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1月1日付・読売社説

 「『脱戦後』国家戦略を構築せよ…対応を誤れば日本は衰退する」

 【新たな歴史的激動期】

 干支(えと)でいう乙酉(きのととり)年の元日である。「昭和の戦争」が終了してから六十年。干支が一巡し、一九四五年に生まれた人たちも、今年、還暦を迎える。

 「戦後」は、すでに二世代相当の歴史的時間を経た。国際社会も日本も、「戦後」とは異質な世界といえるほど大きく変わってしまっている。

 「戦後」の世界は、基本的に米ソ冷戦構造の世界だった。その一方のソ連崩壊は、社会主義計画経済思想に対する市場経済主義の勝利でもあった。あれから、もう十年以上になる。

 世界は今また、新たな歴史的激動期に入っている。二〇〇一年の9・11米同時テロ事件、続くアフガン戦争、イラク戦争以後、世界・国際社会の様相は一変し、かつ急速に流動しつつある。

 他方で、情報技術(IT)革命の進展を伴いつつ、世界経済も急速な構造的変動のただ中にある。

 こうした世界的激動への国家的対応を誤れば、日本は衰退への道を辿(たど)る。変化の先行きを見据えた中長期的国家戦略を構築し、着実、強力に推進しなくてはならない。世界変化の速度を踏まえれば、迅速な対応が必要である。

 しかし、日本が内外戦略ともに迅速、適切に対応できるかどうかについては、懸念もある。現実の日本には、いまだに「戦後」思考を脱却できない“守旧”勢力が存在するからだ。

 【「戦後民主主義」の残滓】

 こうした“守旧”思考は、文字通り「戦後」の数年間に、連合国軍総司令部(GHQ)の大がかりで巧妙な検閲・言論統制、マスコミ操作によって培養された「戦後民主主義」の残滓(ざんし)である。

 現行憲法の作成・制定過程そのものが最重要の言論統制対象だった。

 GHQが作成した現行憲法前文は、「平和を愛する諸国民」を信頼しさえすれば国の安全は保てるとする趣旨になっている。これに「戦力放棄」の九条二項が重なり、世界の実像とはかかわりなく一国平和主義が貫徹できるかのような「戦後」的幻想を生んだ。

 世界・国際社会の実像に対応すべき日本の現実的課題とはなにか。

 米国は現在、世界的な規模でいわゆるトランスフォーメーション、米軍再編に着手している。イスラム原理主義勢力による最大のテロ標的国家として脅威の変化に対応するとともに、唯一の超大国としての長期展望に基づく世界戦略の再編でもある。

 その一環として、北東アジアから中東に至る「不安定の弧」に対処するため、アジア・太平洋地域における即応展開能力を拡充しようとしている。

 この動きは、日本の長期的な国家安全保障と切り離せない。日米協力・相互補完関係を展望すれば、集団的自衛権を「行使」する様々なケースを想定せざるを得ない。

 「行使」は、憲法を改正するまでもなく、首相の決断による憲法解釈の変更次第で、直ちに可能になる性格の問題だ。首相および政治全体が、「戦後民主主義」的な軍事アレルギー感覚と一線を画す時である。

 【改正すべき教育基本法】

 憲法とセットで制定された「戦後」規範の一つに、教育基本法がある。

 久しく改定の必要性が指摘されていながら、現在も、改定作業が難航しているが、最大の焦点は「愛国心」の扱いである。愛国心が是か非かなどということが議論の対象になる国など、世界中、どこにあろうか。

 こんな奇現象が生じるのは、「愛国心」と聞けば、反射的に「狭隘(きょうあい)な」という形容句をかぶせたがり、「戦前回帰」「軍国主義復活」などとして騒ぎ立てる“守旧”思考が、いまだに一定の勢力を有しているためだ。

 教育基本法策定の過程で、GHQは、日本側が主張した「伝統を尊重して」という部分を削除させ、「個」の尊重に力点を置く基調のものとした。

 伝統の尊重の否定=愛国心の否定は、公共心の希薄化につながり、今日の教育の乱れを招いている。「個」の尊重が、ともすれば児童・生徒の自主性の名のもとに放任へと傾き、規律心の低下、さらには昨今の学力低下にもなっているのではないか。

 世界経済の構造は、すでに中国の急成長により、大きく変容しつつある。加えてインドやブラジルなども、急速に台頭しており、いずれ世界屈指の経済大国化すると見られている。

 【「平等」偏重から転換を】

 そうした流れの先行きを展望しながら、日本経済が国際競争力を保っていくための国家的対応とは、結局のところ、人材の育成に尽きる。教育を基本法の次元から立て直さなくてはならない。

 「戦後民主主義」を培養したGHQをリードしたのは、ニューディーラー左派と呼ばれ、「自由」に伴う創意と自己責任よりも、結果としての「平等」を重視するイデオローグたちだった。今日的にいえば左翼リベラル派である。

 たとえば占領下の一九四九年に作成されたシャウプ税制は、直接税を中心に据え、個人所得には重度の累進税を課す「平等」思考体系のものだった。

 現在、西欧諸国は、いずれも、消費税(付加価値税)という形の間接税が20%前後という税体系の下で、社会保障制度を維持している。

 これに対し、日本では、わずか5%の消費税率を10%に引き上げることにさえ、「弱者いじめ」という論法による抵抗が根強い。シャウプ税制的な「平等」思考の後遺症であろう。

 もちろん、消費税を大幅に引き上げる際には、食料品など日常的生活必需品については軽減税率の対象とするなどの配慮は要る。新聞、書籍を始めとする知識文化的商品も欧米並みに軽減措置を考える必要がある。

 ともあれ、老若男女の全世代が広く薄く負担する消費税の位置づけを中途半端にしたまま、現役勤労世代の直接税・保険料負担を主要財源とした社会保障システムを維持するのが無理なことは、はっきりしている。

 【経済規模縮小の危機】

 日本は、来年二〇〇六年をピークに、人口の急激な減少という明治以来初めての“国勢”転換期に入る。

 とりわけ、生産年齢人口は、今後三十年間にわたり、世界最速のペースで減少し続ける。

 このままでは、二〇三〇年の実質国民所得は、二〇〇〇年に比べて15%縮小する、との試算さえある。

 社会保障システムを支える前提としての、日本経済の規模と生産性そのものを維持できるかどうかという、困難な時代に入っていく。

 今、日本は、まさに国家百年の計が問われている。「戦後」の思考様式を払拭(ふっしょく)し、内外にわたり国家、国民の活力を維持するための戦略的対応を急がなくてはならない。残された時間は、そう多くはない。

 (2005/1/1/00:05 読売新聞 無断転載禁止)


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