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梶川レポート
はじめに
タイトルは「梶川」となっているが、梶川氏に関するレポートではなく、梶川氏によるレポートでもなく、本文に「梶川」という人物も全く出てこない。加えて言うが「梶川氏」なる名字若しくは名前を持つ人物と縁はない(兄弟は縁があるらしいが)。
では何故このようなタイトルにしたのか。それは「レポートに冠をつけるならば是が非でも梶川にしたい」という妙なこだわりを持っているからであり(恐らく何かの本で印象が強かったのだろう)、実際は某月某日に食したジャンボカツカレーに関するレポートである。「初めからそう書いとけ」と憤慨する方もいるかもしれないが、ここは丁重に無視しておきたい。
さて、ジャンボカツカレーとは何者か。決してジャンボなカツカレーではなく、ジャンボなカツが乗ったカレーである。
某氏の旦那(以下、旦那)が事あるごとに話題にしていたのだが、私がセガサターンを借りるために伺う際に、いつの間にか「誕生日だからおごるぞ。食いに行こう。」となっていたのである。
そのジャンボカツカレーを提供している店の名は「入沢」。店内は何処にでもありそうな大衆食堂といった趣だが、その中ではかなり大きい店に分類されるだろう。4人がけのテーブルが8組とカウンターが15席ほど。隣には宴会用だろうか、座敷が5席ある。壁にはメニューを書いた短冊が所狭しと並んでおり、その中にはチャレンジメニューとしてジャンボカツ定食と共に件のジャンボカツカレーもあり「当店一番の大物!!」等と書かれている。値段も堂々と1600円。
私は動揺した。大衆食堂で1600円とは何事か。想像していたのは1200〜1300円の代物だ。これは一体どれほど大きいのだろう。かなり余裕かましてたがこれでは食い切れんかもしれん・・・
追い打ちをかけるように水が運ばれてくる。小さなコップと思いきや中ジョッキ並の大きさという素晴らしさ。ここは何でも巨大なのか。皿に、じゃなくて更に追い打ちをかけたのが労務者風の人の元に運ばれた焼きそば定食である。焼きそば定食も巨大だとは聞いていたが、皿の大きさがお盆と同等である。恐らく知らずに頼んだのであろう、労務者も目を剥き思わず唸るほどの大きさ。うわぁと呟いたのは私の位置からも見ることができた。
その様子を見ていた旦那の言葉もひどい。「昔に比べて盛が少なくなったなぁ。」
そうこうしている内に、ついにジャンボカツカレーが今、将に厨房から運ばれんとするのが見える。見えるがおばちゃんはこちらにくる気配がない。どうやら有線放送のチューナーをいじっているらしい。チューニングが終わったのか、おもむろにこちらを向きニヤリと笑いながら言った言葉は、「皆さん! 拍手お願いしまーす!!!」である。そして静かな店内に突如流れ出した音楽は軍艦マーチ。これには旦那を除く客全員が驚いたらしい。これは一体なんだ!? と呆然としている暇もなく、いつの間にか店の四隅に移動していたおばちゃんたちの拍手と共にジャンボカツカレーが運ばれてくる。呆然とする私をちらりと見て旦那はニヤリと笑い、他の客が他の客からは驚きと興味の視線が集中する。これは少々恥ずかしい。そしてついに我が手元にジャンボカツカレーが味噌汁と共に置かれた。そんな私をあざ笑うかのようにおばちゃんは「それじゃ、頑張ってね。」といって去って行く。
何を頑張れと言うのだと思ったものの、モノを見て思わず納得してしまった。
目測だが皿の大きさは約38cm。宴会用の刺し身皿だと思われる。下の写真で隣においたたばこの箱と比べてほしい。写真ではわかりにくいがカツの下にはキャベツが敷かれている。
(大きく高クオリティ(239k)/大きく低クオリティ(148k)/小さく高クオリティ(55.5k)/小さく低クオリティ(15.5k))
旦那が取り込んでくれたものをリサンプルしただけだが、私としては大きく低クオリティファイルをダウンロードしてから見ることをお薦めしたい。その迫力たるや笑うしかないという所か。なかなか強烈である。
とはいえ量としては神楽坂飯店@東京飯田橋の一升チャーハンや百個餃子に比べれば決して多くはないように思えた。旦那も言う「量としてはそんなに大したもんじゃないんだよ。」と。
確かにカレーの量は普通の店の大盛り程度の量しかない。これなら十分食い切れるだろう。
私は先にカレーから片づけることにした。味は決してまずくはないので快調に箸が進む。いや、カレーだからスプーンか。
大体1/3くらい片づけた頃だろうか。例の労務者が食事を終えたらしく勘定を払いながらおばちゃんと話をしている「この兄ちゃん頑張るねぇ。俺なんて半分も食えなかったよ。」「まだ全然減ってないね。まだまだこれから。」
私としては快調に食っているので「何言うてん、軽い軽い」と思いつつ某氏と旦那を待たせるのは申し訳ないのでひたすら手を動かしつづけたのだった。
異変が訪れたのはカレーを食い切りカツを10切れほど食べおわった頃だろうか。あまりの脂っこさにかなり気分が悪くなってきたのだ。カツはまだ半分以上残っているのに余裕等と言っていた自分は何処へ行ったのか。これが過去数々の挑戦者がリタイアした所以であろう。私が軽率だった。浅はかだった。
カツにはあまり手が行かず、代わりに食べるキャベツがあっさりして至上の旨さに思えるから不思議である。これほどうまいと思ったのは初めてかもしれない。そのキャベツの旨さを反芻しながらカツに手を伸ばす。伸ばすがどうしても口には運べない。それを何度繰り返しただろうか。同時に食い切ることへの意地と胸やけへの嫌悪感が交錯し葛藤が嵐を巻き起こし、トイレに入るなどいくつか手を打ってみたがさしたる意味を持たぬまま、結局1/3程度カツを残したままお持ち帰り決定になった。
失意を胸に店をあとにする私の背におばちゃんは、追い打ちをかけるツボを心得ているかの如く一言。「これに懲りずにまた来てね。」
帰りの道中、トンカツや餃子という文字を見たくなかったのは言うまでもない。
住所を書いておくので興味のある人は行ってみるとよい。
神奈川県高座郡寒川町一ノ宮7-1-08 「入沢」
県道46号線沿い/県道44号線との交差点からすぐ近く
座敷もあるのでオフ会等で使用するのも笑いのネタになるので良いだろう。
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