日本の城リファレンス:page9(石垣)
1.野面積み
自然の加工していない石をそのまま積み上げたシンプルな石垣。崩れやすいので5m強しか積むことは出来ない。隙間から敵に上られないように詰め石をする。その中でも特に細長い石を差し込むように積んで石の大きい面を内側に長く押し込み強化したものを牛蒡(ごぼう)積みという。排水性に優れている点が他の石垣よりも強み である。角度は68度くらい。

2.打ち込みはぎ
石を槌で叩いて形を整えて石垣の外側だけを平らに仕上げたもの。石と石の間に小石を挟んでいるのは上と同じ。傾斜は72度。

3.切り込みはぎ
まったく隙間が出来ないように切り石のみを積んだ超高等技術・角度は75度はあり、石垣を登るのが好きな城研会員もこの石垣には挑戦しようとしない。これが発展して江戸中期には亀甲積みなる表面を六角形にして積んだ更なる高等テクも登場する。石の重さが分散し崩れにくいのだ。

4.布積み
一般的によく見る石垣はこれと、乱石積み(打ち込みはぎの一種、いろいろな石を不規模に積む)の混合形である。同一の大きさに加工して横目地を水平に通し、二つ下の石に均等に重力がかかるようにした石垣である。

【算木積み】
石垣の角を直角上に組むため井桁積みにしたもの。

【扇の勾配】
石垣を積む時の角度の一つ。下の方が緩やかで上に行けばいくほど急になり、最上部では垂直になる。石垣登り集団であるところの城研でもこれに挑戦した人は誰一人いない。熊本城のものが特に有名である。この城の築城者である加藤清正が朝鮮出兵で晋州城を攻撃した際、この石垣にめたくそ感動して朝鮮の石工を連れ帰り作らせたからである。

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