稲荷山温泉 杏泉閣 (千曲市)

稲荷山温泉 杏泉閣

  稲荷山温泉 杏泉閣
 北国西街道(善光寺街道)の宿場町・稲荷山宿は、江戸時代後期になると、善光寺平と上田(稲荷山は当時上田藩領だった)を結ぶ、物資の中継地点として賑わった。「善光寺道名所図会」によれば、当時の稲荷山宿の様子について「一ヶ月に九回の市が立ち、商人多く、家数も五百軒ある繁盛の地」という件が記されている。
 明治維新後は、集散地として基礎をすでに確立していた商人らが絹(生糸)の輸出も手がけたことから、東京・横浜などとの交流も盛んになり、県下でも有数の商都として栄えることになる。
 現在、長野県におけるリーディングバンクとして店舗を構える「八十二銀行」の前身は、「六十三銀行」と「十九銀行」であるが、前者の「六十三銀行」(創業・明治四十一年)の本店は、当時、この稲荷山にあったという。銀行の本店が存在したことから察しても、稲荷山の賑わいは、県都として発足した長野市以上のものだったことだろう。
 しかし、昭和恐慌により頼みの繊維業は衰退。これに伴い、繁栄を誇った稲荷山は急速に衰え、静かな町並みだけが残ることとなった。現在、旧善光寺街道沿いに残る重厚な蔵の数々は、その面影を今日に留めるもので、宿場町のほぼ中央にある「蔵し館」では、蔵の様子を実際に見学できるようになっている。
 
公衆浴場 湯ノ崎の湯
三日月型の露天風呂
 その、稲荷山に滾々と湧き出る温泉を、一般に開放しているのが、稲荷山温泉の名称で知られる「ホテル杏泉閣」だ。案内によれば、稲荷山温泉の歴史は古く、平安時代末期に、平家討伐に立ち上がった木曽義仲がこの地を訪れた際に、白狐が地面に沸く泉で傷を癒しているのを発見したことに始まるという。義仲は、この湧泉に「湯之崎」と名付け、以来村人たちが利用するようになったそうだ。
 さて、これまで、この「杏泉閣」の温泉を利用するにあたっては、入浴だけの場合、「公衆浴場 湯之崎の湯」と記された看板のある入口から入り、券売機で入浴券を購入して男女別の浴場へ進むのが一般的であった。ところが、今回訪ねてみると、電気は消えて真っ暗…に。湯船には、湯が湛えられているようだが、どうも利用された形跡はなかった。「日帰りで利用できる温泉は廃止にでもなったのかな…」と思い、フロントに行くと、「温泉は本館のお風呂をご利用頂いています」とのこと。どうやら、大衆浴場の営業時間前にここを訪ねてしまったらしい。
 その宿泊者用の浴場は、フロントを抜けて奥に進んだ、立派な吹き抜けの向こうにある。これまで利用していた「公衆浴場」と違うは、シャンプー・リンスが備え付けられていること、ガラス越しに外が望めて明るいこと、そして、外にある三日月形の露天風呂が利用できることだろう。こちらの浴場を利用した場合、料金が幾らか高くなる(大人 500円)が、個人的には多少のお金がかかっても、宿泊者専用の内湯を利用したほうがいいように思うがどうだろう。
 少し寒かったが露天風呂に浸かってみる。すると、それまで無臭と思われた湯に、ほのかに硫黄の香りが…。温泉分析表が掲示されていないため、詳しい泉質はわからないのだが、露天風呂の香りから推測すると、どうやらここの湯は 硫黄泉 のようだ。小さな露天風呂なので、もしかしたら源泉をそのままここに流しているかもしれない。これまで、無味無臭と評されてきた「稲荷山温泉」だったが、露天風呂のおかげで、ようやく一矢報いた、といった感じだ。温泉の雰囲気を楽しみたいなら、ぜひ露天風呂へも浸かってみよう。

 おわび
 温泉のデータ(分析表)については、ホテル杏泉閣さんの公式ホームページに掲載されています。
 ぜひご覧ください。
 
 
 ホテル杏泉閣 千曲市稲荷山 571-1
 TEL 026-272-1154 FAX 026-272-1338
  千曲市野高場付近 ( 1 / 21000 )
  ホテル杏泉閣公式ホームページ
 [ 営業時間 ] 
 ・ 内湯 (大衆風呂・露天風呂) 7: 00 〜 22: 00
 ・ 大衆風呂 13: 00 (日・祭日は 10: 00 )〜 21: 30
 [ 料金 ] 
 ・ 内湯 500円
 ・ 大衆風呂 350円 

稲荷山温泉 杏泉閣には、平成 14年 2月 2日に訪問しました。 
温泉で〜たは、平成 17年 9月 3日に更新しました。 




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