玉石混合!?美味しく飲むためのTIPS集 〜その5
 


蔵出しとは?

「蔵出し」とは、出荷される直前まで、作り手(シャトーやドメーヌ)の手元に置かれていたもののことを言います。シャトーに置かれていたといっても、樽に入っていたのではなく、ビン詰めされて長年保存されていたものです。
状態を気にする人は、少々高くても蔵出しを好みますし、現に蔵出しのものは、普通に流通しているものに比べて値段はやや高めに設定されてます。 蔵出しにこだわるべきかどうかは、値段にもよりますが、オールドビンテージで、蔵出しとそうでないものとのどちらかを選べといわれれば、私は多少高価でも蔵出しを選びます。理由は以下の2点につきます。
1.状態が良好である可能性が高い。
オールドビンテージにリスクはつきものですが、投資代わりに流通している1級シャトーやDRCなどの場合は、下手をすれば、何人もの手をわたったり、地球を一周しているようなものもあります。それぞれの時点での保管者はきちんと保管していたとしても、その間の流通などで過酷な条件にさらされている可能性は低くないし、そもそもあまり旅をさせるのは、ワインの熟成を早めてしまい、好ましくないと私は思ってます。出所の不明なものを安く購入して結局後悔するよりは、多少高くても蔵出しのものを購入した方が安全だと考えます。
2.良いキュベが使われている可能性が高い。
公式にはあまり言われてませんが、ムートンのように出来の良いキュベを 優先的に自分の手元に保管しておくシャトーも多いようです。実際私も、とある作り手のプライベートストックと流通しているものとを飲み比べて、その違いに驚かされた経験があります。

ただし、蔵出しが常にベストかというと、そうでもなくて、たとえばオールドヴィンテージのものは、蔵を出す直前にリコルクされるものがあるようですので、購入してすぐ飲むと意外に若い味わいで拍子抜けした、なんて話もよく聞きます。
それに、 いくら蔵出しのものでも、その後の輸送や保管が悪ければ何にもなりません。インポーターやショップ次第の部分もあります。
また、そもそもブルゴーニュなどは、ルモワスネやアンポーなどの一部の例外をのぞけば、蔵出しのバックビンテージはほとんど存在しません。
最後に、大手酒商の中には、「マーラベッセ」のように、購入後1センチたりともワインを動かさずに長年保存しているところもあります。マーラベッセの古酒は、蔵出し同様、信頼できるすばらしいものです。


ネットのワインショップ

楽天市場のおかげで、ネットのワインショップもずいぶん増えましたが、現実にネットで収益をあげているところはごくわずかしかないそうです。メルマガやHPの更新、配送、クレームへの対応、楽天へのテナント料などに加えて、ネットのショップは価格が一覧で見れてしまうので、どうしても、価格競争が熾烈になり、利幅が圧迫されるのでしょう。 競争の結果、安い価格で入手できることは消費者にとって好ましいことですが、「安かろう悪かろう」ではなんにもなりません。ネットでの購入は現物を見れないだけになおさらです。

1.価格の相場のチェック法
この点に関しては、楽天のシステムは便利です。店舗の一覧画面で、希望の銘柄を検索すれば、どっと一覧になって出てきて、どこが安いかが一目瞭然でわかります。

2.信頼のおける店か?
しかし、冒頭に述べたように「安かろう悪かろう」では、なんにもなりません。私も(上のような方法で見つけた)なじみのない某ショップで、89ムートンを注文してみましたが、 送られてきたボトルは、コルクが盛り上がって、キャップシールも回らないものでした。

3.店へ確認してみる
ある程度その店の評判がわかればいいのですが、そうもいかないことも多いかと思います。その場合は、ショップへ状態や入手経路などをメールで尋ねてみてはいかがでしょうか?良識のあるショップならきちんと答えてくれるはずですし、きちんとした回答を得られないようなところからは買ってはいけないということでしょう。

4.メルマガの見方
メルマガはまさに百花繚乱といった感がありますが、たとえば、銘柄の紹介を読んでみてください。店の人が実際に飲んでレポートしているものと、単にパーカーの評価を転載しているだけのものでは、その情報の重みには雲泥の差があるといえます。

5.トラブルは意外に少ない
ネットでの買い物というと、トラブルを恐がる人がいいですが、私は今のところほとんどトラブルには遭遇していません。あえて言うと、本数が間違ってきたり、「福袋」の中身に大変失望させられたり、ということはありましたが、その後のフォローはしっかりしたものでした。店側も、悪い評判をたてると挽回するのが大変なので、かなり神経をつかっているようです。


ワインをプレゼントするときのTIPS(by SEIさん)
以下の内容は2001年2月にSEIさんが掲示板に書きこんでくれたものです。 せっかくなのでこちらに転載しました。 バレンタインのお返しなどにお役立てください。(^^)

(ワインマニア以外の)女性へプレゼントを送る場合、僕は、

1.ワインのランクを落として、いくつかのタイプで複数本にする (リスクヘッジ)。
2.飲みやすいシャンパンか白を混ぜる。
3.グラス&グラスタオルを付けて「気遣い」を演出する。  
(ENOTECAの場合、「ボルドー」が汎用性があってよろしい)
4.\1,500の木箱に入れる。リボンをかける。 ダンボールは緑のオリジナルのやつ。

という風にしています。特に「3」や「4」が評判いいです。
「3」の場合、 送るグラスはケチらずにペアにしましょう!うまくいけばそのうち1脚は自分が使うことになるかもしれません。


ワインバー利用の心得
私は仕事の夜のつきあいなどもあってよくワインバーを利用します。
店を選ぶときには、ブルータスの付録のガイドなどを参考にしているので、そんなにハズレることはないのですが、たまにヒドイ店にあたることもあります。個人的に、下記のような店は勘弁してほしいです。

・グラスワインがないところ。
申し訳程度の銘柄を赤白1種類程度しかおいてないところも同様。
また、ものの本にはグラスワイン8種類などと書いてあっても、行ってみると、実態はそのうちのほとんどがシャンパーニュと食後酒というところも多いです。
グラスワインを多く出すということがワインバーにとってリスキーであることは判ります。 しかし、一人や二人で、しかも2軒目、3軒目に行くシチュエーションの多いのがワインバーです。やはりグラスワインは充実していてほしいと思います。
シノワのようにほとんどすべての銘柄をグラスで飲めるようにせよ、とまではいいませんが、せめて、「おっ、いいセンスだな」と思わせてくれるチョイスを数種類提供してほしいと思います。

・いつ抜栓したかわからないようなグラスワインを出すところ。
これもワインバーのオーナーにとっては耳の痛い指摘かもしれません。
グラスワインを多く出すということは、それだけ飲み残しのリスクを伴うわけですから。
しかし、何千円もするようなグランヴァンをグラスを頼んで、香りのまるでしないグジュグジュになったものを出してこられると、やっぱりその店の良識を疑いたくなります。そういう場合はせめて「昨日抜栓ですけど、よろしいですか?」というような断りをいれるか、その分価格をディスカウントすべきじゃないでしょうか。しかしそのような対応をしてくれたワインバーにはいまだめぐり合ったことがないです。客側の自衛手段としては、あらかじめいつ抜栓したものかを訪ねるとか、抜栓後まだ間がなさそうなものを頼むようにするといったことでしょう。

・グラスがよくないところ。
少なくとも「ワインバー」と名のつく店であれば、リーデルもしくはそれに準ずるグラスでワインを提供するのは、フランス料理の店でナイフとフォークを供するのと同じぐらい当然のことであろうと私は思います。あくまで個人の意見です。

・オーナーが変人なところ。
ワインバーというのは、オーナーや店員と客との距離感というのが、非常にデリケートだと思います。一部、変人的な名物オーナーを求めて客が集まるユニークな店もあるようですが、私個人としては、こちらからすりよってそういう方と御友達になりたいとは思いません。そうかといって、デニーズの店員のような対応をされても、それもちょっと違うと思いますし。この辺の呼吸はなんとも言葉では表しにくいんですが、名店といわれるところはどこもそれがすばらしいです。


・常連の客がやたらとデカイ面をしているところ。

私がかって行った某ワインバーでは、女性オーナーがずっと常連の客にかかりきりで、こちらはほとんど無視同様の扱い。なんだここはクラブか、と思ったもんです。 そりゃ、確かに我々が一番安いボトルしか頼まなかったというのもありますけど…(笑)
でも、実はこれも難しい問題で、何度も通いつめた常連客は当然、それなりの対応をしてほしいものですし、店側もあくまでさりげなく、一見とは異なった扱いをすべきでしょう。その「あくまでさりげなく」というところが腕の見せどころなんでしょうね。

・会計が明朗でないところ。極端に高いところ。

ああ、もうこれについては書きたくありません。表題の通りです。

狭かったり、やたら暗かったり明るかったり、場違いなBGMがかかっていたりなどでくつろげないところ。
これも店のセンスの問題でしょう。ただ、広さに関しては、良い店は、店面積的に狭くても、サービスなどで逆にそれを「アットホーム」に感じさせてくれるようなところもあります。

ちなみに私が過去に行ったところで、オススメできるところは以下のようなところです。(都内)
シノワ(銀座/渋谷)、マルズ・バー(六本木)、アンドゥー(吉祥寺)
タストヴァン青山(青山)、Vin Vino Brule(新宿)。


オークション利用の心得

最近国内でもオークションが盛んになってきていますね。火付け役はYahooだと思います。Yahooのオークションはプレミアムがかからないところや信頼性保持のシステムなど、良い点もあるのですが、ワインに関しては、はっきり言ってリスクが大きいと思います。理由は大きく二つあります。
1.ワインの状態がわからないこと。
2.そのわりに落札価格が安くないこと。
多く出品している方の中には、「この人からなら買っても大丈夫だろう」というような方もいらっしゃいますし、実際そうした特定の方から上手に落札している人もいるようです。逆に言えばそのような見極めが出来ない方はあまり手を出さないほうがよいかもしれませんね。

その意味では、楽天でさかんに行われているワインショップ主催のオークションの方が安心できます。ただこれも多くの場合、落札価格があんまり割安感がない気がするんですが。(笑)

海外のオークションについてはどうでしょうか?値段は国内と比べるとかなり安いです。また、国内でなかなかお目にかかれないような銘柄に出くわす事も多いです。ここでの問題は三つでしょう。
1.ワインの状態がどの程度か。特に古酒の場合。
2.発送費用、プレミアムなどを含めた合計金額がいくらになるか。
  トータルすると意外に安くない場合もある。
3.会社の信頼性。手続きに遅延やミスがないか。

ちなみに海外のオークションハウスでは以下の二社がポピュラーです。

・シカゴ・ワインカンパニー
老舗。膨大な数のワインを取引している。登録すると、分厚いリストが郵送で送られてくる。ただし、ネット機能への対応はイマイチ。

・ワインビッド
USA,UK、オーストラリアに拠点を持ち、それぞれが独自のオークションを行っている。「ロット・トラッカー」など、ネットへの対応も充実しておりHPも見やすい。ただ、一部にワインが届かないなどのトラブルの報告も。

これらについては、私もまだ利用し始めて日が浅いのでなんともいえません。いずれまたコラムなどで報告します。

まとめます。オークションを利用する価値があるのは以下の場合に限られると思います。
1.店頭で買うより相当に安く購入できること。
もしくは
2.一般のショップでは見つからないようなレア物を購入できること。

ちなみに、
・ 終了間際はとくに入札が集中します。そこでつい熱くなって競りあった結果、大して割安感のない御値段で落札してしまうということは私もよくやる過ちです。
・アメリカは今景気がよいせいか、オークションでも人気銘柄はかなり高値がつくようです。不人気銘柄を狙ったほうが良い買い物ができるでしょう。
・Yahooの出品者の中には、IDを二つ持っていて、買う気があるとみるや、もうひとつのIDを使って値段をつりあげるという悪質な輩がいるそうです。気をつけるにこしたことはありません。

最近は国内でも「ワイン通ドットコム」など専業のオークションハウスが活動を始めています。ようやく国内でも注目され始めた健全なオークション文化を発展させるべく、頑張って欲しいと思います。


ワインの買い方について

ワインは生鮮食料品のようなものです。魚屋で買う魚とスーパーで買う魚、どちらも同じといえば同じですが、違うといえば違いますよね?ワインも同様ですが、魚や野菜や果物よりたちが悪いのは、その状態が外観からではわからないということです。
したがって、注意点としては、1.良い店で買う 2良い状態と思われるものを買う 3.同じ状態のものなら安く買いたい
ということにつきると思います。まあ現実には特に高価なワインやオールドビンテージなどでない限りはワインを中心に扱っている酒屋やデパートのワインコーナーなら状態に関してはそれほど神経質になる必要はないと思いますが。
私が日頃心がけているTIPSを以下に挙げます。

1.ワインを中心に扱っている店で買え!
町の酒屋の中には、びっくりするほどの品揃えを誇る店もあるかと思えば、申し訳程度にしか置いていない店もあります。それぞれのお店にも得手不得手の分野があるのでしょうが、中には夏場でも直射日光のあたる店頭にワインをおいていたり、ビールなどとおなじ冷蔵庫の中に赤ワインをおいているような非常識な店も(まれに)見かけます。このような店は論外ですが、基本的には、ワインをメインに扱っている知識の豊富な店員のいる店で買うのが安全だと思います。

1.売れている店で買え!
デイリーワインを買う場合、ワインショップの店頭で長期に渡っておかれるワインは、よほどしっかりしたショップでも温度管理や光の遮断、振動など、保存面 でキビシイ状態になってしまいます。その点よく客の入っている店なら商品の回転が早いですから、比較的「鮮度」が高いものが買えます。

3.セールを徹底活用せよ! 

ワインショップのセールは大体、春先、秋口、冬のボーナス前などのあちこちでやっています。また閑散期に全品1割引、などといったセールをやっている店もあります。価格が安いというメリットもさることながら、日頃入手困難な人気の品やレアものを入手しやすいというメリットも大です。ブルゴーニュやカリフォルニアの人気の造り手が入荷するときには開店前から長蛇の列ができることもしばしばです。
ショップのセールで入荷するワインは、単に安いというだけでなく、前述のように回転が早いというのも安心できるポイントです。

4.美味しいと思ったワインは即まとめ買いせよ!
ワインは工業製品と違って、数に限りがあるので、美味しかったからまた飲みたいと思ったら、すぐに買い置きしておくことをオススメします。私はこれで何度も失敗しています。一本試しに買って飲んだらすごく美味で、また次に行ったときに買おうと思っていたら、そのときにはなくなっていたとか、それで苦労して探し回って同じもののビンテージ違いを手にいれたら味が全然違っていたとか…
同じビンテージのものでさえ、輸入業者や個体差によってかなり味が変わってくることもあるそうですから、やっぱり買ったその店で同じケースのものを買うのが一番安全です。

5.ショップのDMやメールサービスを利用せよ!
主なワインショップではたいていDMやメール、FAXなどで新入荷情報やセールの情報を流しています。登録しておくと定期的に送られてくるので便利ですし、いろいろな店のプライスリストを見ていると相場がどんなものかもわかってきます。

6.セールのチラシは保管しておく。
過去のセールや新着情報などのチラシは捨てずにまとめて保管しておくと、ある特定の銘柄についての相場を知りたいときにに便利です。

7.高価なワインは輸入業者まで気を配る。
特にブルゴーニュなどの場合、輸入業者による状態の違いはバカにならないものがあります。輸入業者にまで気が回らないという人は、せめて輸入業者をきちんと選別している店から買うことをオススメします。


レストランでの注文の仕方

バイトして貯めた金で、憧れの子と初めてのデートに、高級フレンチを予約して、ワインの名前もあらかじめ3種類くらい暗記していったのに、いざリストを見てみると覚えていった銘柄がない。あたふたとしていたら、ソムリエ氏からそっと「君にふさわしいものを選んだよ」と女の子に言うように耳打ちされて、きょとんとしていたら、出てきたワインは、ヴァイオリンをたしなむ女の子にちなんだ「オーパスワン」(作品番号1)だった。ごぞんじコミック「ソムリエ」の中の一話。かっこいいですね〜。ところが稲垣くん演じるドラマ版では、スポンサーの関係からか、「オーパス」でなく、「シューベルトワイン」が出てきてずいぶんと興ざめしたものです。

1.迷わずソムリエに尋ねる!
ちなみに、私も友人とレストランに行くとよくワインを選んでくれと頼まれますが、ソムリエがいる店では、迷わずおすすめを聞くようにしています。だって、リストの銘柄がどんなものかはわかっても、その中のどれが最も飲み頃かとか、AとBを比べてどちらが美味しいかとかなんていうことは、実際にその店のワインを扱っているソムリエのほうが絶対よく知っているはずですから。そうはいっても多少はこちらの希望もおりこみたいので、具体的には、「○○円くらいの予算で、おすすめのものを2〜3本教えて下さい。」とか「AとBとCというワインを候補にしているんだけど、どれが一番おすすめですか?」というような聞き方をしています。

2.今まで飲んで気に入ったワイン名を出す。
よくソムリエ氏は「どんなタイプがお好みですか?」とか「お好みのタイプを言ってもらえばそれにあわせて選びます。」という風に聞いてきますが、これが初心者にとっては鬼門だと思います。私だって、「どんなタイプ」と聞かれて、うまく説明する自信はありません。ではどうしたらいいかというと、そんな時のために、「以前飲んで美味しいと思った銘柄」をいくつか覚えておくとよいでしょう。「以前飲んだ、○○○というのがとても美味しかったので、それに似たタイプのものを」と言えば、具体的にソムリエ氏もよく判ってくれてお互いハッピーというもの。美容院で髪型を言うときに「藤原紀香みたいに」などというのと同じです。ただし、それが超マイナーなワインだったりするとソムリエ氏もわからないので、気をつけましょう。

3.あらかじめ予算を告げておく。
もうひとつ。予算に限りがある場合には必ず予算を伝えるようにしましょう。というのは、ソムリエ氏は「おすすめを」と頼まれた時、通 常リストの中の最も高いクラスと最も安いクラスは推薦しないからです。店のワインリストが全般 に高めな場合など、おまかせにすると結構な額のワインが出てくることになります。女性やお客の前とかで言いにくいようなシチュエーションが予想される場合は、予約時にあらかじめ言っておくなどすることをおすすめします。