ワインと料理の相性、すなわちこの料理にはどういうワインがあうか、あるいはこのワインにはどのような料理をあわせればよいかという質問を、同僚や友人からよく受けるのですが、筆者はよほど「やめておいたほうがよい」という取り合わせでない限りは、「飲みたいものを飲めばいいんじゃない?」と答えています。
「やめておいたほうがよい」組合わせとは、たとえばカレーライスと高級なピノノワールとか、おでんやうどんとフルボディのボルドーとか、焼肉とソーテルヌとか、想像するだけで、「これはちょっとツライかなあ」というものです。ものの本には、刺し身などもわさびがきいているのでワインは合わないとか書かれていますが、私はたいていブルゴーニュをあわせて飲んでいますし、トマト味のものも酸味がキツイのであわせにくいとありますが、私は結構平気で若いボルドーと一緒に食べています。まあ単に私が鈍感なだけかもしれません。
最近はワインが日常生活の中に浸透してきていることもあって、「家庭料理に合うワイン」という類の特集をよく目にします。ただ、中には「とんかつにはアルザスのリースリング」とか「エスニックにはゲビュルツトラミナー」とか、なんていう、確かにそのとおりだと思うけれども、ちょっとマニアックじゃないかなあという組合わせをよく目にします。
残念ながら我が家ではあんまり白ワインは飲まないので、自分のストックの中でも白ワインはわずかだし、ましてゲビュルツなんて一本もストックがありません。
タイ料理やベトナム料理(を家庭で食べることがそもそもそんなにない気もするけど)に併せてわざわざそれを買ってくるくらいならビールでいいや、と思うし、とんかつとだったら、個人的には若いボルドーやカリフォルニアの赤でもオッケーと思ってしまいます。
そもそも和食の家庭料理って厳密にあわせようとすればするほど、ワインの出番、とくに赤ワインの出番は減ってきそうな気がします。でも私は基本的に赤が好きなので、普段飲まないようなワインを無理して飲むよりは自分の好きな赤ワインを飲んでいます。
ケンタッキーフライドチキンとピノノワールとか、吉野屋の牛皿とカベルネとか、結構ジャンキーなものとのあわせも面白いです。
#ただ、人によってはマリアージュにことのほかこだわる方もいて、そういう方とご一緒させてもらうと、なるほどこれはすばらしい、というような組み合わせの妙を楽しませてもらえることもあります。なので、マリアージュにこだわる姿勢を決して否定するものではありませんし、私自身この分野についてはまだまだ勉強不足だと思っています。
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