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ごめんね、きりやん
「きょうはきりやん。るんるん」
霧矢大夢主演の「スラップスティック」の日本青年館公演の日。着替えも化粧もすませ、出かけるばかりの私はチケットを取り出した。
「あっ! きのうじゃん!!」
チケットの日付はきのうだった。私は行く日を1日間違えていたのだ。
髪の毛、逆立たんばかりに驚いた。ちびっこギャングのファーリーナちゃん状態。
3時開演なのに、現在は2時である。きょうを除いては見る機会はない。ピンチだ、どうする?!
「いいえ、私はけしてあきらめない!」ガラスの仮面、北島マヤ状態。
そしてオペラグラスをひっつかんで、日本青年館まで走ったwithout ticketの私。到着は開演5分前である。
血走る眼で「さばきはどこ!」と見回すと、あったぞチケットが。
「チケット、ゲットォォオオオ!」しりあがり寿、髭のOL薮内笹子状態。
チケットを売ってくれたおねえさんは、友人と2人で見る予定だったのに友達がこられなくなったのでさばいていたそうだ。
だからふたりで並んで席についた。私がこの驚天動地の状況について話すと、彼女も似たような経験があったそうだ。
家にいたら、友人から電話がかかってきた。いきなり「なんで、今、家にいるわけ? もう始まってるよ!」と怒られた。
夜の公演だとばかり思っていたら、昼の公演だったそうである。やはり電話を受けたときは血の気が引いたそうである。
とりあえず、行ってはみたがフィナーレしかみられなかったそうだ。
しかしなぁ、私が行かなかった日、私の席はぽつんと空いていたわけだ。
きりやん、ごめんね。きりやんに空いている席は見せたくなかったよ。
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