踊れ! おじさん

エアロビクスのレッスンで汗を流しながら。
『あれ? この音楽は「スパルタカス」のオープニングの曲。ふーん、原曲はばりばりのユーロビートなんだなぁ。ふふふ、じゃあ、銀橋を渡るチャーリーの気分でいこうっと』
『おおっ! この曲はっ! 「夢・フラグランス」で涼風真世が歌った曲だー。あまりにも宝塚の曲が多すぎる! も、もしや?』
そう、そのときのインストラクターは宝塚ファンだったのだ。たちまちインストラクターと私は意気投合した。
次のレッスンのとき。
『ん? この振りは? 記憶にあるぞー』
レッスン終了後。「ねぇ、きょうのあの振りさー、ハイパーステージのオープニングじゃないの?」
「そう! わかってくれるの、ひとりだけだねー! じゃあさ、(やってみせながら)この振り、わかる?」
「うーん、わかんないなぁ」
「タカラヅカ・オーレのフィナーレのステップ」
手をたたいて大喜びするふたりであった。
エアロビクスのレッスンには、おじさんや、おばさんや、おねえさんなどたくさんの人が参加している。
でも、実は宝塚の踊りを踊らされているなんて誰も知らない。私とインストラクターだけの秘密だ。