ドイツ・ルフトハンザ航空の顧客サービス用のボールペン




2025.03.05
最近、文具店の店頭でボールペンを見ていたら、
日本製の同じコンセプトのボールペンを見つけました。
昔からあったのでしょうが、見ていませんでした。
上がパイロット社製で、下がゼブラ社製です。
もちろん、製品の仕上がりも書き味も素晴らしいです。





2002.04.04
上の1枚目の写真はドイツ・ルフトハンザ社が
顧客へプレミアムとして配ったり、
職員が使ったりするボールペンです。
当事、私の働いていたデザイン事務所のオーナー
Hans(Nick) Roericht氏は
ウルム造形大学の学生時代から、
また卒業後Otl Eicher氏の事務所で働いていた時代、
および独立して個人事務所を構えてからも
ルフトハンザ社の様々な仕事を手掛けており
1977年に、このボールペンと
プラスチック製の機内食用カトラリーの
デザインを依頼されました。
そして、その担当が私とまだ当事は大学の実習生として
事務所に来ていたKarl Heinz Rubner氏です。
彼は大学生といっても、兵役も終え、
エンジニアとしての実務経験も経ての入学ですから、
年齢も経験も私より上で、彼から学ぶことも多く、
いい仕事ができました。
彼とは現在にいたるまでつきあいがつづき、
彼もその後、日本やアジアでの仕事も多いようです。
さて、このボールペンには後日譚があります。
私が事務所を辞めて帰国した後、
ドイツLammy社からルフトハンザ社に、
このボールペンの意匠権を買い取りたい
という申し出があったそうです。
このボールペンはクリップ部分とノックする部分が
一体化されたシンプルな構造になっており
それはプレミアムという性格上、
製造コストの制限があった故のアイデアですが、
企画中のLammy社のデザインと似ていたのでしょう。
Lammy社としては後のトラブルを防ぐ意味で、
あらかじめ意匠権を買い取ったものとおもわれます。
ルフトハンザ社からその権利と金型を買い取った企業は、
われわれのデザイン料とは比べものにならない
報酬(たぶん)を得たとおもいます。
そのLammy社のボールペンが2枚目の写真です。

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