やや真面目に、DTPと印刷業界に関する事柄を

印刷業界をあまりご存じない方むけに自分の職業の話しをします。
人と会うとたまに「そういえば何やってるんでしたっけ?」と聞かれることがありまして、おおまかにDTPについて説明をするのですが、ピンとこない方がいるようです。今では一般的になってる単語かと思ってたけれどそうでもない…。ようするに「何で何をしてる」という点がわかりにくいのかも知れません。

ようするにDTPとは何か

僕は都内印刷会社のDTP制作部に勤務しています。
DTPとは「Desk Top Publishing」の略で、「パソコン上で印刷物のデザイン/レイアウト/組版などを行う」こと。こうしたデジタル技術を駆使した制作行程は、現在の印刷業界のほぼ主流となっています。
使用ソフトの定番としては
 1.フォトショップ→画像加工
 2.イラストレーター
   →図版作成・単頁物レイアウト

 3.インデザイン(左画像)→頁物レイアウト
この3つはAdobe(アドビ)という会社の製品で、頁物レイアウトについては、クォークエキスプレスというソフトもあります。印刷物の多くが主にこの3種を組み合わせて制作されています。 ハードはアップル社のマッキントッシュが主ですが、最近ではウインドウズ・マシンもかなり増えています(2006年5月現在)。

混沌としている印刷業界

90年代前半から印刷業界は劇的な変容を繰り返してきました。
ひと昔の印刷現場といえば、熟練した職人気質の世界。いくつもの専門分野があり各工程に分れていましたが、現在ではソフトの知識さえあれば、大抵のモノが一人で出来てしまいます。とはいっても、作業効率的かつ品質的により良いモノをつくるには、知らなければならない事がたくさんあり、やはり肝心なのは経験値がどれだけあるかにかかっています。
「その気があれば、一人でなんでもできる」というコンセプト自体は悪くないのですが、各工程間の境界線が曖昧になってしまい、作業的な混乱を招くことが多々あるのです。よくある例として次の3つがあげられます。

 1.印刷営業マンが、仕事を受注するためにソフトやハードの専門知識が必要になった。
 2.印刷デザイナーが、製版知識や使用ソフトの機能に振り回されるようになった。
 3.組版オペレーターが、デザインや製版知識を必要とされるようになった。

さらにソフトやハードが絶えずバージョンアップされ、知識的なギャップが生じることで人為的に起きるトラブルの数々。 これらの事態はデジタルにかかわる限り避けられない問題であり、印刷業界全体を悩ませています。


*この頁を設けたのは、管理人がCSSを勉強するという目的もありまして、体裁が予告なく変わることがあると思います。また文の内容も業界の動向にあわせて更新されることがあるかもしれません。
*この頁に関して、ご意見感想があればお待ちしています。

[update 06-11-28]

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