

今までそうしてきた これからも そうする

さらに その意識を強く持つのだ

テレビジョンの画面 パソコンのディスプレィ 開いた本

目の前の総てから 解き放されるのだ

意識を遮断するのだ

新聞を過信するな 本を鵜呑みにするな 情報過多な世の中で 意識を遮断するのだ

外界から意識のスイッチを切るのだ

意識は電流の流れだ

目から脳へ 耳から脳へ 脳の意識へ 電流が流れる イメージが創られる

意識を遮断するのだ

意識のスイッチを切るのだ

自分で意識せず 自分の意識を持とうとしている

こうありたい 自分の努力した対象から対価を求め 報われたいと思っている

脳自体が 自己DNAを優先して生き延ばそうとしている

イメージを無造作に創り上げる エゴと言う原始脳に支配されていく

理屈で述べられないないものに 好むと好まないにかかわらず 支配されていく

スイッチを切っても 支配されていく

それでも スイッチを切るのだ スイッチを切り続けるのだ

今までそうしてきた これからも そうする

(「渤海」33号に掲載)