Hello! Project 2000in大阪厚生年金会館
平成12年1月7日(19時開演分)
BLACKROSEさん提供
石黒彩最終公演のレポートです。
2000年1月7日、ついにこの日が来てしまった。
彩っぺモーニング娘。最後の日。
社会人である私はこの日朝から仕事してたのだが、気分は落ち着かなかった。
そして、気持ちの整理がつかぬまま、会場へと向かった。
今日は3階の最前列の席。
今回は仕事の都合もあり当初は断念してたこの公演。
しかし、彩っぺの最後になるこの公演、ぴあのリザーブシートを慌てて確保して
社内調整して参戦することが出来た。
ただ今日はその場に居ることが大事。席なんてこだわる余地はなかった。
今日来たくても来れなかった人もたくさんいる。
そんな人の分も含めて、この場で見届けようと思っていた。
コンサート開演。今回のハロプロを見るのは4回目であるがいつもと変わらず淡々と進んでいく。
そして彩っぺにとって最初の山場であるタンポポコーナーが始まる。
まず、「たんぽぽ」を熱唱。
「タンポポの彩っぺ」に対して、まりっぺとかおりんから言葉が贈られる。
まりっぺからは「今までどうもありがとう。」
そして、かおりん。
「ちょっぴり「弱気」だって あるかもしれないけれど たんぽぽの様に 光れ」と
新しい夢に向かって進み出す彩っペに対してエールを送る。
涙混じりだったが心のこもった歌声をプレゼントした。
「ラストキッス」を歌い終え、タンポポとしての彩っぺは、ここにピリオドを打った。
タンポポとしての最後の挨拶をした彩っぺ。
その彼女に対して客席から彩っぺコールの嵐。
それを得意の「ウィッス!」で応え、「まだ、モーニング娘。の石黒彩が終わってません。」と
彼女はとにかく楽しんでいる。
そして観客をしんみりさせないようにする心配りが、感じられる。
そういう彼女に私は胸が締め付けられそうだった。
モーニング娘。コーナーになる。
初のオリコン1位となった「抱いてHOLD ON ME!」。
明日香脱退後の7人でのシングル「真夏の光線」。
メジャーデビュー曲「モーニングコーヒー」。
そして私が本格的なファンにのめり込むきっかけにもなった「サマーナイトタウン」。
次々に娘。たちにとって、ファンにとって想い出の曲が披露されていった。
進行中、彼女と共有した時間・空間が脳裏をよぎる。
そして、1曲、また1曲と終わっていく度に、別れが近づいていく。
そして、初のミリオンヒットであり今の8人での最初で最後のシングル「LOVEマシーン」。
今日も素晴らしい彩っぺの乗りまくりの突き抜けたダンス。
なにか切ない気持ちになる。
「今日で君を見れるのは最後なんだよ。なぜ君はそんなに弾けることができるのかと」
アンコール曲「ダディドゥデドダディ」。
裕ちゃんがもう我慢できなくなり顔を歪ませる。
そして他の娘。たちも、彩っぺも次々に笑顔が消えていった。
しかし、そんな中で彩っぺが曲中で笑顔を振りまき、曲が終わりを迎える頃には
全員に笑顔が戻っていた。
最後に観客に向かい、挨拶をする。
いつもならここで観客にお礼を言って、次々に舞台袖に引き込んでいくのだが、
ただ今回は、少し間があったように感じた。(気のせいかもしれないが)
娘。達とファン双方に漂う名残惜しさ、寂しさがそうさせたのか。
「終わって欲しくない。」「終わりたくない。」二つの思いが交錯し、その間を生んだのだろう。
しかし、ついに彼女たちは舞台袖に消えてしまった。
客席の照明が灯され、何人かの人間が席を後にしようとしている。
しかし、中野の最終公演のように、彩っぺコールが巻き起こる。
私も精一杯の声で彩っぺコールを送った。
そして、ついに彩っぺが舞台に戻ってきてくれた。
私は目は潤みっぱなしだった。
このあたりから記憶が曖昧なのだが。
「夢を実現させるために頑張ってきた。今まで応援してくれてありがとう。」
「今までのライブ、そして今日のことは、ずっと忘れない。」
「夢とは自分でつかむもの。これからも皆、自分の夢をつかむ為に頑張っていきましょう!」
そんな事を言っていたと思う。
そして、挨拶が一段落すると、残りの娘。たちがそれぞれ手に花束を持って現れた。
1人ずつ花束を渡し、抱きあい、そして涙に暮れる。
最後の裕ちゃんが花束を渡し終えるまで、会場では彩っぺコールが鳴りやまない。
そして娘。達も一緒に彩っぺコール。
娘。を代表し、裕ちゃんが話し出す。
「石黒彩は今日モーニング娘。を卒業しました。新しい夢に向かって進み出す彼女を応援してあげて欲しい。
そしてこの8人でのステージは今日で最後になるけど、ずっと忘れないでね。」と涙乍らに話した。
それに応え、彩っぺが
「7人になる娘。も変わらず応援して欲しい。」
互いにエールを交換し、最後に、今まで以上のあふれんばかりの最高の笑顔を会場のファンに送る彩っぺ。
そして、これが本当に最後と、念を押すように手を振りながら、去っていった。
思い返せば、1997年11月3日。「愛の種」キャンペーンのスタートは、ここ大阪だった。
大阪で始まった彩っぺの一つの夢は、私達に色々な記憶を刻み込み、同じ大阪の地で幕を下ろした。
舞台上には誰もいない。
しかし、万雷の拍手が会場を包み込む。
いつまでも、鳴りやむことのない拍手だった。
素晴らしいステージだった。
2000年1月7日、娘。ファンにとって本当に忘れられない日がまた一つ記憶に刻み込まれた。