鹿塩温泉 湯元 山塩館 (下伊那郡大鹿村)

鹿塩温泉 湯元山塩館

  鹿塩温泉 湯元 山塩館
素敵な浴場の入口
緑が眩しい浴場
 中央自動車道松川ICから県道 59号線を大鹿村へ約四十分。さらに役場前から上伊那郡長谷村方向へ国道 152号線を進み、途中の分岐から塩川沿いに進んだ山間にあるのが、鹿塩温泉 湯元「山塩館」だ。
 神代の昔、古代諏訪族がこの村を訪れ、鹿などの動物が集まる「塩泉」を発見したとも、なかには「諏訪族」を「建御名方命」(たてみなかたのみこと・諏訪大社御祭神)と断定しているもの、また、弘法大師が諸国遍歴の途中にこの地を訪れ、老婆に一夜の宿を求めたが、塩が無いことを理由に断られたことから、老婆の持つ杖を地面に突き刺したところ塩水が湧き出した…、など、鹿塩温泉の歴史には諸説伝えられている。ただ、涌き出る「塩泉」は、当初から温泉としてではなく、製塩のためであったり、煮物や漬物のための調味料として利用されていた。
 その「塩泉」が温泉として利用され始めたのは明治二十五年のこと。旧徳島藩士の黒部銑次郎と工藤欣八が、岩塩堀削のためこの地を訪れ、製塩事業を営む一方で岩塩の探索を続けていたところ、当時の軍医総監から、この「塩泉」を浴場として利用してみてはどうか…という勧めがあったという。そこで、黒部らは山塩浴事業を行うために設けられた浴場が、じつは今回訪ねた「山塩館」だったのである。
 黒部らの事業は、村の青年平瀬理太郎が受け継ぎ、明治四十三年に施行された「塩専売法」により製塩事業ができなくなってからは、この温泉だけが残り今日に至っている。

 温泉旅館という位置付けの「山塩館」だったため、外来入浴が許可されるのか、少々不安があったのだが、たまたま訪問が午前十一時を過ぎていたこともあり、ご好意に甘えて入浴させて頂くことにした。フロントで料金(大人 600円)を支払い、玄関左手の渡り廊下を歩いて浴場へと向かう。入口には、鹿塩温泉や秋葉街道のパネル(写真上)が飾られ、温泉宿らしく小奇麗に整えられていた。
 ここの浴室には、檜風呂と岩風呂の二種類があり、日替わりで男女が入れ替わるという。今回、入浴したのは檜風呂のほうで、すでに掃除も済んで、椅子や桶などが整然と並べられていた。ガラス張りの窓の向こうには、塩川の渓谷に繁る緑の木々が眩しいほど。
 さて、この温泉で試したかったことをここで実験してみる。それは、流れ出る湯がほんとうにしょっぱいか、ということ。ただ、「循環湯」と聞いていたので最初はためらったのだが、思いきって舐めてみると…、僅かにしょっぱさが口に残る程度だった。そこで今度は、浴槽の脇にある飲泉場の鉢に溜められた源泉らしきものをひしゃくですくってみる。こちらは、完全に海水と同じで、顔をしかめるほどのしょっぱさ。やはり、源泉にはかなりの塩分が含まれているようだ。ただ、海水と違ってべとつき感がほとんどなく、湯は至って滑らか…。この違いがどこにあるのか、今もって不思議でもある。
 最後に、この温泉の成分であるが、今回は他の温泉とも比較する意味で、ナトリウムイオンとカリウムイオンの量についても記載しておこう。源泉は 鹿塩の湯一号源泉 、泉質は 含む硫黄・ナトリウム・塩化物強塩冷鉱泉 (弱アルカリ性高張性冷鉱泉)。泉温は源泉で 12. 2度、 pH 7. 94 、ナトリウムイオン(試料 1kg 中の成分の分量) 5577.0mg 、カリウムイオン 2603mg 。

 
 湯元山塩館 下伊那郡大鹿村鹿塩 631
 TEL 0265-39-1010 FAX 0265-39-2937
  下伊那郡大鹿村大字鹿塩付近 ( 1 / 75000 )
  http://www.yamashio.com
 [ 営業時間 ] 11: 00 〜 16: 00
 [ 料金 ] 大人 600円

 鹿塩温泉には、現在、三軒の温泉旅館があるのだが、塩の里の近くにある「山景館」を経営されているのは、じつは梶さんという方。一方、「山塩館」は平瀬さん。岩塩堀削の夢を追う黒部銑次郎の協力者として、資料などによれば、平瀬理太郎と梶祐定の名が出てくるので、もしかしたら何れの旅館もそのご子孫が経営されているのかもしれない…。(ちょっと疑問だったので)

鹿塩温泉 湯元 山塩館には、平成 14年 5月 3日に訪問しました。 




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