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一線を越える
人に言わせれば、こうして宝塚に関するホームページなんか作っていることからして、すでに一線を越えているそうだ。
そうかもね。
「出待ち」も明らかに越えている。
いや、私だっていつもしているわけではないですよ。夜の公演のあとなんて、そのあと1時間以上も待っている気力はない。
でも、生コムの引力に逆らえないときもあるわけで……
で、待っているとき、心の中で私は祈っている。『ああ、誰にも見つかりませんように!』
私は一応、良識ある常識人であり、りっぱな社会人である。表向きはね。(そう思っているのは私だけかもしれないけど)
その私が、「出待ち」なんて変なことしているところを勤務先の人やら、取引き先の人などに見られたらどうなる?
私が積み上げてきたイメージはもろくも崩壊するだろう。だいたい私自身、なぜそんなことをしているのか、説明できないもの。
先日、某所で不気味な集団をみかけた。
マイナーなアイドルのサインと握手の会みたいなことをやっているらしい。
そのファンらしい人たちがつどっているのだが、みんな30〜40代とおぼしき男たちだった。若者はひとりもいない。
TシャツにGパンのようなスタイルで、一様に黒いリュックとかかばんを持っている。小太り系が多く、はっきり言ってイケてない男たち。
一種独特の雰囲気。いわゆる「オタク」と呼ばれる人たちだろう。(もと?)アイドルは帰ったのに、いつまでもたむろして仲間で何かしゃべっている。
私は顔をしかめて言った。「見て、あの人たち。いやねぇ」
そこに次女の言葉が私を直撃した。
「あなたもおんなじよ」
がーん! 私って「オタク」だったの?
確かに、反論できない。ビデオは何本も積みあげて、すり切れるほど見てるし、「アイドル」本もいっぱいあるし、チケット発売日には早朝から並んでるし。
おまけに「出待ち」までするときては、あのキモい「オタク」とあまり変わらないというか、ほとんど同じというか。
あーあ、なるほどねぇ。あの人たちを指弾する資格は私にはないのね。
だとしても、やっぱりあの人たちと同類とは認めたくない私である。
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