高さの変わる作業デスク


 

2002.10.20
P.E.Roerichtで最初に手がけた仕事です。
事務所の主宰者、Nick Roericht氏はウルム造形大学の一期生で、
卒業後ウルム造形大学で講師を勤め、
ウルムが閉校になってから、
アメリカのオハイオ大学で教鞭をとっていました。
そのせいか、伝統的な格式張ったドイツのオフィスのスタイルに懐疑的で、
チャールズ・イームズの提唱する
「アクション・オフィス」のような作業環境をめざしていました。
そして、事務所の作業環境もその実験として、
いわゆるひじ掛け付きの重い大きな椅子ではなく、
ハイスツールのようなものをつかっていました。
ちなみに、このハイスツールが現在Wilkhahn社の販売している
"Stiz"につながっていくわけです。
これは座っている人間と立っている人間が同じ目線で話せ、
立ったり座ったりという動作もスムーズにというものです。
当時、事務所ではそのハイスツール用の高いデスクを使っていましたが、
この試作品は、ひとつで通常の椅子にも立ち作業にも
ハイスツールにも対応できるというものです。
後日、ドイツ人デザイナーの手による
同様のコンセプトによるスチール製の製品が
日本のイナバ製作所から販売されました。

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